ニッパツ(日本発条)(株) 2011年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2011年
3月期
2010年
3月期
増減率(%) 要因
全社
売上高 456,198 404,143 12.9
-
営業利益 32,757 18,785 74.4
-
経常利益 33,407 17,631 89.5
-
当期純利益 19,420 10,290 88.7
-
懸架ばね事業
売上高 92,695 78,699
17.8
国内・海外で自動車生産の回復およびトラック需要の拡大。
セグメント利益 8,035 803
900.6
シート事業
売上高 181,320 160,961
12.6
国内・海外で自動車生産が回復。
セグメント利益 12,502 8,429
48.3
精密部品事業
売上高 114,413 101,981
12.2
国内・海外で自動車生産とHDD(ハードディスクドライブ)の需要が好調に推移。
セグメント利益 12,273 10,005
22.7

会社設立

2010年11月、中国に自動車用シート2社を設立すると発表した。拡大する中国自動車市場に対応するのが目的。新会社は湖北省襄樊市と広東省広州市にそれぞれ設立する。同社の中国における関連会社は7、8社目となる。両社とも2012年から生産を開始する予定。新会社のうち襄樊市の湖北日発汽車零部件有限公司(仮称)は 11月に設立。土地面積は19万9340平方メートル。資本金は1億8千万元で、ニッパツ100%出資。従業員数は当初120人。自動車用シート構成部品を製造販売し、13年時点に売上高約205億円を目指す。投資額は約37億円。広州市の広州日発汽車零部件有限公司(仮称)は12月に設立。土地面積は8 万5383平方メートル。資本金は1億7400万元で、ニッパツ100%出資。従業員数は当初77人。自動車用シート構成部品を製造販売し、13年時点に売上高約83億円を目指す。投資額は約39億円。(2010年11月9日付日刊自動車新聞より)

事業再編

2011年2月、連結子会社である横浜機工が手がけるばね事業を会社分割し、新設するニッパツ機工に継承させると発表した。会社分割および新会社の設立日は4月1日を予定 する。新会社はニッパツが100%出資。従業員は167人を予定。この件に関する資本金の変動はないとしている。横浜機工は自動車用懸架ばねと照明器具の 製造販売が主な事業だが、事業を分割することで、さらなる事業成長を図る。(2011年2月9日付日刊自動車新聞より)

2010年9月1日付で、連結子会社の横浜機工(株)(神奈川県伊勢原市)を完全子会社化する意向を明らかにした。横浜機工は、スタビライザーや照明器具などの製造販売を行っている。(2010年5月11日付プレスリリースより)

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社  9,786 9,612 11,452
対売上高比率 (%)  2.1 2.4 2.6

研究開発体制

-2011年3月31日現在、研究開発スタッフは全体で812名。

研究開発活動

懸架ばね事業
-研究開発費: 1,477百万円
-主要課題:コイルばねはテーパ化・低廉化、スタビライザは高耐久化・3次元曲げ対応、板ばねは高強度化等。
-主な成果:耐久性の向上、品質確保、及び低価格化の向上。

シート事業
-研究開発費: 3,483百万円
-主要課題:軽量化については新構造フレーム、ハイテン材応用、及び機構品の小型化、改良等。低コスト化については、標準化、溶接工法を含めた生産性の向上。
-主な成果:標準シートフレーム及び乗用車向け完成シートの新規受注。
-疲労低減、乗心地改良等シートの基本性能向上についても研究開発を実施。

精密部品事業
-研究開発費: 3,057百万円
-精密ばねについては、自動車のエンジン、トランスミッション、安全装置等に使用される新たな機構品開発、燃費向上に寄与できる軽量化技術の開発、次世代自動車に対応する高精度プレス加工技術を応用したモーターパーツ、コネクタパーツ等の開発を行っている。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社  20,538 15,695 34,800

懸架ばね事業
-新製品の受注及び既存製品の生産性向上を主な目的に、グループで2,179百万円の設備投資を実施。
-主な設備の内容は、同社滋賀工場及びNHKスプリング(タイランド)社の懸架ばね生産設備。

中国合弁会社である広州日正弾簧有限公司 (NHK-UNI Spring (Guangzhou) Co., Ltd.)は、2億1000万元(約29億円)を投資し、広東省広州市にサスペンションスプリングの新工場を設立する。2012年に生産開始し、生産能力 は月産25万本を予定している。(2010年11月8日付プレスリリースより)

シート事業
-新製品の受注、既存製品の生産性及び品質向上を主な目的に、グループで5,253百万円の設備投資を実施。
-主な設備の内容は、同社豊田工場、同社群馬工場、NHKスプリング(タイランド)社及びNHKシーティングオブアメリカのシート生産設備。

タイ子会社の日本発条(泰国)有限公司(タイニッパツ)に自動車用シート工場を新設する。2011年10月に生産を開始する予定。敷地面積は14万 2034平方メートル、投資額は約11億円。建屋面積は1万700平方メートル。従業員数は12年時点に211人。売上高は12年時点に約62億円。三菱自動車(タイランド)などに納入する予定。(2010年11月9日付日刊自動車新聞より)

米国に自動車用シート工場を新設すると発表した。米国子会社のNHKシーティングオブアメリカ(NSA、インディアナ州フランクフォート)が需要拡大を受 けて、第二工場(テネシー州マーフリーズボロ)を建設する。2011年中に稼働する予定。投資額は約27億円。売上高目標と生産能力は非公開だが、NSA全体では2年後をめどに売上高を1.5倍に引き上げる計画。当初はシートフレームを生産し、順次生産品目と能力増強を行っていく。 (2010年7月27日付日刊自動車新聞より)

精密部品事業
-新製品の受注、既存製品の生産性及び品質向上、生産能力の増強などを主な目的に、グループで10,176百万円の設備投資を実施。

設備の新設計画

(2011年3月31日現在)

会社名
事業所名
(所在地)
セグメント
設備内容
投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
完成後の
増加能力
同社 群馬工場
(群馬県太田市)
シート事業
工場等の新設
635
2010年
10月
2011年
3月
-
NHK of America Suspension Components Inc.
(米国ケンタッキー州)
精密部品事業
工場等の新設
3,137
2011年
2月
2016年
-
NHK Seating of America Inc.
(米国テネシー州)
シート事業
工場等の新設
922 2011年
4月
2012年
3月
-
NHK Spring (Thailand) Co., Ltd.
ヘマラート・イースタンシーボード工場
(タイ ラヨーン県)
シート事業
工場等の新設
1,105 2010年
10月
2011年
7月
-
NHK Spring (Thailand) Co., Ltd.
ウェルグロー工場
(タイ チャチェンサオ県)
精密部品事業
精密部品生産設備
1,565 2010年
10月
2011年
12月
-
湖北日発汽車零部件有限公司
(中国 湖北省)
シート事業
工場等の新設
3,662
2010年
11月
2014年
2月
-
広州日発汽車零部件有限公司
(中国 広東省)
シート事業
工場等の新設
3,880
2010年
12月
2015年
11月
-