(株) 小糸製作所 2012年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位：百万円) |
| 2012年 3月期 |
2011年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
| 全社 | ||||
| 売上高 | 430,929 | 428,977 | 0.5 | -上半期に自動車生産が震災等の影響により大幅に減少したが、下半期にかけ大幅に増加したことに伴い、主力の自動車照明関連事業が増収に転じたため、前年比横這いとなった。 |
| 営業利益 | 31,725 | 37,434 | (15.3) | - |
| 経常利益 | 31,496 | 34,319 | (8.2) | - |
| 当期純利益 | 13,391 | 10,012 | 33.7 | - |
事業概況
<日本>
-上半期において、震災および円高等により自動車生産が減少。下半期は自動車の挽回生産がなされたことにより、売上高は前年比横這いの2,547億円。
<北米>
-震災等の影響に伴う日本車の生産減少に加え、円高による為替換算の影響を受け、売上高は前年比10.4%減少の406億円。
<中国>
-日本車の生産が伸び悩む中、現地自動車メーカー向けの受注活動強化や拡販が奏功し、売上高は前年比4.7%増加の875億円。
<アジア>
-震災やタイの洪水の影響が懸念されたが、タイでの受注増加、およびインドネシアでの生産が順調に推移し、売上高は前年比5.4%増加の330億円。
<欧州>
-欧州経済が低迷するなか、現地自動車メーカー向けを主体に自動車照明器の拡販活動を展開。売上高は前年比19.8%増加の149億円。
海外事業
<米国>
-子会社のNorth American Lighting, Inc. (NAL)は、新規受注の拡大に対応するため、アラバマ工場にヘッドランプ専門の第2工場を建設し、2012年1月より生産を開始。また、樹脂成形金型の内製化によるコスト競争力向上や開発強化を狙い、インディアナ州に金型工場を建設した。これにより、NALはパリス・フローラ・セーラム工場(イリノイ州)とアラバマ工場でランプの生産を行い、金型工場(インディアナ州)、技術センター(ミシガン州)とともに、生産・開発体制の強化・充実を図っている。
<タイ>
-タイの自動車産業は、モータリゼーションの進展に伴う国内需要の増加と輸出拡大により急速に成長しており、子会社のThai Koito Co., Ltd. (TK)においても受注が拡大。受注拡大に対応するため、4番目の工場をタイ南東部のプラチンブリ県に建設し、2012年4月より生産を開始。TKでは、サムットプラカン県のバンプリー工場(第1-3工場)とプラチンブリ工場(第4工場)により、増産対応と収益向上に取り組んでいる。
開発動向
研究開発費 |
(単位：百万円) |
| 2012年3月期 | 2011年3月期 | 2010年3月期 | |
| 全社 | 17,600 | 17,177 | 17,300 |
-研究開発費の総額は17,600百万円であり、セグメント別の研究開発費は、日本11,100百万円、北米2,500百万円、中国3,300百万円、アジア300百万円、欧州200百万円。
研究開発体制
-日本では同社の技術本部および研究所を中心に、米国ではNorth American Lighting, Inc. 「技術センター」、中国では上海小糸車灯有限公司「技術センター」、欧州ではベルギーにおけるKoito Europe NV 「技術セクション」の世界4極で実施しており、多極化するグローバル自動車メーカーへの開発対応を進めている。研究開発スタッフは、グループ全体で2,114名。研究開発活動
<日本>-自動車照明器のコア技術(光学、電子、機構、構造等)の開発
-生産技術の開発
-シミュレーション技術の開発
-鉄道車両関連電装品の開発
-ITS関連機材としてのシステム開発
-インターネットを応用したシステム開発
-照明器以外の自動車部品
-航空機部品の開発
-新規事業分野の新商品開発等
<北米、中国、アジアおよび欧州>
-自動車照明器のコア技術(光学、電子等)の開発
-生産技術の開発
製品開発
次世代ヘッドランプシステム-配光を全自動で制御するヘッドランプを開発した。車載カメラを使って前方の車両を識別し、ハイビームとロービームを自動で切り替える。安全に運転できる視界を確保するための次世代のヘッドランプシステムとして技術提案中で、2012年末にも国内自動車メーカーに納入を開始する予定だ。製品化の第1号は、トヨタ自動車が12年末にも欧州市場に投入する高級車への搭載とみられる。現在はディスチャージランプでの技術開発だが、今後、LEDランプでの製品化も目指す。(2011年5月31日付日刊自動車新聞より)
技術供与契約 |
(2012年3月31日現在) |
| 相手方の名称 | 契約品目 | 契約内容 | 契約期間 |
| Electro Optica, S.A. de C.V (メキシコ) |
自動車用照明器 | 技術情報の提供 製造、販売権の許諾 |
1992年4月22日から20年間 |
| Industrias Arteb S.A (ブラジル) |
自動車用照明器 | 技術情報の提供 製造、販売権の許諾 |
2006年12月12日から10年間 |
| Farba Otomotiv Aydinlatma ve Plastik Fabrikalari A.S. (トルコ) |
自動車用照明器 | 技術情報の提供 製造、販売権の許諾 |
1997年10月24日から15年間 |
| Automotive Lighting UK Ltd. (英国) |
自動車用照明器 | 技術情報の提供 製造、販売権の許諾 |
1993年2月24日から21年間 |
| Hella Australia Pty Ltd. (豪州) |
自動車用照明器 | 技術情報の提供 製造、販売権の許諾 |
1994年5月1日から20年間 |
| Lumotech (Pty.) Ltd. (南アフリカ) |
自動車用照明器 | 技術情報の提供 製造、販売権の許諾 |
2006年5月4日から10年間 |
| EP Polymers (M) Sdn. Bhd. (マレーシア) |
自動車用照明器 | 技術情報の提供 製造、販売権の許諾 |
1995年4月29日から20年間 |
| AuVitronics Ltd. (パキスタン) |
自動車用照明器 | 技術情報の提供 製造、販売権の許諾 |
2005年3月7日から10年間 |
設備投資
設備投資額 |
(単位：百万円) |
| 2012年3月期 | 2011年3月期 | 2010年3月期 | |
| 全社 | 21,400 | 16,400 | 15,700 |
| 自動車関連事業 | - | - | 14,500 |
-生産の合理化並びに更新、製品の高品質化、原価低減などを目的として日本を中心に21,400百万円の設備投資を実施。日本は7,300百万円、北米4,700百万円、中国では5,700百万円、アジア3,200百万円、欧州では300百万円の設備投資を実施した。
主な設備の新設計画 |
(2012年3月31日現在) |
| 会社/事業所 | 設備の内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着手 | 完了 |
| 静岡工場 (静岡県静岡市) |
自動車照明機器製造設備他 | 3,545 | 2012年 4月 |
2013年 3月 |
| 榛原工場 (静岡県牧之原市) |
自動車照明機器製造設備他 | 1,783 | 2012年 4月 |
2013年 3月 |
| 小糸九州（株） (佐賀県佐賀市) |
自動車照明機器製造設備他 | 2,652 | 2012年 3月 |
2013年 3月 |
| North American Lighting, Inc. (米国イリノイ州) |
自動車照明機器製造設備他 | 2,709 | 2012年 3月 |
2013年 3月 |
| 広州小糸車灯有限公司 [Guangzhou Koito Automotive Lamp Co., Ltd.] (中国広州市) |
自動車照明機器製造設備他 | 5,275 | 2012年 3月 |
2013年 3月 |
| Thai Koito Co., Ltd. (タイ サムットプラカン県) |
自動車照明機器製造設備他 | 5,569 | 2012年 3月 |
2013年 3月 |
