Modine Manufacturing Company 2009年3月期の動向
ハイライト
業績 | (単位:百万米ドル) |
2009年 3月期 |
2008年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 1,408.7 | 1,601.7 | (12.0) |
1) |
営業利益 | (103.6) | (54.4) | - | - |
アジアOE部門 | ||||
売上高 | 17.4 | 15.0 | 16.0 | 2) |
欧州OE部門 | ||||
売上高 | 597.4 | 757.7 | (21.2) | 3) |
北米OE部門 | ||||
売上高 | 481.8 | 521.1 | (7.5) | 4) |
南米OE部門 | ||||
売上高 | 136.4 | 136.9 | (0.4) | 5) |
要因
1)
-世界の金融および経済危機の影響を受け、同社の自動車向け売上は特に欧州内大きく減少。
2)
アジアOE部門
-アジアでのプレゼンス拡大や新工場完成などが寄与し売上はわずかながらも増。中国Changzhoの新工場は、2008年3月期の第3四半期から生産を開始。インドのChennaiの工場は2009年3月期の第2四半期から生産開始。
3)
欧州OE部門
-売上減の主な要因は、自動車販売数にともなう179百万ドルの売上減。売上減は、為替差益の18百万ドルで一部相殺。
4)
北米OE部門
-販売減は、2007年1月1日の排出ガス規制施行以来続く、北米のトラック市場低迷が主な要因。北米トラック市場は、世界不況の影響を受けさらに悪化した。
-売上高は、北米の大型・中型商用車市場、乗用車市場不振の影響を受け、不調。
5)
南米OE部門
-ブラジルの農機、商用車市場は堅調維持。しかし為替損益2百万ドルにより一部相殺。
売却
-同社子会社であるThermacore, Inc(本社:ペンシルバニア州Lancaster)の事業資産売却を完了したと発表。電子冷却事業を手掛けるThermacoreの関連資産のほぼ全てをThermacoreの現・旧経営陣が設立した新会社FSBO Venturesに売却したもの。売却額は13.25百万ドル。(2008年5月1日付プレスリリースより)
-韓国の自動車用HVAC事業を売却すると発表した。自動車用HVAC事業を縮小し、引き続き収益が見込めるエンジン/パワートレイン冷却製品事業や冷却部品事業により多くの経営資源を振り向ける。韓国以外の自動車用HVAC事業についても今後1年から1年半ほどをかけ見直しを行う考え。(2008年10月21日付プレスリリースより)
事業再編
-北米3工場を閉鎖すると発表。閉鎖されるのは、 Camdenton工場(ミズーリ州)、Pemberville工場(オハイオ州)及びLogansport工場(インディアナ州)。これら3工場に加え、2008年2月4日には、グローバルな生産再編の一環として、ドイツのTubingen工場を閉鎖することも明らかにした。今後1年半から2年を目処に北米の3工場を閉鎖し、現行事業を同地区の他工場に移管する予定。 (2008年4月3日付プレスリリースより)
-新たなリストラ策として、米国ウィスコンシン州Racineの本社に勤務する従業員を削減すると発表。対象は本社人員の約25%にあたる170名程度。また、ドイツBonlandenにある同社の欧州本社および技術センターでも大規模なリストラを実施。(2009年1月19日付プレスリリースより)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万米ドル) |
2009年3月期 | 2008年3月期 | 2007年3月期 | |
全社 |
80.6 | 93.2 | 82.3 |
研究開発体制
-2009年3月期の後半、Advance Solutions Research (先行製品研究)チームを結成。その重点活動は、社内の戦略製品研究を補完し、政府あるいは納入先からの資金的援助が期待でき、さらに同社が持つサーマル技術の経験、ノウハウ、能力を生かすことが可能な外部の研究プロジェクを探求すること。
特許
-これまで全世界で2,400件の特許を取得。
研究開発活動
-最近の研究開発プロジェクトのひとつが「廃熱回収システム」で、厳しさをます排気ガス削減要求にエンジンメーカーやトラックメーカーが対応できるよう支援することを目的に米国エネルギー省と合同で大手の米国エンジンメーカーのために開発したもの。これは同時にパワートレーンの効率も向上させるため、燃費効率の向上にもつながる。このほかのプロジェクトとして、商用車、農業・建設用車両用の次世代アルミラジエーターや、厳しい排気ガス規制に対するメーカーの効果的な対応を可能とするEGR技術がある。
設備投資
設備投資額 |
(単位:千米ドル) |
2009年3月期 | 2008年3月期 | 2007年3月期 | |
アジアOE部門 | 16,047 | 15,236 | 2,839 |
欧州OE部門 | 54,485 | 35,892 | 22,260 |
北米OE部門 | 26,352 | 23,073 | 25,486 |
南米部門 | 3,970 | 7,385 | 3,511 |
商用製品 | 2,157 | 1,595 | 6,476 |
燃料電池 | 249 | 589 | 546 |
共通 | (652) | 1,408 | 15,114 |
消去 | - | - | (58) |
設備投資費 - 継続事業 | 102,608 | 85,178 | 76,174 |
設備投資費 - 非継続事業 | 653 | 4,262 | 7,372 |
設備投資費合計 | 103,261 | 89,440 | 83,546 |
海外投資
-冷却部品事業の強化を図ると発表。同社は、2008年9月、欧州自動車メーカー向けコンデンサーの需要増に対応するため、オーストリアのKottingbrunnで新工場を着工した。さらに、北米でのコンデンサーの生産能力強化に向け、投資を拡大する計画。同社は、また、パワートレーン冷却製品事業の内部組織として「冷却部品事業」を立ち上げた。(2008年10月17日付プレスリリースより)
-インドChennaiでの生産拠点開設を発表。この新拠点では、インド国内のエンジンメーカー、商用車メーカー、オフハイウェイ車両メーカー向けに製品を供給する。同拠点を通じ、新興市場向けのエンジン/パワートレイン冷却製品事業の拡大を図る計画。新工場への投資額は14百万ドルで、2009年12月を目途に生産を開始する予定。(2009年11月13日付プレスリリースより)