日本ピストンリング株式会社 2009年3月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万円)
2009年
3月期
2008年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 44,789 51,924 (13.7) -年度後半からの自動車の急激な減産が影響。
営業利益 (636) 2,575 - -原材料価格の高騰、急激な減産等が影響。
経常利益 (1,605) 1,232 -
当期純利益 (4,915) 532 -
自動車関連製品事業
売上高 39,267 45,469 (13.6) -
営業利益 (798) 2,176 - -

開発動向

研究開発費 (単位:百万円)
2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期
全体 1,508 1,655 1,705
自動車関連製品事業 1,448 1,588 1,637


研究開発活動
1. アルミボア用ピストンリング
-開発、量産実績から得られたアルミボア固有の技術的諸課題に対応するため、新技術の適用されたピストンリングの量産化開発を進めている。

2. 低フリクションピストンリング
-フォーミュラカーレース用リングの製造で培った高精度薄幅リングの設計や加工技術を適用することで、大径ボアエンジンで高精度リングの量産化開発を完了。

3. 耐久性にすぐれたディーゼルエンジン用ピストンリング
-Euro-VI、US10等の排ガス規制及び重量車燃費規制に対しては、新PVD皮膜技術等を適用し、排ガスと燃費の低減が両立できるピストンリング技術の開発を完了し生産準備を進めている。

4. バルブシート
-ガソリンエンジンでは低燃費希薄燃焼化対応材、ディーゼルエンジンでは排気ガス規制対応材、また昨今増えつつあるバイオアルコール燃料(E85等)に対応した各種バルブシートの開発に着手し、国内外の自動車メーカーへ量産中。

5. 組立式焼結カムシャフト
-ガソリンエンジンではVVT(可変動弁機構)搭載の高機能エンジン、ディーゼルエンジンでは乗用、商用トラック用に開発し量産採用が増えている。また、次世代型組み立て焼結カムシャフトの開発に成功し2006年より量産を開始している。

6. MIM製品
-MIM工法による軟磁性材料を開発し、燃料噴射制御装置(インジェクタ)部品の量産数量が増加。

7. 新規焼結製品
-エンジンブロックの高機能化ニーズに対応し、従来、鋳鉄ではアルミダイガストと密着性が困難だった強化材用の鉄基焼結合金材を開発し、アルミ材との複合化に成功。現在、ガソリン車へ量産中であり、2007年度から乗用ディーゼルエンジンにも採用。

8. シリンダーライナー
-新長期排ガス規制対応ディーゼルエンジン用ライナの量産化開発を推進し量産仕様を確立。また、今後の排ガス規制や燃費規制に対応するための新材料・複合化技術を適用した製品の開発、更に固有技術に基づく低摩擦ライナについても開発・評価中。


技術供与契約(2009年3月現在)
相手会社名 国名 契約年月 内容 契約期間
株式会社瑞進カム
[Seoin Cam Co., Ltd.]
韓国 2000.07.01 焼結カムシャフトの製造法 量産開始後7年
(以降年次更新可)
Henan Zhongyuan Engine Fitting Co.,Ltd. 中国 2005.09.02 シリンダーライナの製造法 製品供給終了迄
儀征双環活取塞環有限今司
[Yizheng Shuang Huan Piston Ring Co., Ltd.]
中国 2005.12.27 ピストンリングの製造法 7年
IP Rings インド 2005.04.01 オイルリングの製造法

5年

2005.03.01 窒化リングの製造法 5年
2008.02.21 スチールリングの製造法

5年

2003.12.01 組合せオイルリングの製造法 8年
2008.04.01 クロームメッキリングの製造法 5年
2008.12.22 スチールリングの製造法 6年
GKS Sinter Metals インド 2007.03.31 焼結合金バルブシートの製造法 3年

設備投資

設備投資費 (単位:百万円)
2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期
全体 4,262 7,098 8,795
自動車関連製品事業 4,032 6,634 8,545

-自動車関連製品事業は、維持更新及びインドネシアでの新製品生産対応を主たる目的として設備投資を実施。


設備の新設(2009年3月現在)
会社名 所在地 設備内容 投資予定
総額
(百万円)
着工
年月
完了
年月
完成後の
能力
NPR Manufacturing Kentucky, LLC 米国
ケンタッキー州
工場新設 5,500 2006.05 2011.06 1,800万本/年