TPR (株) 2018年3月期の動向
業績
(単位:百万円)
2018年 3月期 |
2017年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 187,398 | 175,398 | 6.8 | -日本・アジアなどの自動車生産台数増加等による |
営業利益 | 20,775 | 20,514 | 1.3 |
-ファルテックの不適切な会計処理があったものの、売上による増産効果と継続的な原価低減活動を推進、燃費圧縮等を実行。 |
経常利益 | 24,023 | 23,313 | 3.0 | - |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 12,154 | 12,281 | (1.0) | - |
日本 | ||||
売上高 | 45,706 | 42,076 | 8.6 | -国内自動車生産台数の増加等により増収。 |
営業利益 | 5,284 | 5,663 | (6.7) | -原材料の高騰により減益。 |
アジア | ||||
売上高 | 35,907 | 32,581 | 10.2 | -中国やインドで自動車生産台数が増加したことにより増収。 |
営業利益 | 11,614 | 10,835 | 7.2 | - |
北米 | ||||
売上高 | 15,444 | 15,008 | 2.9 | -米国で受注が増加したことや為替の影響等により増収。 |
営業利益 | 1,804 | 2,082 | (13.4) | -原材料の高騰や製品構成の変化等により減益。 |
その他地域 (*1) | ||||
売上高 | 2,847 | 2,246 | 26.8 | -欧州の市場回復や南米の受注増加等により増収。 |
営業利益 | 898 | 517 | 73.7 | - |
ファルテックグループ | ||||
売上高 | 87,493 | 83,488 | 4.8 | -国内自動車生産台数の増加並びにミリ波レーダーカバーや電装品などの新商品の受注増加により増収。 |
営業利益 | 925 | 1,580 | (41.5) | - |
*1:欧州および南米の現地法人の事業活動
買収
-各種ゴム製品の製造、販売を手掛けるノブカワの全株式を取得し、子会社化すると発表。ノブカワは、1933年に設立され、各種マスターバッチ、防振パッドといった産業用ゴム部品、自動車用部品、建築材などを開発、製造、販売している。ノブカワの株式取得により、TPRは、ゴム材料分野へのビジネス拡大やゴム事業の規模拡大を図る。(2017年11月27日付プレスリリースより)
製品開発
EV向け蓄電デバイス
-電気二重層キャパシタを使った小型電気自動車 (EV) 向け蓄電デバイスを2020年までに実用化する。セルを改良してEVモーターの駆動に必要な性能を確保するとともに、複数のキャパシタセルを直列につなげてユニット化する。車の電動化が加速することで高性能な蓄電デバイスのニーズが高まる見通し。長寿命で急速な充放電が可能な電気二重層キャパシタをEV向けに事業化して、これを新たな主力製品として育成して業容拡大を図る。(2017年8月29日付日刊自動車新聞より)
2019年3月期の見通し
(単位:百万円)
2019年3月期 (予測) |
2018年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
売上高 | 193,700 | 187,398 | 3.4 |
営業利益 | 20,600 | 20,775 | (0.8) |
経常利益 | 23,700 | 24,023 | (1.3) |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 12,300 | 12,154 | 1.2 |
研究開発費
(単位:百万円)
2018年3月期 | 2017年3月期 | 2016年3月期 | |
全社 | 5,566 | 5,335 | 4,736 |
-TPRグループ (ファルテック除く) | 3,192 | 2,770 | 2,568 |
-ファルテックグループ | 2,374 | 2,564 | 2,167 |
主要研究開発拠点
-技術センター (長野工場内、長野県岡谷市)
研究開発活動
-低フリクション化、熱制御、軽量化への取り組みに加え、排気ガスクリーン化、代替燃料 (バイオ、CNG) 使用に対応した新製品の開発を推進している。
-製品の高精度化に対応したインラインでの計測自動化、革新的コストダウン、生産エネルギーの極小化へ対応した新工法の開発を進めている。
-海外拠点への新技術の移転構築、海外提携会社との協業による世界同一品質の実現、海外顧客への新製品および新技術PRを積極的に行っている。
-急速なEV化に対応し、非パワートレイン部品への取り組みを強化。アルミ、樹脂を中心とした軽量化複合製品とゴムを中心としたシール製品への新技術導入を積極的に実施している。
開発の主な成果
<パワートレイン部品>
- ピストンリング
-超低フリクション & 低LOCリングの開発 (低燃費対応)
-高機能オイルリングの製品化 (信頼性向上)
-ピストンリング革新的コストダウン製造ラインの構築 (低価格対応) - シリンダーライナー
-小型エンジン用小径薄肉、高熱伝導ライナーの製品化 (低燃費対応、信頼性向上)
-熱制御ライナーの製品化 (低フリクション対応)
-低フリクション内周面性状の確立 (信頼性向上) - バルブシート、バルブガイド
-高耐摩耗バルブシート材料の製品化 (代替燃料対応)
-バルブシート革新的コストダウン製造ラインの構築 (低価格対応)
-高熱伝導ガイドの製品化
<非パワートレイン部品>
- 樹脂、ゴム製品
-変速機用樹脂シールリングの製品化
-自動車用ゴムシール部品の高精度化 - アルミ製品
-新鋳造方案構築および設備導入実施による、4輪アフター向けアルミディスクの製品化
-遠心鋳造スパイニ形状FC材の応用による、アルミブレーキドラムの製品化 - 焼結機械部品
-ターボチャージャー用小径シールリング革新的コストダウンライン構築 (低価格対応)
設備投資額
(単位:百万円)
2018年3月期 | 2017年3月期 | 2016年3月期 | |
日本 | 4,103 | 3,986 | 3,891 |
アジア | 2,057 | 4,585 | 3,997 |
北米 | 559 | 378 | 623 |
その他 | 23 | 144 | 1,159 |
ファルテックグループ | 6,330 | 4,446 | 4,593 |
合計 | 13,074 | 13,541 | 14,266 |
国内投資
-コストダウンを図るとともに、競争力の高い製品を効率的に開発するため、国内の生産・開発拠点への投資を拡大する。ピストンリングなどの金属部品に表面処理を施工するラインなどに、コスト低減効果があり、加工精度の向上が図れる新しい設備を導入する。設備投資額は約45億円を見込む。長野工場(長野県岡谷市)にはパワートレーン関係部品の評価設備を導入、内燃機関のベンチテスト設備は岐阜工場(岐阜県可児市)に集約して設備を拡充する。国内への投資を増やしてものづくり体制の基盤強化を図る構え。(2017年9月13日付日刊自動車新聞より)
設備の新設計画 (自動車関連製品事業)
(2018年3月31日現在)
会社名 事業所名 |
所在地 | 設備の内容・ 目的 |
投資予定 金額 (百万円) |
着手予定 年月 |
完了予定 年月 |
完成後の 増加能力 |
同社 長野工場 |
長野県 岡谷市 |
研究開発、ピストンリング生産設備等 | 4,000 | 2018年 4月 |
2019年 3月 |
生産能力に影響を及ぼさない |
ファルテック |
|
研究開発、自動車部品生産設備等 | 2,500 | 2017年 11月 |
2018年 9月 |
40%能力増強 |
TPR工業 (株) | 山形県 寒河江市 |
研究開発、シリンダーライナー生産設備等 | 1,200 | 2018年 4月 |
2019年 3月 |
生産能力に影響を及ぼさない |
安慶帝伯格茨缸套有限公司 [Anqing TP Goetze Liner Co., Ltd.] |
中国 安徽省 |
シリンダーライナー生産設備 | 1,300 | 2018年 1月 |
2018年 12月 |
6%増加 |
安慶帝伯粉末冶金有限公司 |
中国 |
焼結部品生産設備等 | 1,000 | 2018年 1月 |
2018年 12月 |
2%増加 |