(株)今仙電機製作所 2007年3月期の動向
ハイライト
単位: 百万円 |
2007年 3月期 |
2006年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 |
全社 | ||||
売上高 | 73,323 | 67,121 | 9.2 | 自動車部品関連の売上好調により増収。 |
営業利益 | 3,216 | 2,403 | 33.8 | 増収効果に加え、鋼材など原材料の高止まりを吸収するため総原価の低減に取り組み、増益を達成。 |
経常利益 | 3,479 | 2,766 | 25.8 | |
当期純利益 | 1,902 | 892 | 113.1 | |
自動車部品関連事業 | ||||
売上高 | 68,153 | 62,406 | 9.2 |
北米地域における受注増加、中国・タイ子会社の売上好調により増収増益。 |
営業利益 | 2,895 | 2,149 | 34.7 |
国内動向
日産自動車向けにパワーシートアジャスターの生産を拡大する。2007年5月に稼働するシートアジャスターの新工場を日産、ホンダ向けを中心とする工場と位置付け、受注拡大が見込まれるパワーシートアジャスターを増産する。主力のシートアジャスターの納入を拡大することにより、売上高全体に占める日産向けの割合は、現状の6-7%から、2008年度末には10%以上に高まる。(2006年11月15日付日刊自動車新聞より)
海外動向
海外生産拠点の現地調達率を、早期に80%にまで引き上げる。同社は北米、中国、アジアで主力製品のシートアジャスターを生産しており、部品の現調率は35-65%となっている。2007年から生産を立ち上げる新規の受注品については、素材以外を現地で調達することで現調率を高めていく。同社は主力製品であるシートアジャスターを米国、中国、フィリピン、タイで生産中。生産用部品は、現地生産拠点で約40%を内製しているほか、10%を現地で外部調達しており、残りの50%は半製品などの形で日本から供給している。今後、新規で生産を立ち上げる受注品の日本からの供給分は、素材を除いて現地調達に切り替え、競争力を高めていく。まず、米国工場で2007年に生産を開始するホンダ車向けのシートアジャスターで、現調率を現状の55%から80%に引き上げる。米国以外の生産拠点の現調率は、現在のところ中国が35%、タイが55%、フィリピンが65%になっている。それぞれ新規受注分から現地調達分を引き上げ、早期に海外生産拠点全体の現調率を80%にする。(2006年12月14日付日刊自動車新聞より)
-中国
中国でスズキからシートアジャスターを受注し、2007年から納入を開始。スズキの中国生産拠点で生産する車両向けに、中国のシートアジャスター生産子会社、広州今仙電機(広州今仙、広州市花都区)から製品を供給する。スズキとは海外での取引はこれが初めてとなる。同社はスズキ向けの売上高が比較的少ないが、市場拡大が見込める中国で主力のシートアジャスターを受注したのを機に、今後スズキとの取引も広げていきたい考え。また広州今仙は2007年2月には、生産能力を現在の倍増となる79万台に引き上げる。パワーシートアジャスターとマニュアルシートアジャスターの生産能力をそれぞれ倍増。中国での日系メーカーの増産を見込み、2009年度までの需要見込みに対応する。(2007年1月5日付日刊自動車新聞より)
今後中国市場において製品需要の拡大が予想されるため、中国子会社を増資すると発表。対象は中国で自動車用シートアジャスタを製造販売する「広州今仙電機有限公司」で、資本金を5.15百万米ドルから9.35百万米ドルに増資。(2007年3月8日付け同社プレスリリースより)
開発動向
研究開発費用
2007年3月期における研究開発費は150百万円、対売上高比率は0.21%。
自動車部品関連事業
(1)機構製品
シートアジャスタ
CAE解析技術を活用した製品開発期間の短縮と、シートスライドアジャスタ、シートリクライニングアジャスタなどの機能性向上、小型軽量化、高強度化を目指した研究開発活動を行う。特に、コアとなる部分の基本ユニットをベースに、強度・耐久の解析、最適構造の検討を行い、統合化を施したシートアジャスタの開発を実施している。また、音・振動といった感覚的に性能に優れたパワーシートアジャスタの開発および、パワー作動時の挟み込み防止技術を盛り込んだ電子ユニットとの融合開発を行い、自動車メーカー、シートメーカーへの提案と新製品の共同開発活動を行っている。
ウィンドレギュレータ
更なる小型化、軽量化を図るため、新構造の提案活動を実施。
(2)電装製品
電子ユニット
各種装置の複合制御を可能にした統合ユニットの製品開発を行い、研究開発の成果として顧客の新車種開発時に採用されている。また、電装製品と機構製品の技術を活かした、自動車エアバッグの展開を制御するセンサーの一つであるシートポジションセンサやメモリーシートECUを製品化し、更に各種シートアレンジ制御など、機構と電子を融合した製品の研究開発を行っている。
ランプ
LED素子を採用したリアコンビネーションランプ、ルームランプなどの多種の新規ランプを開発。また、オーバーヘッドコンソールは、モジュール化の研究開発中。
ホーン
更なる小型化、低価格化の実現と高品質化を両立した製品開発と提案活動を実施中。
-その他の製品
トラックのエア系統を制御するマグネチックバルブや、エアコン用ダクトの開閉制御を行うモーターパワーサーボの小型化、軽量化、高性能化、複数のマグネチックバルブの一体モジュール化の研究開発や、大型二輪車用の電動スクリーン(風防の電動調整装置)を開発、製品化するなど、機構・電動技術を応用した新製品の開発を展開中。
技術援助契約 (2007年3月現在)
相手方の名称 | 契約の内容 | 契約期間 |
Intier Automotive Inc. (Canada) | シートアジャスタ 4件の技術援助契約 |
2001年12月から4年間 または最終量産納入日まで |
シートアジャスタ 10件の技術援助契約 |
2001年12月から4年間 または最終量産納入日まで |
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シートアジャスタ 6件の技術援助契約 |
2002年7月から4年間 または最終量産納入日まで |
|
シートアジャスタ 4件の技術援助契約 |
2003年8月から4年間 または最終量産納入日まで |
設備投資
2007年3月期の設備投資総額は6,395百万円。
そのうち、自動車部品関連事業の設備投資総額は6,331百万円
設備投資内容(自動車部品関連)
岐阜工場の建設、海外子会社の増産対応に伴い機構製品であるシートアジャスタの設備投資など。主なものはラウンドリクライニングアジャスタおよびシートアジャスタの新規製品生産設備。
国内投資
九州地区にシートアジャスターの生産拠点を新設する。生産開始は2007年6月、月産4万脚を計画する。設備投資額は3億5,000万円。(2006年12月4日付日刊自動車新聞より)
生産設備の新設計画
事業所名 (所在地) |
投資予定 総額 (百万円) |
着手年月 | 完了 予定年月 |
今仙電機 名古屋工場 (愛知県犬山市) |
240 | 2007年4月 | 2008年3月 |
今仙電機 岐阜工場 (岐阜県加茂郡) |
5,000 | 2006年9月 | 2008年3月 |
今仙電機 岡山工場 (岡山県倉敷市) |
706 | 2007年4月 | 2008年3月 |
(株)九州イマセン (福岡県北九州市) |
350 | 2007年4月 | 2008年3月 |
Imasen Philippines Mfg. Corp. (フィリピン ラグナ州) |
140 | 2007年1月 | 2007年12月 |
Imasen Bucyrus Technology Inc. (米国 オハイオ州) |
430 | 2007年1月 | 2007年12月 |
広州今仙電機有限公司 [Guangzhou Imasen Electric Industrial Co.,Ltd.] (中国 広東省) |
1,570 | 2007年1月 | 2007年12月 |
Imasen Manufacturing (Thailand)
Co., Ltd. (タイ アユタヤ県) |
460 | 2007年1月 | 2007年12月 |