Cummins 2009年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ドル)
  2009年12月期 2008年12月期 増減率(%) 要因
売上高
エンジン事業 6,405 8,810 (27.3) 1)
コンポーネント事業 2,355 3,152 (25.3) 2)

要因
1)
エンジン事業
エンジン事業は2008年の世界経済不況の影響を受けすべての主要市場で売上が減少。以下は主な減少要因:
-産業機械市場の売上減少は、建機で63%、船舶で45%、鉱業用機器で50%と軒並み販売実績の悪化によるもの。

-据置型発電市場の売上が減少。発電セグメントでは顧客需要の減少に対応して既存の設備を利用したことで製品売上が伸び悩んだ。

-中型トラックの売上が減少。世界経済不況の結果各地の販売が総計で35%落ちたことが原因。米国市場の売上は経済不況の影響を受けたものの、2010年1月1日施行の排気ガス規制改定に先駆けた駆け込み需要や市場占有率の改善などにより減少分は一部相殺。

-大型トラック市場の売上減少は全市場での車両販売台数が64%落ちたことが要因。メキシコ市場で2008年7月1日の新排気ガス規制導入前の駆け込み、 米国ドル高、新法で認可された米国・カナダからの中古トラックの流入などを背景とした2008年上半期の大型トラックの売上増があった影響を受けて 2009年は減少。米国トラックフリート市場については、輸送荷物量不足、資金調達制限などの影響を受けた財務的課題はあったものの、2010年1月1日 の排気ガス対策規制に伴う駆け込みと需要および占有率の改善で2009年第4四半期に販売が伸びた結果、売上高は対前年比並みの結果となった。

-2009年のオンハイウェイ関連製品の売上高は、エンジン事業部門の総売上高の61%を占めた。(2008年は53%)。

2)
コンポーネント事業部門
コンポーネント事業部門は世界経済不況の影響を受け前年に比較して全分野で売上が減少。以下は主な減少要因:
-アフターマーケット市場の全地域で販売量が落ち込んだこととOEメーカーの需要が低迷したことでフィルター製品の販売が大幅に減少。特に北米と欧州市場の落ち込みが顕著。また、2009年に事業の一部を排気ガス対策部門に組み替えたことも減少要因。

-ターボチャージャー事業の売上減はOEメーカーの需要が欧州と北米で激減したことが要因。

-燃料システム事業は北米と欧州のOEメーカー需要の減少が主たる原因。

-排気ガス対策事業は欧州と北米のOEメーカーの需要減が原因。フィルター事業の一部を組み込んだことで減少分は一部相殺。

受注

-Chryslerからの「Dodge Ram」用6.7Lターボディーゼルエンジンの受注が増加したと発表。(2009年10月7日プレスリリースより)

- トラック用エンジンをChryslerに供給すると発表。「Dodge Ram Heavy Duty」、「Dodge Ram Chassis Cab」搭載用の6.7Lターボディーゼルエンジン供給に関して、複数年契約を締結したもの。同社は1989年から「Dodge Ram」向けにターボディーゼルエンジンを納入している。累計出荷数は170万基を越えており、現在、「Ram」全モデルの8割以上に同社製ターボディー ゼルエンジンが採用されている。(2010年2月3日プレスリリースより)

事業再編

-フィルター部門(Cummins Filtration)は、北米におけるフィルター生産の大半をメキシコのSan Luis Potosi工場に集約する。稼働率が低い生産拠点の再編が目的。その一環として、米国アイオワ州Lake Mills工場の生産を2009年11月から移管開始。また、テネシー州Cookeville工場の生産も移管を検討している。(2009年8月25日プ レスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2009年12月期 2008年12月期 2007年12月期
全社 362 422

329

エンジン 241 286 222
コンポーネント 88 95 73

研究開発体制

-全世界に17の技術センターを保有。

技術提携

-2009年1月、Cummins Emission Solutions(CES)は、米国ミシガン州のEMCON Technologies LLC (EMCON)と戦略的提携を結ぶことで合意したと発表。オンハイウェイトラック向けの排ガス制御製品を生産する。米国ウィスコンシン州の工場で、 EPA(米国環境保護庁)の2010年排ガス規制に適合するDPF(ディーゼル微粒子除去フィルター)とSCR(選択触媒還元)装置の統合システムを生産 する。(2009年1月20日付プレスリリースより)

製品開発

-2010年1月、米国エネルギー省(DOE)から総額約54百万ドルの助成金を獲得。うち約39百万ドルは「Super Truck」プログラムに関連しての受給。同社はPACCAR傘下のPeterbilt Motors Companyと提携し、クラス8トラック用の低燃費・クリーンディーゼルエンジンの開発を行う。残る15百万ドルは小型車両(LD)の燃費向上を図る 「ATP-LD」プログラム関連の助成金で、パワートレインの開発を担う。(2010年1月11日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2009年12月期 2008年12月期 2007年12月期
エンジン 207 331 189
発電 34 57 51
コンポーネント 59 139 99
物流 10 16 14
合計 310 543 353

海外投資

-中国のBeijing Foton Cummins Engine Co. Ltd. (BFCEC) は、小型商用車用ディーゼルエンジン「ISF」の生産を開始。同社のエンジン生産能力は年間40万基で、フル稼働時にはCumminsグループ最大の生産 拠点となる見込み。BFCECは、Cumminsと北汽福田汽車(Beiqi Foton Motor Company)の折半出資により、2008年3月に設立された。(2009年6月10日付プレスリリースより)