大同メタル工業(株) 2008年3月期の動向
ハイライト
業績
(単位: 百万円) |
2008年 3月期 |
2007年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 |
全社 | ||||
売上高 | 68,062 | 63,841 | 6.6 | 海外の販売拠点体制の拡充と拡販に努めた。 |
営業利益 | 868 | 2,076 | (58.2) | 非鉄・副資材の価格高騰、減価償却費の増加、再建途上にある大同メタルベルフォンテンLLC(米国)の影響。 |
経常利益 | 340 | 2,170 | (84.3) | - |
当期純利益 | (2,063) | (426) | - | - |
自動車用軸受メタル事業 | ||||
売上高 | 53,968 | 51,514 | 4.8 | 国内自動車販売台数は減少したが、アジア、欧州等への輸出が好調を持続。特に、欧州を中心に自動車用エンジン用および自動車部品用の鉛フリー軸受を核とした新規ビジネスが進展。 |
買収
ロシアでエンジン用メタル(すべり軸受)の生産を開始すると発表した。ロシアのメタルトップメーカー「ZMZ-Bearings」を買収し、エンジン用メタルの生産を始める。総投資額は2千万ドル(約24億円)。同社の海外生産拠点としては11番目で、日系メタルメーカーによるロシア進出は初めて。工場進出が見込まれる日系自動車メーカーや米ビッグスリー向けのレベルにまで製品の品質を高め、受注獲得を狙う。
ZMZ社が加わることで、同社は欧州での販売金額100億円を目指す。ZMZ社は、自動車生産を行うロシアのセベルスタリアフト(Severstal-Auto)社の子会社。ZMZではエンジン用軸受のほか、その材料となるバイメタルの生産も行っている。これにより、同社のバイメタル生産はアメリカと合わせ、海外では2極体制となる。(2007年8月4日付日刊自動車新聞より)
受注
-2008年3月期、大同メタルヨーロッパは新たにPSAグループ、BMW、Fiatに対して「鉛フリー軸受」を納入。既に自動車用エンジン軸受を納入しているDaimler、Volvo
Cars、Renault、Ford(UK)に加えて、これにより欧州自動車メーカーとの取引は計7社に増加。
生産体制の再編・拡充
自動車エンジン用半割軸受の生産拠点である、東京・埼玉の両工場を閉鎖し、子会社「大同プレーンベアリング(株)」(DPB)の関工場(岐阜県)に生産を集約する。両工場の生産ライン移設は2008年7月に完了予定。DPBは2008年10月よりフル操業体制をスタートさせる。(2007年11月14日付プレスリリースより)
子会社「大同プレーンベアリング(株)」(DPB)の関工場に、第2工場を建設する。欧州ビジネス拡大に伴い、自動車エンジン軸受(半割メタル)の生産能力を増強するもの。総投資額は約27億円で、2008年9月に着工、2009年2月に完成の予定。DPBの関第1工場のフル生産能力に対し、新工場は2010年3月期に約20%、2012年3月期に約30%の能力増強を見込んでいる。なお、同社・犬山工場の自動車エンジン軸受ラインは全て新工場に移設する。(2008年3月7日付プレスリリースより)
開発動向
-中央研究所、生産技術室、第1カンパニー開発室、第3カンパニー開発室の4部門による体制。
-2008年3月31日現在、研究員66名が在籍。
研究開発費
(単位:百万円) |
2008年3月期 |
2007年3月期 | 2006年3月期 |
金額 | 1,306 | 1,314 | 1,232 |
研究開発実績 (2008年3月期)
鉛フリーオーバーレイ付アルミ軸受を開発。高性能エンジンに使われるアルミ軸受にビスマス系オーバーレイを付与し、焼付性、なじみ性、耐異物性に優れる新材料を開発し、量産を開始した。
技術援助契約 (2008年3月現在)
供与先 (国名) |
契約品目 | 契約内容 | 契約期間 |
Bimetal Bearings Limited (インド) |
軸受メタルの生産 |
(1)技術的知識、情報及びノウハウの提供 (2)工業所有権の供与 |
2008年2月7日~ 2011年2月6日 |
設備投資
(単位:百万円) |
2008年3月期 |
2007年3月期 | 2006年3月期 |
自動車用軸受メタル事業 | 7,163 | 9,231 | 5,315 |
-加工専用設備 | 4,451 | 3,749 | 3,038 |
-バイメタル製造設備 | 509 | 901 | 464 |
設備投資状況 (2008年3月期)
対象 | 内容 |
自動車用軸受メタル事業 | |
-加工専用設備 | -国内生産体制の再構築における設備投資を、子会社の大同プレーンベアリング(株)を中心に実施。 |
-バイメタル製造設備 | -国内および海外生産拠点で使用するバイメタルの大半を同社から供給。使用量の伸びが大きく、その生産能力の早期拡大を目的として、同社を中心に設備投資を実施。 |
設備の新設計画 (自動車用軸受メタル部門)
事業所名 (所在地) |
設備の内容 | 投資 予定 総額 (百万円) |
着手 | 完了 予定 |
完成後の 増加能力 |
大同メタル工業(株) | |||||
第1カンパニー 犬山工場 (愛知県犬山市) |
半割メタル製造設備 新設 | 608 | 2008年 2月 |
2009年 10月 |
半割メタル生産能力 約5%増 |
半割メタルめっき設備 増強 | 604 | 2007年 9月 |
2008年 6月 |
変動なし | |
半割メタル製造設備 増強 | 374 | 2008年 1月 |
2009年 7月 |
半割メタル生産能力 約5%増 | |
バイメタル製造所 (愛知県犬山市) |
アルミ軸受材料ライン 増設 | 1,500 | 2008年 1月 |
2009年 12月 |
軸受材料生産能力 約5%増 |
軸受材料ライン 増設 | 380 | 2007年 1月 |
2008年 12月 |
軸受材料生産能力 約5%増 | |
大同プレーンベアリング(株) | |||||
関工場 (岐阜県関市) |
半割メタル製造設備 増強 | 1,158 | 2007年 6月 |
2010年 2月 |
半割メタル生産能力 約50%増 |
Daido Metal Bellefontaine L.L.C. | |||||
ベルフォンテン工場 (米国オハイオ州) |
半割メタルめっき設備 増強 | 297 | 2008年 3月 |
2008年 7月 |
変動なし |
半割メタル製造設備 新設 | 148 | 2008年 3月 |
2008年 7月 |
半割メタル生産能力 約8%増 |