(株) 豊田自動織機 2010年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2010年3月期 2009年3月期 増減率(%) 要因
全社
売上高 1,377,769 1,584,252 (13.0) -
営業利益 22,002 (6,621) - -
経常利益 31,756 14,343 121.4 -
当期純利益 (26,273) (32,767) - -
自動車
売上高 791,166 774,389 2.1 1)
営業利益 23,663 (11,504) - -

要因
1)
自動車部門
車両
-ヴィッツ・マークXジオは減少したが、RAV4の増加により、売上高は前年を206億円(5%)上回る3,987億円。

エンジン
-主にAR型ガソリンエンジンが増加したことにより、売上高は前年を84億円(5%)上回る1,650億円。

カーエアコン用コンプレッサー
-自動車メーカーでの減産の影響などにより、売上高は前年を93億円(5%)下回る1,770億円。

受注

-ハイブリッド車に搭載されるパワーコントロールユニット(PCU)用の冷却装置を新開発し、トヨタ自動車の新型「Prius」に供給。

-世界初の三次元炭素繊維強化樹脂(3D-CFRP)を活用した自動車ボディー軽量化技術を開発し、トヨタ自動車のレクサス「LFA」に供給。
>>>詳細は、開発動向へ

-2011年に市場投入される日系自動車メーカーの量産車に、樹脂製パノラマルーフを供給する。これまで日系自動車メーカーの生産する車両には小型の窓やスライド式のサンルーフなど比較的小さな樹脂ウインドーが採用されたことがあったが、ルーフの大部分を覆うものは初めて。ガラスを用いた場合に比べルーフモジュールの重量を半減できるメリットがある。同社の試算によると、1キロメートルあたりの二酸化炭素排出量を0.1グラム程度削減できる効果があるという。(2009年11月2日付日刊自動車新聞より)

国内事業

-カーエアコン用コンプレッサーの累計生産台数が3億台を突破したと発表。同社は1960年1月、愛知県の刈谷工場でコンプレッサー初号機を生産した。(2009年8月17日プレスリリースより)

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

2011年3月期の見通し

(単位:億円)
  2011年3月期
(見通し)
2010年3月期 増減
売上高 14,000 13,777 223
-自動車 7,450 7,783 (333)
営業利益 450 220 230
経常利益 500 317 183
当期純利益 270 (262) -

 

自動車部門の製品別売上高

(単位:億円)
  2011年3月期
(見通し)
2010年3月期 増減
車両 3,350 3,987 (637)
エンジン 1,700 1,650 50
コンプレッサー 1,870 1,770 100

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2010年3月期 2009年3月期 2008年3月期
全社 26,826 33,646 36,750
自動車部門 15,257 17,033 17,370

-ハイブリッド車向けパワーコントロールユニット用冷却器および電動コンプレッサー、プラグインハイブリッド車向け車載充電器などの開発に取り組んだ。

製品開発

パワーコントロールユニット用冷却装置
-ハイブリッド車に搭載されるパワーコントロールユニット(PCU)用の冷却装置を新開発し、トヨタ自動車の新型「Prius」に搭載されたと発表。パワー半導体と冷却装置を直接接合する技術を世界で初めて開発し、冷却性能を大幅に向上。PCU本体の小型化を可能にした。新開発した冷却装置は、冷却装置に直接、パワー半導体をはんだ付けできるよう装置の構造を工夫。昭和電工と共同開発した独自のろう付け技術を活用することで、材料によって異なる熱膨張率の違いを吸収できる構造とし、直接接合を可能にした。PCUケースに溝を彫り冷却水を流していた従来の冷却方式に比べると、冷却性能は33%向上し、冷却機構のサイズは3分の1に小型化した。これにより、PCU本体の小型化(従来比37%減)につながった。(2009年5月22日付日刊自動車新聞より)

三次元炭素繊維強化樹脂
-世界初の三次元炭素繊維強化樹脂(3D-CFRP)を活用した自動車ボディー軽量化技術を開発し、トヨタ自動車のレクサス「LFA」に採用されたと発表。独自の織物技術を使い、従来の縦糸と横糸の二次元の織物に厚さ方向にも炭素繊維を挿入し、厚さ方向の強度を増した。LFAでは衝突の衝撃を吸収するクラッシュボックスに採用された。CFRPの量産化技術もトヨタ自動車と共同開発しクラッシュボックスのほか、ルーフサイドレール、フロアに採用された。開発した三次元炭素繊維強化樹脂は、従来の二次元の炭素繊維強化樹脂に比べエネルギー吸収能力が1・ 5倍に高まる。重量も鉄製に比べ80%低減した。(2009年10月23日付日刊自動車新聞より)

プラグインハイブリッド車用車載充電器
-プラグインハイブリッド車(PHV)用の車載充電器(EVチャージャー)を開発。家庭用交流電流を直流電流に変換してPHVの高圧バッテリーを充電するための電力変換器。小型の空冷式で、トヨタ自動車が2009年12月14日に発表した「Prius Pug-in Hybrid」では、運転席のシート下に搭載した。EVチャージャーのサイズは470ミリ×205ミリ×95ミリで、重量は6・6キログラム。交流100ボルトが入力された場合は約1キロワット、同200ボルト入力の場合は2キロワットを出力し、100ボルトで3・5時間、200ボルトで1・ 75時間でフル充電が可能になる。同社は今後、PHV専用車用などに水冷式チャージャーなどの開発も進めていく。(2009年12月18日付日刊自動車新聞より)

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2010年3月期 2009年3月期 2008年3月期
全社 47,562 134,534 130,776
自動車部門 12,000 52,842 43,541

設備投資の主な内訳(自動車部門)

(単位:百万円)
会社名 2010年3月期 2009年3月期
同社 7,333 32,920
東久(株) N.A. 5,475
東海精機(株) N.A. 4,802
豊田工業汽車配件(昆山)(有)
[Toyota Industry Automotive Parts (Kunshan) Co., Ltd.]
2,237 2,829
(株)岩間織機製作所 N.A. 1,620
TD Deutsche Klimakompressor GmbH N.A. 1,520

設備の新設(自動車部門)

(2010年3月31日現在)

事業所名 / 会社名
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了予定
連結財務諸表提出会社
長草工場
(愛知県大府市)
乗用車製造設備 9,859 2009年5月 2011年3月
碧南工場
(愛知県碧南市)
ガソリンおよびディーゼルエンジン製造設備 2,500 2010年4月 2011年3月
安城工場
(愛知県安城市)
車載用電子機器製造設備 2,232 2010年4月 2011年3月
刈谷工場
(愛知県刈谷市)
カーエアコン用コンプレッサー製造設備、繊維機械製造設備 1,953 2010年4月 2011年3月
大府工場
(愛知県大府市)
カーエアコン用コンプレッサー部品製造設備 1,200 2010年4月 2011年3月
東知多工場
(愛知県半田市)
エンジン用鋳造品製造設備、ディーゼルエンジン製造設備 1,000 2010年4月 2011年3月
東浦工場
(愛知県知多郡)
カーエアコン用コンプレッサー部品製造設備 350 2010年4月 2011年3月
共和工場
(愛知県大府市)
電子部品製造設備、ディーゼルエンジン部品製造設備、自動車用プレス型設備 268 2010年4月 2011年3月
国内子会社
東海精機(株)
(静岡県磐田市)
自動車部品製造設備 1,528 2010年4月 2011年3月
在外子会社
豊田工業汽車配件(昆山)(有)
[Toyota Industry Automotive Parts (Kunshan) Co., Ltd.]
(中国 江蘇省)
エンジン用鋳造品等製造設備 1,731 2010年
1月
2010年
12月