(株) ユタカ技研 2011年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2011年
3月期
2010年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 179,417 166,567 7.7 -東日本大震災の被害や円高による影響等があったものの、全ての地域において顧客からの受注状況が改善され増収。
営業利益 11,496 6,857 67.7 -費用削減施策、生産体質強化施策の継続が寄与し、増益。
経常利益 11,135 6,608 68.5
当期純利益 6,106 3,921 55.7
四輪用部品
売上高 156,921 149,408
5.0 -
 
<日本>
-震災の影響があったものの、政府による経済政策の効果もあり受注状況が大幅に改善され、売上高は前年同期比9.9%増の92,370百万円。

<北米>
-他のセグメントに比べ受注改善率は低いものの、売上高は前年同期比1.2%贈の50,673百万円。

<アジア>
-受注状況が大幅に改善され、売上高は前年同期比21.4%贈の19,890百万円。

<中国>
-前期に引き続きホンダ四輪車の好調な販売により、売上高は前年同期比8.5%増の26,705百万円。

<その他>
-イギリスにおいて、在庫調整のための生産休止期間があったが正常な生産活動に戻り、受注状況も改善されたこと等により、売上高は前年同期比24.3%増の9,101百万円。

海外事業

-同社は海外の地域機能の強化に乗り出す。北米、中国、アジアの3地区に地域本部制を導入、購買機能を持たせるほか、各地域におけるオペレーションの自立化を図る。市場ニーズに迅速に対応できる体制を整えるとともに、購買機能を持たせることにより部材の現地調達比率を一段と高めてコスト競争力の強化を目指す。同社は、米国、タイ、中国、インドなど8カ国に14カ所の事業拠点を展開。本部制は中国地域本部、北米地域本部、アジア地域本部の3本部を発足しており、地域単位の対応力の強化に乗り出している。今後はそれぞれの本部の下に地域統括を設置し、各地域の生産拠点のオペレーションを担当。2011年度からスタートする3カ年の新中期経営計画で体制作りを本格化していく方針。(2010年11月18日付日刊自動車新聞より)

事業再編

-2010年11月、国内生産再編の検討を開始したと発表した。静岡県浜松市にある2拠点を統合する考えで、四輪部品の主力工場である豊製作所に二輪部品、汎用部品を手掛ける高丘製作所を集約する方針だ。自動車市場の先行きが不透明な状況のため、再編によって合理化、競争力の向上に結びつける。また、同社は10月下旬にインド子会社を仏フォルシアグループの排気系サプライヤーに売却する予定だったが、協議、手続きが完了していないため譲渡を延期した。(2010年11月1日付日刊自動車新聞より)

2012年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2012年3月期
(見通し)
2011年3月期
(実績)
増減率(%)
売上高 162,500 179,417 (9.4)
営業利益 6,200
11,496 (46.1)
経常利益 6,200 11,135 (44.3)
当期純利益 3,300 6,106 (46.0)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 2,330
2,201 2,752
日本
 2,228 2,138 2,711
北米 101

研究開発体制

-栃木開発センター(第一開発室、第二開発室、第三開発室、第四開発室)及び技術本部が主体となり、研究開発活動を推進。

<日本>
排気系部品
-第一開発室、第四開発室及び技術開発室が中心。排気ガス浄化性能、燃費、静粛性向上等の環境対応技術をより進化させ、生産性向上と併せ製品競争力を高める排気システムの研究開発、生産技術開発を実施。

駆動系部品

-第二開発室及び技術開発室が中心。更なる小型軽量化、燃費向上等及び生産性向上など製品競争力を高める研究開発、生産技術開発を実施。

<北米>
排気系部品
-連結子会社である Cardington Yutaka Technologies Inc. の研究開発部門において、排気ガス浄化性能、燃費、静粛性向上等の環境対応技術をより進化させ、生産性向上と併せ製品競争力を高める排気システムの研究開発を実施。

研究開発活動

<日本>
排気系部品

-「フィット」及び「フィット・ハイブリッド」用のキャタリストコンバータ及び消音器システムを開発し、量産を開始。
-欧州向け「アコード」のディーゼルの排気システムを開発し、量産を開始。

駆動系部品
-「シビック」用のトルコンを開発し、量産を開始。
-客先のロックアップクラッチ締結領域拡大ニーズに対し、機能、耐久性を両立させ燃費向上に貢献したこと及び米国向け「オデッセイ」用の多板ロックアップクラッチ付トルクコンバータを開発。

<北米>
排気系部品
-米国向け「オデッセイ」の排気システムを開発し量産を開始。
-米国向け「シビック」のキャタリストコンバータの生産を開始。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 4,901
3,722 10,325

日本
-同社を中心に新機種投資のための生産設備投資、原価低減のための合理化投資に1,643百万円を投資。

北米
-Cardington Yutaka Technologies Inc.を中心に、自動車四輪部品の新機種投資ならびに合理化投資に1,781百万円を投資。

アジア
-Yutaka Autoparts India Private Ltd.を中心に、自動車四輪部品の新機種投資ならびに生産能力拡大に721百万円を投資。

中国
-武漢金豊汽配有限公司[Wuhan Jin Feng Autoparts Co., Ltd.]を中心に、自動車四輪部品の新機種投資ならびに生産能力拡大のために538百万円を投資。

設備の新設・改修計画

(2011年3月31日現在)

会社名
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
完成後の
増加能力
本社・豊製作所
(静岡県浜松市)
自動車部品等
生産設備
その他の設備
929 2010.08 2012.03 若干増加
三重製作所
(三重県津市)
自動車部品等
生産設備
198 2010.09 2012.03 若干増加
嵐山製作所
(埼玉県比企郡)
自動車部品等
生産設備
199 2010.05 2012.03 若干増加
栃木開発センター
(栃木県さくら市)
研究開発設備 80 2011.04 2012.03 若干増加
Cardington Yutaka Technologies Inc.
(米国オハイオ州)
自動車部品等
生産設備
950 2010.09 2012.03 若干増加
Alabama Cullman Yutaka Technologies LLC.
(米国アラバマ州)
工場拡張 239 2011.10 2012.02 将来の業容拡大のための設備投資