現代モービス_2009年12月期の動向
ハイライト
吸収合併
臨時株主総会において、(株)現代オートネットを吸収合併する案が承認されたと発表。同社によれば、この合併により2015年までに6,000億ウォンを超えるシナジー効果が見込めるという。合併日は2009年6月25日。(2009年5月22日付プレスリリースより)
米国のMobis Alabama LLCは、Mobis Alabama Instrument Panel, LLCを吸収合併。同社は自動車用インストルメントパネルの製造を行っていた。(2009年1月8日付プレスリリースより)
会社設立
-韓国同社とLG化学は、リチウムイオン電池の新会社を設立することで合意した。2010年1月に会社を設立し、同年後半からバッテリーパックの量産を開始する。出資比率は現代モービスが51%、LG化学が49%。両社は、京畿道の義王(Uiwang)市に位置する現代モービスのハイブリッド車部品工場の敷地内に、年産20万台分規模のパック工場を建設。LG化学製の電池セルをパックに組み立て、現代モービスに納入する。現代モービスはそれを現代・起亜自動車向けに供給する計画。両社は2013年までに500億ウォンを投資する予定。(2009年11月2日付プレスリリースより)
受注
-BMW, GMBMWの準中型モデルにリアコンビネーションランプアッセンブリーを納入する。中国子会社の江蘇摩比斯汽車零部件(Jiangsu Mobis Automotive Parts)において、ハロゲンおよびLEDランプを生産。2011年から3年間、BMWのドイツ(ミュンヘン、レーゲンスブルク)、南アフリカ、中国などの工場に供給する。なお、韓国の部品メーカーがBMWからランプを受注したのは、今回が初めてとなる。また、同社のリアパーキングブレーキはGM「Cadillac」ブランドに採用された。今後8年間に渡って、GMのLansing Grand River工場に計90万個を納入する。ブレーキの生産は国内の昌原(Changwon)工場で行う。なお、今回の受注額は2社合わせて9,000万米ドルに達する見込み。(2009年10月29日付プレスリリースより)
-Chrysler
Chryslerにフロントおよびリアシャシーモジュールを供給する。受注金額は約20億米ドルに達する見込み。これらの部品は2011年モデルの「Jeep Grand Cherokee」と「Dodge Durango」に搭載される。これに伴い、同社は米国ミシガン州デトロイトのChrysler工場(JNAP : Jefferson North Assembly Plant)近隣に新工場を建設し、2010年2月より試験生産を開始する予定。(2009年9月3日付プレスリリースより)
Chryslerからフォグランプを受注した。これに伴い、慶州(Gyeongju)市に本拠を置く子会社のIHLで生産を開始。計100万セットを供給し、受注金額は7,000万米ドルに達する見込み。現代モービスは、Chrysler向けに配光可変型ヘッドランプやLEDヘッドランプの納入も実現させたい考え。(2009年7月10日付プレスリリースより)
-Daimler
Daimlerにカーオーディオを供給する。受注金額は約35百万米ドル。また、95百万米ドル相当のインテリジェントバッテリーセンサーも併せて納入する。既に製品の生産と輸出を開始しているという。(2009年7月31日付プレスリリースより)
-Vollkswagen
Volkswagenにランプを供給する。受注金額は約20百万ドル。既に製品の生産と輸出を開始しているという。(2009年7月31日付プレスリリースより)
生産関連
-エアバッグ2002年にエアバッグの生産を開始して以来、累計生産数が2,000万個を突破した。同社は忠清南道の天安(Cheonan)工場で、運転席エアバッグ、助手席エアバッグ、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグの4種類を製造。これらは現代・起亜自動車の15車種に採用されている。また、ニーエアバッグの開発を完了しており、2011年に量産開始の予定。更に同社は、歩行者保護エアバッグの開発も進めている。(2009年11月9日付プレスリリースより)
-モジュール
2009年9月、チェコに新工場を開設した。コンプリートシャシーモジュール、コックピットモジュール、フロントエンドモジュールを合計で年間30万台生産し、現代自動車のチェコ工場などに納入する。2007年に完成したスロバキア工場に続いて、同社にとって欧州2つ目の生産拠点となる。(2009年9月25日付プレスリリースより)
-ランプ
韓国のヘッドランプ新工場が量産を開始。同社は約700億ウォンを投資し、慶尚北道の金泉(Gimcheon)に工場を建設していた。生産能力は年間100万個で、韓国子会社IHLと中国江蘇省の子会社を加えると、年間500万個のランプ生産体制を構築したことになる。金泉工場で生産されたヘッドランプは、起亜「Sorento」の後継モデル「Sorento R」への搭載が決定している。また、2009年末に量産開始の起亜「VG」(開発コード)のほか、2010年下半期に量産予定の起亜「Lotze」後継モデル、現代「Verna」後継モデルにも納入する予定。同社は2012年までに、自動車用ランプ事業の年間売上高1,500億ウォンを達成したい考え。(2009年5月27日付プレスリリースより)
事業計画
2010年12月期、国内売上11兆7,000億ウォンを含む、総額21兆ウォンの売上を計画している。年間9,400億ウォンの投資を行い、研究開発には3,200億ウォンを充当する予定。(2010年2月1日付プレスリリースより)2015年度にOEM売上高22兆ウォンを達成するという計画を発表した。このうち50%は中核部品による売上を目指す。なお、2009年度のOEM売上高は12兆ウォン水準で、中核部品の占める割合は30%程度となる見通し。(2009年7月2日付プレスリリースより)
開発動向
研究開発拠点
名称 | 所在地 |
竜仁(Yong-in)技術研究所 | 韓国 京畿道 龍仁(Yong-in)市 |
上海R&Dセンター | 中国 上海 |
デトロイトR&Dセンター | 米国 デトロイト |
フランクフルトR&Dセンター | ドイツ フランクフルト |
Hyundai Autonet India Engineering Pvt. Ltd. | インド ハイデラバード |
研究開発費 (単独) |
(単位:億ウォン) |
- | 2009年12月期 | 2008年12月期 | 2007年12月期 |
金額 | 2,043 | 1,212 | 929 |
対売上高比率 | 1.92% | 1.29% | 1.10% |
技術提携
ドイツのContinental Automotiveと戦略的パートナーシップを締結した。自動車の電気・電子分野において、新技術・新製品の共同開発を行うほか、販売活動でも協力体制を構築する。今回の提携を契機に、現代モービスはハイブリッド車や燃料電池車向けの部品開発を加速させる計画。(2009年6月5日付プレスリリースより)
現代モービスと三星LEDは、LEDヘッドランプおよびモジュールの共同開発契約を締結した。2009年中に開発を完了し、翌年より現代・起亜自動車向けに供給する計画。なお、現代自動車グループと三星グループの企業が製品の共同開発を行うのは、今回が初めてとなる。(2009年4月30日付プレスリリースより)
研究開発計画
韓国の知識経済部(Ministry of Knowledge Economy)は、複数の成長分野に今後1-2年で総額1,550億ウォンを投資すると発表。このうちLED分野では、現代モービスが三星LEDらと共同でLEDヘッドランプを開発する。グリーンカー分野においては、大星電機工業、現代モービス、韓国端子工業、大円鋼業らが中核部品の実用化を目指す。また、再生エネルギー応用システムの開発には、漢拏空調、インジコントロールズ、世鐘工業、現代自動車の南陽研究所などが参加。更に半導体分野では、現代自動車、現代オートネット、三星電子らが次世代自動車向けの半導体開発に取り組む。それぞれ、2010年の上半期中に開発を完了させる計画。(2009年7月8日付プレスリリースより)2010年12月期、同社は年間9,400億ウォンの投資を行い、研究開発には3,200億ウォンを充当する予定。(2010年2月1日付プレスリリースより)
2015年までに総額1兆2,000億ウォンを投資し、未来型自動車向けの技術開発を行う。ハイブリッド車部品の独自技術を早期に確保するとともに、プラグインハイブリッド車、燃料電池システム等に関する中核技術の開発を目指す。それに伴い、現在1,000名程度の研究開発人員を2,000名以上に増員する計画。(2009年7月2日付プレスリリースより)
設備投資
設備投資額
(金額:百万ウォン)- | 投資予定 総額 |
投資済み 金額 |
投資予定 金額 (2010年 12月期以降) |
モジュール部門 | |||
-金泉(Gimcheon)ランプ工場 | 7,655 | 5,194 | 2,461 |
-昌原(Changwon)CBS工場 *CBS : 油圧ブレーキシステム |
27,662 | 19,174 | 8,488 |
-電装事業関連 | 18,111 | 9,795 | 8,316 |
-その他 | 69,440 | 69,095 | 345 |
合計 | 122,868 | 103,258 | 19,610 |