三菱電機 (株) 2010年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2010年
3月期
2009年
3月期
増減率 要因
全社
売上高 3,353,298 3,665,119 (8.5%) 全セグメントで減収となる。
営業利益 94,302 139,728 (32.5%) -
当期純利益 28,278 12,167 132.4% -
産業メカトロニクス事業
売上高 733,132 851,688 (13.9%) 自動車機器事業は、各国の販売奨励策の効果等により一部製品が増加したものの、第2四半期までの世界的な需要低迷により、受注・売上ともに前連結会計年度を下回った。
営業利益 26,138 49,934 (47.7%)

事業計画


新興国市場での自動車部品事業拡大を本格化する。2009年世界最大の自動車販売市場となった中国で、地場の自動車メーカーや欧州メーカーに対する拡販活動を加速する。これまで日系自動車メーカーに対して供給してきたオルタネーターやスターター、電動パワステ周辺部材などが拡販の軸。中国に次いで将来的に成長が見込まれるインド市場では、従来からの供給先であるマルチ・スズキ・インディアとの関係を継続する。新興国市場における供給製品の生産については地産地消が原則。各地域の自動車販売台数の拡大に合わせて、現地での生産能力を増強していく考え。(2010年1月14日付日刊自動車新聞より)

 

経営戦略 (2010年5月発表)


自動車機器事業においては、市場変化を踏まえた地域戦略、製品戦略のグローバル展開により事業拡大を目指す。

「環境・省エネ」、「情報通信」をキーワードとした開発強化による競争力向上


オルタネータ・スタータ :
ISS、エネルギー回生や高効率・小型軽量化など、低燃費化需要に対応した製品のタイムリーな開発と市場投入。

IPM(インテリジェントパワーモジュール) :
HEV・EV市場の拡大における、半導体技術と車載技術のシナジー効果による製品競争力強化。

EPS(電動パワーステアリング用モータ・コントローラ) :
低燃費化需要に対応した競争力あるラインアップの開発。

カーマルチメディア :
カーナビから車載情報センター化への進化に対応した車内外との通信機能の充実。

グローバル戦略の推進


日本・米国・欧州 : 
電動化・低燃費化・安全快適性の向上に対応した高効率・先進技術製品の投入。

中国・インド :
新興国市場における競争力強化に向けたグローバル生産・開発戦略の推進。

経営目標


-シナジーを活かした、強い電機・電子事業の複合体を目指す。
項目 目標 2010年
3月期
備考
営業利益率 5%以上 2.8% 2005年3月期:3.3%
2006年3月期:4.1%
2007年3月期:5.7% (達成)
2008年3月期:6.5% (達成)
2009年3月期:3.8%
ROE
(株主資本
利益率)
10%以上 3.1% 2005年3月期:10.8% (達成)
2006年3月期:11.5% (達成)
2007年3月期:12.3% (達成)
2008年3月期:15.1% (達成)
2009年3月期:1.3%
借入金比率 15%以下 16.7% 2005年3月期:23.9%
2006年3月期:20.9%
2007年3月期:18.6%
2008年3月期:15.8%
2009年3月期:20.3%

業績見通し

(単位:億円)
- 2011年3月期
予想
2010年3月期
実績
2009年3月期
実績
売上高 営業
利益
売上高 営業
利益
売上高 営業
利益
全社 34,800 1,400 33,532 943 36,651 1,397
産業メカトロニクス 8,200 490 7,331 261 8,516 499

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

開発動向

研究開発体制


-国内研究所、海外研究所(米、欧)および製作所・連結子会社の開発部門において、基礎研究から応用研究、製品化開発、生産技術開発を行っている。また、国内外の大学、研究機関等と連携した研究開発活動も推進。

-産業メカトロニクス事業では、自動車用電装品、電動パワーステアリングおよびその関連製品、カーマルチメディア機器などの競争力強化に向けた開発を行っている。

-自動車機器部門の研究開発体制
拠点名 所在地 備考
自動車機器開発センター 兵庫県姫路市 応用開発
姫路製作所 兵庫県姫路市 製品開発
三田製作所 兵庫県三田市 製品開発
福山製作所 広島県福山市 製品開発

研究開発費

(単位:億円)
- 2010年3月期 2009年3月期 2008年3月期
全社 1,337 1,444 1,487
産業メカトロニクス事業 347 377 370
割合 26.0% 26.1% 24.9%

開発実績 (2010年3月期)


DSRCサービス対応HDDカーナビゲーションシステムおよびDSRC車載器、次世代HEV用トランスミッション直付パワーユニット、アイドルストップ車用エンジン制御コントロールユニットなどを開発した。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
- 2010年3月期 2009年3月期 2008年3月期
全社 102,767 150,128 159,370
産業メカトロニクス事業 22,911 44,655 50,230
割合 22.3% 29.7% 31.5%

2010年3月期、産業メカトロニクス事業では自動車機器およびFA機器における合理化などを目的とした投資を行った。

設備投資計画

(単位:百万円)
- 2011年3月期 主な内容・目的
全社 150,000 -
産業メカトロニクス事業 30,000 自動車機器の増産・合理化など
割合 20.0% -

産業メカトロニクス事業では、自動車機器およびFA機器の増産等を目的とした投資を行う計画。