Cooper-Standard Holdings Inc. 2018年12月期の動向

業績

 (単位:百万ドル)
  2018年12月期 2017年12月期 増減率 (%) 要因
売上高 3,629.3 3,618.1 0.3 1)
純利益  104.6 138.6 (24.5) -
地域別売上高
-北米 1,924.7 1,882.7 2.2 2)
-欧州 1,030.1 1,043.7 (1.3) 3)
-アジア太平洋 576.4 585.2 (1.5) 4)
-南米 98.1 106.6 (8.0) 5)

要因

1) 売上高
-2018年12月期の売上高は前年比0.3%増の3,629.3百万ドル。売上増は主に、為替差益および、買収や売却が純売上にプラスに寄与。これらの増収は、既存事業での減収により一部相殺された。

2) 北米売上高
-2018年12月期の売上高は前年比2.2%増の1,924.7百万ドル。買収による売上増が主要因となり、既存事業での増収と為替差損は比較的小さな影響に留まった。

3) 欧州売上高
-2018年12月期の売上高は前年比1.3%減の1,030.1百万ドル。為替の影響が増収要因だが、既存事業での減収と買収や売却による純減少が増収を相殺した。

4) アジア太平洋売上高
-2018年12月期の売上高は前年比1.5%減の576.4百万ドル。為替差益と買収による売上増がプラス影響になった一方、販売量減少のマイナス影響により相殺された。

5) 南米売上高
-2018年12月期の売上高は前年比8.0%減の98.1百万ドル。販売量とプロダクトミックスの増加が増収要因だが、為替差損により相殺された。

買収

-同社は、工業用および特殊自動車用シーリング向けの有機、シリコン、熱可塑性、エンジニアリングポリマー製品の押出機および成形機を扱うLauren ManufacturingLauren Plasticsの買収に合意したと発表した。買収により、オハイオ州Kentとミシガン州Spring Lake500名超のLaurenの従業員をCooper Standardに迎え入れる。Laurenの専門知識を活用して、Cooper Standardは材料科学分野の強化を図るという。(201873日付プレスリリースより)

-韓国のLS Mtronは自動車部品事業を物的分割し、持分80.1%を同社に売却する契約を締結したと発表。これによりLS Mtronは、ブレーキホース、パワーステアリングホース、チャージエアクーラーホースなどを扱う自動車部品事業から撤退し、トラクターや射出事業に注力する計画。同社は2017年7月、子会社LS Automotiveおよび銅箔・薄膜事業をKohlberg Kravis Roberts & Co. LP (KKR) に売却したほか、2018年3月には電子部品事業をSkyLake Investment Co.に売却するなど、事業再編を進めていた。(2018年5月10日付プレスリリースより)

事業再編

-Continentalは、同社の防振事業を買収することで合意したと発表した。買収により、Cooper Standardが広範な防振システム技術を持つ北米を中心に、防振・防音技術における世界的プレゼンスを拡大する。合意には、フランスにおけるCooper Standardのすべての防振事業と、インドの合弁会社における同社の保有株式購入も含まれるという。Cooper Standardの防振事業は、カナダとフランス、インド、米国にある研究・開発拠点を含め、5つの生産拠点を持つ。(2018年11月2日付 プレスリリースより)

合弁事業

-東風汽車零部件(集団)有限公司[Dongfeng Motor Parts And Components Group Co., Ltd.]と同社は2018年5月13日、武漢で合弁契約を結んだ。両社はパイピングシステムとシーリング材の合弁会社を設立する。合弁会社は燃料・ブレーキライン、フューエルデリバリーシステム、自動車シーリングシステムなどの業務を主とするほか、東風汽車ポンプ業有限公司[Dongfeng Motor Pump Co., Ltd.]のパイピング業務も引き継ぐ。本社工場は武漢に置き、同時に東風汽車ポンプ業有限公司パイピング業務工場をベースとして十堰にも工場を建設する。武漢工場は乗用車向け、十堰工場は商用車およびその他の顧客向けとする。(2018年5月16日付けプレスリリースより)

最近の動向

-同社は米国ミシガン州Northvilleに新本社を建設すると発表した。Noviにある現在の本社とLivoniaのグローバルテクノロジーセンターの近くに建設する新本社は、2020年初めに完成する予定。400名の従業員を収容できる110,000平方フィートの3階建施設は、共同作業スペースやビデオ会議スペースなどを備えるオープンコンセプトオフィスで、今後の拡張も可能だという。(20181218日付プレスリリースより)

受賞

-同社、人工知能 (AI) をベースにした高分子化合物開発ソフトウェアが、米国の自動車専門誌「Automotive News」が主催する「2019 Automotive News PACE Awards」のファイナリストに選出されたと発表した。同社のファイナリストへの選出は2年連続。Cooper-Standardは、特定用途向け高分子化合物の開発を加速させる独自のAIソフトウェアを開発。このソフトウェアを使用して、素材の開発時間を短縮、優れた性能特性を提供する新たな化合物の迅速な開発を実現している。PACE Awardsの受賞者は201948日に発表される。(20181017日付 プレスリリースより)

-同社GMから2017年「Supplier of the Year」を受賞したと発表した。GMは、品質や技術などに優れ、GMに大きく貢献した17カ国132のサプライヤーに同賞を授賞している。(2018425日付プレスリリースより)

-同社は、軽量エストラマー「Fortrex」が「2018 Automotive News PACE Award」を受賞したと発表した。「Fortrex」は、自動車のシーリング材に用いることで、車両の軽量化に貢献し、優れたシール性能と美しい外観を提供するという。(2018410日付プレスリリースより)



研究開発費

 (単位:百万ドル)
  2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
合計 122.5 128.0 117.8



研究開発拠点

-2018年12月31日現在、世界に20の研究開発拠点を保有。

-クーパー・スタンダード・オートモーティブ・ジャパン (横浜市西区) は4日、横浜市西区の横浜三井ビルディング内に新本社とエンジニアリングセンターを開設したと発表した。試作品を確認する装置なども設けたことで、日系自動車メーカーに向けて迅速な製品開発や技術サービスの提案につなげる考えだ。米クーパースタンダードはシーリングシステムで世界シェアトップになるなど、欧米自動車メーカー向けに高いシェアを占めている。ただ、日系自動車メーカー向けの売り上げ割合は全事業合わせても5%以下。このため国内の開発機能を強化し、「10年かけて2倍にする」 (ジェフリー・エドワーズクーパースタンダード会長兼最高責任者) する方針だ。 (2018年9月5日付日刊自動車新聞より)

製品開発

新素材、加工、軽量化に関する最近の技術
-ここ数年、同社は新素材や加工、軽量化に関する複数の技術を開発した。車両の軽量化に貢献し、優れたシール性能と美しい外観を提供する軽量エストラマー「Fortrex」や、耐腐食性を改良し、耐久性を向上させたブレーキライン向け素材「MagAlloy」、耐久性を向上し、ボンネットの摩擦スリーブを取り換え不要にした冷却用ホース向け素材「ArmorHose」などが含まれる。



設備投資額

 (単位:百万ドル)
  2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
北米 72.5 67.3 61.3
欧州 53.5 45.9 57.1
アジア太平洋 70.7 51.2 33.8
南米 5.7 4.9 2.1
消去他 15.7 17.5 10.1
合計 218.1 186.8 164.4

-2019年12月期で、同社は180百万ドルから190百万ドルの設備投資を予定している。



海外投資

<メキシコ>
-同社は、メキシコ・アグアスカリエンテス州で新しいゴム混合工場を着工したと発表した。エラストマー混合を現地化し、持続的な成長を目指す。投資額11百万ドルで、工場の広さは10万平方フィート。2019年初めに稼働を開始し、フル稼働時には約100人を雇用する。新工場の建設により、Cooper-Standardはブラジルや米国、中国、フランス、ドイツなど、世界に14のゴム混合工場を持つことになる。(2018627日付 プレスリリースより)