(株) 豊田自動織機 2011年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 増減率(%) 要因
全社
売上高 1,479,839 1,377,769 7.4
-
営業利益 68,798 22,002 212.7 -
経常利益 73,911 31,756 132.7 -
当期純利益 47,205 (26,273) - -
自動車
売上高 825,319 791,166 4.3 1)
営業利益 32,876 23,663 38.9 -

要因
1)
自動車部門
自動車買い替え支援策の終了により国内市場が落ち込んだものの、北米市場が回復し、アジア市場が拡大した。
車両
-ヴィッツが増加したが、RAV4・マークXジオの減少により、売上高は前年を232億円(6%)下回る3,755億円。

エンジン
-主にKD型ディーゼルエンジン、AR型ガソリンエンジンが増加したことにより、売上高は前年を323億円(20%)上回る1,973億円。

カーエアコン用コンプレッサー
-国内で減少したものの、海外で増加したことにより、売上高は前年を148億円(8%)上回る1,918億円。

受注

-トヨタ自動車が2010年末から生産を開始する予定の2シータースポーツカー「レクサスLFA」向けに樹脂製クオーターウインドーとパーティションの生産を開始。(2010年9月30日付日刊自動車新聞より)

2012年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2012年3月期
(見通し)
2011年3月期
売上高 1,570,000 1,479,839
-自動車 804,100 804,100
営業利益 70,000 68,700 
経常利益 80,000 73,900 
当期純利益 46,000 47,200 

 

自動車部門の製品別売上高

(単位:百万円)
  2012年3月期
(見通し)
2011年3月期
車両 343,000 375,500 
エンジン 188,000 197,300 
コンプレッサー 213,000 191,800 
鋳造品・電子機器他 46,000 39,300 

(各セグメント売上高は外部顧客に対する金額)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 27,788
26,826 33,646
自動車部門 17,613
15,257 17,033

-2010年度は、自動車の車体軽量化を目的とした樹脂ウインドウ、高効率な可変容量型コンプレッサーやプラグインハイブリッド車・ハイブリッド車向けの電動コンプレッサー、補機系電源機器およびプラグインハイブリッド車・電気自動車用の充電スタンドなどの開発に取り組んだ。

製品開発

- プラグインハイブリッド車や電気自動車用の充電スタンドに通信機能を付加するなどモデルチェンジを行い、20010年10月をめどに発売すると発表した。携帯電話の通信網を通じて、利用状況や電力使用量などの情報を収集・管理して、設置者に提供する。量産モデルで通信機能を加えたのは国内で初めてだという。豊田自動織機は昨年、日東工業と充電スタンドを共同開発、2010年7月に発売した。これまでに、コンビニエンスストアやガソリンスタンド、自治体などに約100台を販売している。新モデルも日東工業と共同開発で、日東が生産、豊田自動織機が営業・販売する。 (2010年7月13日付日刊自動車新聞より)

- 樹脂製としては世界最大級の天井ウインドー「パノラミックルーフ」を開発した。1枚で1.6平方メートルの面積があり、重量はガラス製と比べて44%軽い約11キログラム。現在、同社は森岡事業所(愛知県東浦町)で樹脂製ウインドーの量産準備中。年内にはトヨタの高級スポーツカー「LF-A」用の樹脂製クオーター・ウインドーの供給を開始するなど、樹脂製ウインドー事業を順次拡大する。このため、森岡事業所内に3千トン級の成型機を導入しており、パノラミックルーフも同設備を使って生産する。(2010年5月14日付日刊自動車新聞より)

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 60,019
47,562 134,534
自動車部門 20,993
12,000 52,842

設備投資の主な内訳(自動車部門)

(単位:百万円)
会社名 2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
同社 13,851
7,333 32,920
東久(株) N.A.
N.A. 5,475
東海精機(株) 1,667
N.A. 4,802
豊田工業汽車配件(昆山)(有)
[Toyota Industry Automotive Parts (Kunshan) Co., Ltd.]
N.A.
2,237 2,829
(株)岩間織機製作所 N.A.
N.A. 1,620
TD Deutsche Klimakompressor GmbH N.A.
N.A. 1,520
Michigan Automotive Compressor, Inc. 1,036 N.A. N.A.

設備の新設(自動車部門)

(2011年3月31日現在)

事業所名 / 会社名
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了予定
連結財務諸表提出会社
長草工場
(愛知県大府市)
乗用車製造設備 12,079 2009年11月 2012年3月
刈谷工場
(愛知県刈谷市)
カーエアコン用コンプレッサー製造設備、繊維機械製造設備 4,561 2011年3月 2012年3月
大府工場
(愛知県大府市)
カーエアコン用コンプレッサー部品製造設備 3,075 2011年4月 2012年3月
碧南工場
(愛知県碧南市)
ガソリンおよびディーゼルエンジン製造設備 3,000 2011年4月 2012年3月
東知多工場
(愛知県半田市)
エンジン用鋳造品製造設備、ディーゼルエンジン製造設備 2,200 2011年4月 2012年3月
共和工場
(愛知県大府市)
電子部品製造設備、ディーゼルエンジン部品製造設備、自動車用プレス型設備 1,210 2011年4月 2012年3月
安城工場
(愛知県安城市)
車載用電子機器製造設備 690 2011年4月 2012年3月
東浦工場
(愛知県知多郡)
カーエアコン用コンプレッサー部品製造設備 375 2011年4月 2012年3月
国内子会社
東海精機(株)
(静岡県磐田市)
自動車部品製造設備 1,965 2011年4月 2012年3月
在外子会社
Michigan Automotive Compressor, Inc.
(米国ミシガン州)
カーエアコン用コンプレッサー製造設備 4,743 2011年4月 2012年3月
TD Automotive Compressor Indonesia
(インドネシア ブカシ県)
カーエアコン用コンプレッサー製造設備 1,995 2011年4月 2012年3月
Kirioskar Toyoda Textile Machinery Pvt. Ltd.
(インド バンガロール)
自動車部品製造設備、繊維機械製造設備 1,764 2011年4月 2012年3月
豊田工業汽車配件(昆山)(有)
[Toyota Industry Automotive Parts (Kunshan) Co., Ltd.]
(中国 江蘇省)
エンジン用鋳造品等製造設備 1,066 2011年4月 2012年3月

 

海外投資

-同社、デンソー、豊田通商は、インドネシアにカーエアコン用コンプレッサー生産会社を設立すると発表した。東南アジア諸国連合(ASEAN)地域の需要増に対応するためで、2011年6月から生産を開始し、初年度は100万台の生産を見込むが、15年度までには160万台に引き上げる計画。トヨタ自動車の「エティオス」向けのコンプレッサーも生産する。新会社は「ティーディー・オートモティブ・コンプレッサー・インドネシア(TACI)」で、現在インドネシアでコンプレッサーを生産しているデンソーインドネシアの生産設備と人員を引き継ぐ形で設立する。資本金は1,873億ルピア(約17億3千万円)で、豊田自動織機が50.1%を、残りをデンソー・インターナショナル・アジアや豊田通商インドネシアなどが出資する。立ち上がりの従業員数は500人だが、今後新規採用を計画。また15年度末までに20億円を投資し生産能力の増強を図る。(2010年12月9日付日刊自動車新聞より)