中央発條 (株) 2012年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2012年
3月期
2011年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 76,693 76,416 0.4 -東日本大震災やタイの大洪水の影響による工場の操業停止や生産調整、円高の影響など。
営業利益 1,202 2,087 (42.4)
経常利益 1,584 2,044 (22.5)
当期純利益 717 1,763 (59.3)

<日本>
-東日本大震災の影響による生産調整などがあったが、年度後半が増収となったことにより、売上高は665億9百万円(前年同期比3.4%増)。一方、営業利益は売上価格変動や円高の影響などにより、28億9千4百万円(前年同期比2.3%減)となった。

<北米>
-受注減による減収および為替の影響などの減益要因により、売上高は57億1千万円(前年同期比27.4%減)、営業損失は4億6千3百万円(前年同期は9千6百万円の損失)となった。

<中国>
-受注減による減収および労務費の増加などの減益要因により、売上高は32億1千6百万円(前年同期比2.9%減)、営業損失は5千2百万円(前年同期は2億2千9百万円の利益)となった。

<アジア>
-インドネシアや台湾の子会社においては増収となったが、タイの子会社は、大洪水の影響から大幅な減収減益となり、売上高は76億9千3百万円(前年同期比3.1%減)、営業利益は5億6千9百万円(前年同期比26.0%減)となった。

会社設立

-同社は東北に新工場を設置することを検討する。主要納入先のトヨタ自動車が東北地方での完成車生産を拡大する方向にあることを踏まえ、現地生産体制を整える考え。現状、国内生産拠点は中部、九州地区に展開しており、東北には設備開発を行うグループ会社「中発テクノ」(青森県八戸市)を設置するのみだ。今後は、東北域内のトヨタの完成車工場に対して効率的に部品供給が行える立地や事業体制を模索する。12年度から事業化調査を開始し、シャシばね、精密ばね、コントロールケーブルを全て現地生産する方向で計画を詰める。(2012年1月19日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
全社 307 305 325

研究開発活動

シャシばね事業
-ゼロ・エミッション化に対応する塗装の工法開発を行い、スタビライザにて量産を開始。また、コイルスプリングにこの工法を応用した生産設備が完成し量産を開始。
-軽量化や高性能化のための高強度材料や強化処理の開発。
-低コスト材料の開発。

精密ばね事業
-高強度材弁ばねおよび高強度ステンレスばねなどの高性能ばねの開発が完了。
-安価なローカル材料の活用とコンパクトラインでの1個単位流しに適応した製造条件を確立。

技術援助

(2012年3月31日現在)
供与先 国名 契約品目 契約年月 契約期間
Supreme Spring (A Division of Metindustrial (Proprietary) Ltd.) 南アフリカ 自動車および
鉄道車両用シャシばね
1984.03.31 5年
(自動延長)
Metal Textiles Corporation 米国 ニットメッシュ 1994.06.01 5年
(自動延長)
Knitmesh Limited 英国 ニットメッシュ 1991.04.01 5年
(自動延長)
Dura Automotives Systems, Inc. 米国 コントロールケーブル 1995.06.02 10年
(自動延長)
Mubea, Inc. 米国 自動車用シャシばね 2005.06.30 対象プロジェクトの終了まで
Rozmas Celik Sanayi Ve Ticaret A.S. トルコ 自動車用シャシばね 2010.02.20 対象プロジェクトの終了まで
Muhr Und Bender KG ドイツ 自動車用シャシばね 2008.06.10 対象プロジェクトの終了まで

設備投資

設備投資費

(単位:百万円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
全社 3,835 3,411 1,278

 

新設および改修計画

(2012年3月31日現在)
計画金額(百万円) 設備等の主な内容・目的
日本 2,700 シャシばね製造設備、精密ばね製造設備、ケーブル製造設備、型、治工具
北米 250 ケーブル製造設備、精密ばね製造設備
中国 700 シャシばね製造設備、精密ばね製造設備、ケーブル製造設備
アジア 450 シャシばね製造設備、精密ばね製造設備、ケーブル製造設備
合計 4,100 -


<インドネシア>
-同社は2011年9月27日、インドネシアにエンジニアリングの子会社を設立すると発表した。新会社の中発テクノインドネシアは、西ジャワ州ブガ市に2012年1月初旬に設立する。資本金は1000万円相当で、中央発條の100%出資。社長には長谷川恵司同社取締役が就任する。設備の開発や設計、製造と製品の開発と設計が目的で、従業員数は12年末に10人の予定。決算期は3月で、売上高は12年度に1300万円、13年度に1500万円、14年度に1600万円を見込む。(2011年9月28日付日刊自動車新聞より)

<中国>
-同社は2011年7月27日、中国子会社が持つ工場を刷新すると発表した。江蘇省でバルブスプリングなどを生産する「昆山中和弾簧有限公司」の工場を移転・新設し、2012年6月に稼働させる。投資額は約11億円。工場の建屋面積は1万2415平方メートルと現工場の約6倍になり、シートなどに使う汎用スプリングの生産量は年間40万個から260万個へと大幅に増える。(2011年7月28日付日刊自動車新聞より)