(株) 今仙電機製作所 2011年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2011年 3月期 |
2010年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 83,828 | 74,012 | 13.26 | - |
営業利益 | 6,414 | 5,185 | 23.70 | - |
経常利益 | 5,880 | 5,281 | 11.34 | - |
当期純利益 | 3,685 | 3,064 | 20.26 | - |
自動車部品関連事業 | ||||
売上高 | 79,376 | 69,995 | 13.40 | -北米地域における受注が回復してきたこと、中国、タイなどのアジア地域での受注が増加したことなどにより増収。 |
営業利益 | 6,246 | 5,056 | 23.53 | - |
事業提携
テイ・エス テック(TSテック)と同社は2010年10月29日、株式を相互保有し、自動車用シート事業での協力関係を強化すると発表した。両社は従来からシートの開発・生産で協力してきた。協力関係をより強化し、開発や生産など各分野での効率を高める。TSテックはすでに、同社株を1万株保有している。30万株を追加取得し、発行済株式数の1・71%を保有することになる。一方、同社はTSテックによる同社株取得額と同額をめどにTSテック株を取得する。約23万株(株式総数の0・34%)を想定。株式取得の方法と時期は、今後、両社で検討する。 (2010年10月30日付日刊自動車新聞より)動向
<得意先系列別>-ホンダ系列向けは、米国の自動車市場回復、中国の販売が好調。
-日産系列向けは、中国の販売が好調、国内の受注増加。
-三菱系列向けは、国内の受注が回復。
<機種別>
-シートアジャスタの受注増加が全体の増加を支える。
-ランプは三菱系列向けの受注回復により、大幅な増加。
-固定費の削減効果などにより増益。
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2011年3月期 | 2010年3月期 | 2009年3月期 | |
全社 | 122 | 118 | 136 |
対売上高比率(%) | 0.14 | 0.16 | 0.16 |
研究開発活動
自動車部品関連事業<シートアジャスタ>
-衝突時の乗員保護を目的とした高強度製品や衝撃を吸収する製品、衝突前に危険を知らせる製品の開発。
-低燃費を実現させるために部品の削減、新素材、新加工による小型軽量化製品の開発。
-高齢化社会に向け利便性の優れた福祉車両用の回転リフトアップシートの開発。
-CAE解析技術を活用した製品開発期間の短縮と、スライド、リクライニング、ハイトなどの基本機能向上、低コスト化を目指した研究開発。
-音・振動といった感覚的性能に優れたパワーシートアジャスタの開発及びパワー作動時の挟み込み防止技術などシートの動作を制御する電子ユニットとの融合開発。
<ウィンドレギュレータ>
-更なる小型化、軽量化を図るため、新構造の提案活動を実施。
<電子ユニット>
-各種装置の複合制御を可能にした統合ユニットの製品化をはじめ、メモリーシートECUやシートベルトプリテンション制御ECUを製品化し、更に各種シートアレンジ制御など、機構と電子を融合したメカトロニクス製品の研究開発。
-環境対応車(EV、HEV)用の各種電子機器製品の研究開発。
<ランプ>
-LED素子を採用したリアコンビネーションランプ、ルームランプなどの多種の新規ランプを開発。
-制御ユニット、ランプ、ロック機構を組み合わせたオーバーヘッドコンソールは、モジュール化の研究開発中。
<ホーン>
-低価格化の実現と高品質化を両立した新製品開発を推進中。
<その他の製品>
-トラックのエア系統を制御するマグネチックバルブや、エアコン用ダクトの開閉制御を行うアクチュエーターの小型化、軽量化、高性能化、複数のマグネチックバルブの一体モジュール化の研究開発や、大型二輪車用の電動スクリーン(風防の電動調整装置)を開発、製品化するなど、機構・電動技術を応用した新製品の開発。
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2011年3月期 | 2010年3月期 | 2009年3月期 | |
全社 | 4,382 | 1,844 | 5,731 |
自動車部品 | 3,863 | 1,752 | 5,656 |
2010年度の設備投資
-主なものは、ラウンドリクライニングアジャスタ及びシートアジャスタの製品生産設備。
海外投資
-中国にシートアジャスタの第2生産拠点を新設すると発表した。武漢市に武漢今仙電機有限公司を設立、2012年中の操業開始を目指す。同社は広東省広州市に全額出資現地法人の広州今仙電機有限公司を置き、現地市場向けにシートアジャスタの製造と販売を展開している。今後の中国地域におけるシートアジャスタの受注拡大と、物流改善を目的に第2生産拠点の新設を決めた。新会社の資本金は約6億円で、出資比率は同社60%、広州今仙電機有限公司40%。(2010年11月9日付日刊自動車新聞より)-タイのImasen Manufacturing (Thailand) Co., Ltd.(IMTC)は第2工場の建設を決定し、2010年10月6日に起工式を開催した。IMTCはタイ国内の自動車用シートメーカー向けに、シートアジャスタの製造・販売を行っている。第2工場は既存のプレス設備を移管・増強し、プレス専用工場とする。これにより、プレス工程の生産能力は約2倍に拡大する見込み。なお、今回の投資額は約52百万バーツ。操業開始は2011年11月を予定している。(2010年10月7日付プレスリリースより)
設備の新設計画(自動車部品関連事業)
(2011年3月31日現在)
会社名 事業所名 (所在地) |
設備の内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着手 | 完了 予定 |
今仙電機名古屋工場 (愛知県犬山市) |
生産設備 | 2,085 | 2011年2月 | 2012年3月 |
今仙電機岐阜工場 (岐阜県加茂郡) |
生産設備 | 708 | 2011年4月 | 2012年3月 |
今仙電機八百津工場 (岐阜県加茂郡) |
生産設備 | 481 | 2011年4月 | 2012年3月 |
今仙電機岡山工場 (岡山県倉敷市) |
生産設備 | 178 | 2011年4月 | 2012年3月 |
今仙電機可児工場 (岐阜県可児市) |
生産設備 | 110 | 2011年4月 | 2012年3月 |
今仙電機春里工場 (岐阜県可児市) |
生産設備 | 140 | 2011年4月 | 2012年3月 |
今仙電機広島工場 (広島県東広島市) |
生産設備 | 310 | 2011年4月 | 2012年3月 |
広州今仙電機有限公司 [Guangzhou Imasen Electric Industrial Co.,Ltd.] (中国 広東省) |
生産設備 | 400 | 2011年1月 | 2011年12月 |
武漢今仙電機有限公司 [Wuhan Imasen Electric Industrial Co., Ltd.] (中国 湖北省) |
土地建物 | 600 | 2011年4月 | 2011年12月 |
Imasen Bucyrus Technology Inc. (米国 オハイオ州) |
生産設備 | 400 | 2011年1月 | 2011年12月 |
建物生産設備 | 2,000 | 2011年1月 | 2011年12月 | |
Imasen Manufacturing India Pvt. Ltd. (インドラジャスタン州) |
生産設備 | 290 | 2011年1月 | 2011年12月 |
Imasen Manufacturing (Thailand) Co., Ltd. (タイ アユタヤ県) |
建物生産設備 | 500 | 2011年1月 | 2011年12月 |
Imasen Philippines Mfg. Corp. (フィリピン ラグナ州) |
生産設備 | 110 | 2011年1月 | 2011年12月 |