(株) リケン 2019年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2019年
3月期
2018年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 90,366 87,583 3.2 -海外での営業拡販などにより増収。
営業利益 6,924 7,441 (6.9) -原材料価格上昇等による鋳造事業の収益悪化や、海外関係会社の人件費・償却費等の増加による製造コスト上昇などにより減益。

経常利益 7,860 8,379 (6.2)
親会社株主に帰属する当期純利益 4,979 4,386 13.5 -減損損失額が減少したことなどにより増益。

最近の動向

ーピストンリングの主力メーカーが自動車エンジン向け以外の非エンジン部品の受注を拡大している。各社は、既存技術の応用やオープンイノベーションで新製品の開発や新規事業の創出を進めている。日本ピストンリングは金属粉末射出成形法「メタモールド」で非エンジン部品のラインアップを広げている。自動車の電動パワーステアリング (EPS) 用ボールねじ向け部品の量産を決めたほか、工作機械や産業用ロボットにも展開する。TPRはベンチャーとの協業による蓄電池のニッケル正極用材料の水系バインダーの量産を来年にも始める。国内外自動車メーカーや電池メーカーなどへの提供を見込んでいる。リケンは自動車の電装化加速を見据えた新製品の開発を進めている。ギガヘルツ帯の電磁波 (ノイズ) を抑制する「ノイズ抑制シート」のサンプル提供をすでに開始したほか、ミリ波レーダーのSN (信号/ノイズ) 比を向上させる部材やケーブルの伝導ノイズを抑制する部材を開発した。(2019年6月19日付日刊自動車新聞より)

経営計画

「PLAN2020」は2020年3月期までの目標を

  • 売上高:1,400億円以上
  • 連結営業利益率:10%超

と定めている。

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
  2019年3月期 2018年3月期 2017年3月期
全社 1,841 1,567 1,597
-自動車・産業機械部品事業 1,704 1,502 1,539

研究開発活動

自動車・産業機械部品事業
1. 低燃費を実現する低フリクション・長寿命ガソリンエンジン用ピストンリングの開発
2. 低燃費、排気ガス規制に対応するディーゼルエンジン用ピストンリングの開発
3. 燃費低減に寄与する低フリクション自動車・産業機械用シール部品の開発
4. 軽量、低フリクション、高耐久自動車・産業機械用動弁部品の開発
5. 摺動特性、耐久性に優れる各種表面処理技術の開発
6. 軽量化、高強度化を実現する足回り部品の開発

その他
1.電動車向け低フリクション・軽量化部品の開発
2.ミリ波レーダー用電波吸収シートの開発
3.耐久性に優れた高温用発熱体の開発

 

技術援助契約

(2019年3月31日現在)
会社名 内容 契約年月日 契約期間
台湾理研工業股份公司
[Taiwan Riken Ind. Co, Ltd.]
台湾 ピストンリング、シリンダライナー、ブロック、カムシャフト、ナックルおよび各種鋳物製品の製造法 2018.01.01 2年
Siam Riken Industrial Co., Ltd. タイ ピストンリングの製造法 2015.01.18 5年
P.T. Pakarti Riken Indonesia インドネシア 管継手および自動車用鋳造部品の製造法 2016.01.01 5年
Shriram Pistons & Rings Ltd. インド ピストンリングの製造法 2014.03.01 7年
Grede Holdings LLC 米国 鋳物製品の製造法 2019.01.07 5年
Korea Piston Ring Inc. 韓国 ピストンリングの製造法 2015.03.01 5年
廈門理研工業有限公司
[Xiamen Riken Ind. Co., Ltd.]
中国 ピストンリングの製造法 2013.07.01 10年
カムシャフトの製造法 2013.07.01 10年
理研汽車配件 (武漢) 有限公司
[Riken Automobile Parts (Wuhan) Co., Ltd.]
中国 ピストンリング、シールリング、動弁製品およびその他鋳物製品の製造法 2015.03.01 5年
理研密封件(武漢)有限公司
(RIKEN SEALING PARTS (WUHAN) CO.,LTD.)
中国 シールリングの製造法 2015.07.01 5年
Riken Mexico, S.A. De C.V. メキシコ バルブリフターの製造法 2013.09.01 2023.08.31まで
シールリングの製造法 2014.07.01 2023.08.31まで
ピストンリングの製造法 2015.09.01 2023.08.31まで

設備投資額

(単位:百万円)
  2019年3月期 2018年3月期 2017年3月期
自動車・産業機械部品事業 7,181 7,158 5,756


自動車・産業機械部品事業
-同社における機械加工・表面処理設備や中国・メキシコ子会社における機械加工設備等に投資。

2019年3月期設備投資案件
ーピストンリング(中国・メキシコ・日本)
生産増強・設備の合理化
ー樹脂製品(中国・メキシコ・日本)
生産増強・設備の合理化
ーその他(日本・インドネシア)
熱エンジニアリング事業の設備増強(日本)
カムシャフト・鋳物の増強(インドネシア)

設備の新設計画

(2019年3月31日現在)
会社名
事業所名
所在地 設備の
内容
投資予定
金額総額
(百万円)
柏崎事業所 新潟県柏崎市 ピストンリング、自動車部品等生産設備 1,815
熊谷事業所 埼玉県熊谷市 自動車部品等生産設備 1,133
P.T. Pakarti Riken Indonesia インドネシア
シドアルジョ県
自動車部品等生産設備 683