(株) ジェイテクト 2011年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2011年
3月期
2010年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 955,470 769,682 24.1 -日本で実施された景気刺激策及び中国、東南アジア、北米を中心とした景気の回復により、売上高は前年比24.1%増。
営業利益 39,924 425 9293.9 -売上の増加に加え、購入品価格の改善、労務効率の改善などの原価低減活動に取り組み増益。
経常利益 40,263 (252) -
当期純利益 20,052 (19,413) -
機械器具部品事業
売上高 828,962 678,446 22.2 -自動車販売の増加と、産業機械用軸受の需要増加により、ステアリング、ベアリング・駆動系部品とも増収。
セグメント利益 34,529 10,229 237.6 -

受注

-電子制御4WDカップリング(Intelligent Torque Controlled Coupling:ITCC)を日産のコンパクトスポーツクロスオーバー車「Juke」に納入。日産の4WDシステム「ALL MODE 4x4-i(トルクベクトル付)」へ搭載されるもの。このITCCは、前後輪の駆動力を100:0 - 50:50まで連続的に可変することで、高い燃費効率とトラクション性能を両立する。(2010年12月7日付プレスリリースより)

-スズキ「Kizashi」の4輪駆動モデルに3分割プロペラシャフトが採用。このプロペラシャフトは全長が長くなる場合でも、中間ジョイ ント部2箇所をセンターベアリングで支持する3分割構造を採ることで、振動特性の最適化を図ることが可能となる。(2010年9月3日付プレスリリースよ り)

合弁事業

-瓦房店軸承集団有限責任公司(Wafangdian Bearing Group Corporation : ZWZ)との間で、中国で自動車用ベアリングの生産・販売を行う合弁会社設立に向けた「合弁協力意向書」を締結。ZWZは中国の遼寧省瓦房店 (Wafangdian)市に本拠を置くベアリングメーカー。両社は1995年、ホイールベアリング生産・販売の合弁会社、大連光洋瓦軸汽車軸承有限公司 (Dalian Koyo Wazhou Automobile Bearing Co., Ltd. : KWA)を設立している。今回新たに設立する会社は、エンジン、トランスミッション、ホイール用などのベアリングを生産。日欧米系カーメーカーに加えて、 中国資本のカーメーカーにも販売拡大を図る。合弁会社への出資比率は両社50%ずつとし、総投資額は約10億RMB(約125億円)。(2010年9月28日付プレスリリースより)

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

2012年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2012年3月期 2011年3月期 増減
売上高 960,000 955,470 4,530
営業利益 45,000 39,924 296
経常利益 45,000 40,263 5,076
当期純利益 24,000 20,052 3,948

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 31,938
27,410 29,056
 

研究開発拠点

研究開発センター 奈良県橿原市、大阪府柏原市、愛知県刈谷市
電動システム開発センター 愛知県岡崎市

研究開発活動

-中国での開発強化を目的とし中国テクニカルセンター(JRDC)を設立し活動を開始。

-同社と中国の同済大学(上海市)は、同大学内に共同研究室を開設することで合意。この研究室は「自動車アクティブセーフティ技術共同研究室」と命名。同社 が保有するステアリングおよび軸受・駆動系部品に関する自動車製品技術、先端要素・システム技術と、同大学の先端基盤技術を融合し、アクティブセーフ ティ(予防安全)技術に関する共同研究を行う。開設期間は2010年10月から2013年9月までで、必要に応じて延長する。(2010年10月 13日付プレスリリースより)

ステアリング部門
-省エネ技術を織込んだ電動ポンプ式油圧パワーステアリングや小型・軽量・静粛性技術を織込んだコラムタイプ電動パワーステアリングを開発し、採用された。
-軽自動車向けコラムタイプ電動パワーステアリングを開発。従来品に比べ、約10%の軽量化を実現。
-高級スポーツカー向けコラムタイプ電動パワーステアリングを開発、採用される。
-SUV用油圧パワーステアリングを開発。非操舵時に流量制限をかけるVFC(Variable Flow Control)ポンプを搭載し、省エネに貢献。
-新興国市場用の安価で静粛性の高いコラムタイプ電動パワーステアリングを展開。

ベアリング・駆動系部品部門
-超低トルク仕様のシールを内蔵したハブユニット軸受を開発。すでに自動車メーカーへの供給を開始している。シールのリップ接触部の形状を工夫し接触抵抗を低減することにより、燃費換算で約0.2%の燃費低減効果を達成した。
-オートマチックトランスミッションのギヤ支持部の軸受として、耐磨耗性と高速性にすぐれたニードル軸受を開発。

製品開発

タイヤ力検知センサー内蔵ハブユニット
-ハブユニットに独自開発した薄型荷重センサーを内蔵することでタイヤ力(タイヤの発生する 力)を高精度に検知。車両の安全性や操作性の向上に貢献する。今後、同社のアクティブステア機構や左右駆動力分配システムと組み合わせた独自の車両制御を構築するとともに、薄型荷重センサーの他用途への活用を目指す。 (2010年11月16日付日刊自動車新聞より)

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 30,850
25,248 51,104
機械器具部品事業 27,321
22,432 44,204

設備の新設

(2011年3月31日現在)

事業所名 所在地 設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
香川工場 香川県
東かがわ市
機械器具部品製造設備等 6,600 2011年
4月
2012年
3月
国分工場 大阪府
柏原市
機械器具部品製造設備等 5,800 2011年
4月
2012年
3月
伊賀試験場 三重県
伊賀市
テストコース 3,000 2011年
6月
2012年
9月
ダイベア(株)
本社・和泉工場ほか
大阪府
和泉市
機械器具部品製造設備等 1,000 2011年
4月
2012年
3月
Koyo Corporation of U.S.A.
アメリカ
サウスカロライナ州
機械器具部品製造設備等 5,100 2011年
1月
2011年
12月