Sanluis 2008年度(2008年12月期)の動向

ハイライト

業績 (単位:百万ドル)
2008年12月期 2007年12月期 増減率
(%)
要因
連結
売上高 624.2 717.6 (13.0) -
部門別売上
サスペンション(北米) 292 433 (32.5) 1)
サスペンション(ブラジル) 203 163 24.5 2)
ブレーキ 129 122 5.7 3)

1)
サスペンション(北米)
-合計で67.7百万ドル相当となる、4種類のリーフスプリングと2種類のコイルスプリングを4メーカーに納入。また、年間売上高43.8百万ドル相当の新規ビジネスとして6メーカーのモデルに搭載するリーフスプリングとコイルスプリングを受注。

-開発チームが手がけたFORDの欧州、NAFTA、中国市場向け車両に搭載されるリアサスペンション開発の功績が認められ「グローバル・リード開発サプライヤー」としてFORDより認定された。

2)
サスペンション(ブラジル)
-Rassini-NHK Autopecas, Ltda. (RNA) はブラジルの経済成長に支えられて記録的に数量と売り上げを伸ばすことができた。内需が好調であったことと、ブラジル通貨が年間を通じて高めに推移したことが主たる要因。

-2008年度にRNA社はリーフスプリングを1.7百万個、コイルスプリングを3百万個生産。売り上げにして203百万ドルでEBITDAでは売上高の11.9%となった。シェアではOEMのリーフスプリング市場で65%、コイルスプリング市場では20%を確保。

-RNA社は2010年に立ちあがりが予定されている新車に搭載されるコイルスプリン2件を受注。この新規契約の結果, 市場占有率は3%上昇するとみられる。また、RNA社はリーフスプリング製品の欧州のトレーラーOEメーカー向けの輸出を開始した。

-サスペンションシステムの主要な部品である冷間曲げUボルトを初受注。この製品は引き続きトラックメーカーから好評。

-鉄鋼価格、公共料金、人件費などの大幅な高騰に直面した。こうした背景の中でRNA社は納入先と価格交渉を行った。こうした交渉と自社内のコスト管理を推進した結果EBITDAで11.9%、利益で6.1%貢献。

3)
ブレーキ
-ブレーキ部門の売上は対前年比で6%伸張。売上高にして129百万ドル。2008年度後半に自動車市場は悪化して伸び率に影響を与えたものの、FORDとGMの新車に搭載する製品が立ち上がったことでプラスとなった。

-鉄くずとフェロアロイ価格の高騰は2008年度前半も続いたことは同社のコスト負担を余儀なくした。

-市場悪化により一部相殺されたものの、新しく発表された5車種にブレーキローターを年間で1,145,000個納品。

-ディスクとローターの生産は、主に年後半の市場収縮により200年にくらべ3.8%減の5百万個にとどまった。これに加え、2008年春のAmerican Axle & Manufacturing のストによりGM向けのブレーキディスクの納入が25万個減少。


リストラクチュアリング
減産、過剰生産能力、モデルミックスの変更、エネルギーコストの高騰などの産業界を取り巻く問題に対処する目的で、2008年4月以降リストラと原低活動を実施。
-全従業員の37%に相当する1,080名の正規/非正規従業員を解雇。
-全工場の一時休業と操業時間の削減幅を増加。
-米国401K(確定拠出型年金制度)への負担部分を減額。
-昨年同様、従業員の給与据え置き方針を2008年度も実施。
-350件に及ぶカイゼン運動の実施。
-継続的改善に焦点をおいた25件以上のチームプロジェクトを展開。

開発動向

研究開発体制
-Plymouth(米国・ミシガン)のテクニカルセンターに、45名の営業・技術スタッフを配置。

-メキシコ及びブラジルの製品開発研究所と協力しながら、Plymouth拠点が将来の製品設計とサポートの基準となる新技術と技術的取り組みの方向性指示を担当。


製品開発
-新規に開発したQuadratech(R)技術をベースとして小型トラック用のサスペンションシステムを立ち上げた。Quadratechは従来型の製品に比べて20%軽量化されており、燃費性にも優れている。Firestone Industrial Products社との提携で初めて商業化された。(2008年8月4日プレスリリースより)。

-R4Techを2008年11月のSEMAショーで発表。この新型サスペンションシステムは同社とエアスプリングメーカーとの共同開発によるもので2008年のPopular Mechanics Editors Choice Awardを受賞した。2009年にはこの新製品がアフターマーケット市場の小型トラック32車種にオプション部品として発売される予定。

-2008年度に同社が登記した特許は2件。1件目は新金属マトリックス複合材料。2件面はブレーキ性能を改良しながら重量の軽減化を図れるといった技術に関するもの。

-農機向けで新規にねずみ鋳鉄製品を2008年度第4四半期に発表。12月から供給を開始。

設備投資

国内投資
-Rassini-NHK Autopecas社(ブラジル)は2008年から2009年の投資計画を続行する。2009年第3四半期にはサンパウロ工場の高応力コイルスプリングの生産能力を増強。2009年後半にはリオデジャネイロ工場で新たにリーフスプリングの生産ラインを完成させる予定。同社では新規の生産ラインを設立することでトラックメーカーのより厳しい許容値を満たしながら新たなビジネスチャンスの獲得を期待している。