日本ピストンリング (株) 2010年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2010年 3月期 |
2009年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 39,035 | 44,789 | (12.8) | - |
営業利益 | (610) | (636) | - | - |
経常利益 | (1,163) | (1,605) | - | - |
当期純利益 | (2,787) | (4,915) | - | - |
自動車関連製品事業 | ||||
売上高 | 35,200 | 39,267 | (10.4) | -在庫調整の一巡、エコカー減税等の効果により、下半期、緩やかに受注が回復してきたが、上半期の減産の影響から、減少。 |
営業利益 | (678) | (798) | - | - |
事業再編
-中国で自動車部品販売を手掛ける子会社の日塞環貿易(上海)を解散することを決めたと発表した。経営の効率化を図るとともに顧客サービスの強化を図るため解散することにした。2009年11月末に会社の清算を完了する予定。同社の業務は、日環汽車零部件製造(儀征)に統合する。日塞環貿易(上海)は、中国における自動車部品の販売を目的に日本ピストンリングの全額出資で2006年2月に設立した。資本金は90万ドル(約8640万円)で8人の従業員で事業を行っていた。(2009年5月30日付日刊自動車新聞より)>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2010年3月期 | 2009年3月期 | 2008年3月期 | |
全社 | 1,290 | 1,508 | 1,655 |
自動車関連製品事業 | 1,238 | 1,448 | 1,588 |
研究開発活動
1.アルミボア用ピストンリング-これまで欧州の自動車メーカーを中心に採用されてきたアルミシリンダー技術は、軽量化による燃費低減やリサイクルの容易性等を背景に国内エンジンメーカーでも北米及び国内の量産モデルで採用されるに至っている。同社ではこれらの顧客との開発、量産実績から得られたアルミボア固有の技術的諸課題に対応するため、新技術の適用されたピストンリングの量産化開発を進めている。
2.高性能ピストンリング
-エンジンの低燃費化への対応として、低張力でシール機能を満足するピストンリングの技術を確立。さらに、燃費向上および出力向上を狙い熱伝導率を向上させたピストンリングの量産化開発を完了。
3.耐久性にすぐれたディーゼルエンジン用ピストンリング
-ディーゼルエンジンの排ガス規制対応に対する顧客要求に対し、耐スカッフ性、耐摩耗性に優れたPVD表面処理ピストンリングの量産拡大を図った。更に、Euro-VI、US10等の排ガス規制及び重量車燃費規制に対しては、新PVD皮膜技術を適用し、クリーンな排ガスと低燃費が両立できるピストンリング技術の量産化開発を完了し生産準備を進めている。
4. バルブシート
-ガソリンエンジンでは低燃費化(λ=1領域拡大)対応材、ディーゼルエンジンでは排気ガス規制対応材、また昨今増えつつあるバイオアルコール燃料(E85等)に対応した各種バルブシートの開発にいち早く着手し、国内外の自動車メーカーへ量産中。
5.組立式焼結カムシャフト
-ガソリンエンジンではVVT(可変動弁機構)搭載の高機能エンジン、ディーゼルエンジンでは乗用及び商用トラック用に開発し量産採用が増加。
6.MIM製品
-同社のコア技術である材料技術と焼結技術を活かしたMIM工法により低コスト化と優れた軟磁性特性を両立させた製品を開発し、燃料噴射制御装置(インジェクタ)部品の量産拡大を図っている。
7.新規焼結製品
-アルミ製エンジンブロックの高機能化ニーズに対応し、従来の鋳鉄製強化材の課題を解決。高密着性を実現した鉄基焼結合金材を開発し、アルミ材との複合化に成功。現在、軽量化、低コスト化に取り組んでいる。
8.シリンダーライナー
-新長期排ガス規制対応ディーゼルエンジン用ライナの量産化開発を推進し量産仕様を確立。また、今後の排ガス規制や燃費規制に対応するため、同社固有のトライボロジー技術に基づく低摩擦ライナについて開発・評価中。
技術供与契約
(2010年3月31日現在)
相手会社名 | 国名 | 契約年月 | 内容 | 契約期間 |
株式会社瑞進カム [Seoin Cam Co., Ltd.] |
韓国 | 2000.07.01 | 焼結カムシャフトの 製造法 |
量産開始後7年 (以降年次更新可) |
Henan Zhongyuan Engine Fitting Co.,Ltd. | 中国 | 2005.09.02 | シリンダーライナの 製造法 |
製品供給終了迄 |
儀征双環活取塞環有限今司 [Yizheng Shuang Huan Piston Ring Co., Ltd.] |
中国 | 2005.12.27 | ピストンリングの 製造法 |
7年 |
IP Rings | インド | 2010.04.01 | オイルリングの 製造法 |
5年 |
2010.03.01 | 窒化リングの 製造法 |
5年 | ||
2008.02.21 | スチールリングの 製造法 |
5年 |
||
2003.12.01 | 組合せオイルリング の製造法 |
8年 | ||
2008.04.01 | クロームメッキリング の製造法 |
5年 | ||
2008.12.22 | スチールリングの 製造法 |
6年 |
設備投資
設備投資費 |
(単位:百万円) |
2010年3月期 | 2009年3月期 | 2008年3月期 | |
全社 | 1,519 | 4,262 | 7,098 |
自動車関連製品事業 | 1,404 | 4,032 | 6,634 |
-自動車関連製品事業は、維持更新を主たる目的として設備投資を実施。
設備の新設
(2010年3月31日現在)
会社名 | 所在地 | 設備内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着工 年月 |
完了 年月 |
完成後の 能力 |
NPR Manufacturing Kentucky, LLC | 米国 ケンタッキー州 |
工場新設 | 5,500 | 2006.05 | 2011.06 | 1,800万本/年 |