ユタカ技研 2009年3月期の動向
ハイライト
業績 | (単位:百万円) |
2009年 3月期 |
2008年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 205,049 | 227,012 | (9.7) | -原油や材料価格の高騰、世界的な景気の悪化、円高・国内の株安により減収減益。 |
営業利益 | 3,634 | 8,756 | (58.5) | |
経常利益 | 2,797 | 8,577 | (67.4) | |
当期純利益 | 45 | 4,546 | (99.0) | |
四輪用部品 | ||||
売上高 | 182,785 | 200,016 | (8.6) | - |
営業利益 | 2,925 | 7,202 | (59.4) | - |
地域別動向
<日本>
-原材料歩留まりアップやプレス工程の見直しなど生産性向上施策を実施したものの、自動車販売台数の落ち込みによる大幅な売り上げ減、原材料価格の高騰、為替影響、同社及び連結子会社の機械装置の耐用年数短縮に伴う減価償却費増により減収減益。売上高88,543百万円(前年比11.2%減)、営業損失1,173百万円となった。
-主要顧客であるホンダの完成車組み立て拠点移管にあわせて、三重製作所から嵐山製作所に排気系部品の一部を移管し、製品相互補完を実施した。
-ホンダハイブリッド車向け部品や、燃料電池車向け部品の生産を開始した。
<北米>
-北米第3拠点「Alabama Cullman Yutaka Technologies LLC.」の生産は順調に推移したが、米国景気低迷による自動車販売台数の減少、中・大型車向け部品売り上げ構成の減少、原材料価格の高騰、為替影響等により売上高66,535百万円(前年比15.0%減)、営業損失20百万円となった。
<アジア>
-インド第2拠点「Yutaka Autoparts India Private Ltd.」の稼動開始等増収要素はあったが、四輪自動車部品の売り上げ減、原材料価格の高騰、為替影響により減益。
売上高17,275百万円(前年比2.2%増)、営業利益2,011百万円(前年比6.5%減)となった。
<中国>
-ホンダ四輪車の堅調な販売に加え、生産が本格化した拠点の増産効果もあり増収増益。
売上高21,007百万円(前年比70.7%増)、営業利益2,583百万円(前年比81.0%増)となった。
<その他>
-ブラジル子会社「Yutaka Do Brazil Ltda」の新工場が計画通り稼動を開始したが、英国の「UYS Limited」は受注の急激な減少により大幅な減収。売上高11,688百万円(前年比41.1%減)、営業利益21百万円(前年比96.1%減)となった。
2011年3月期の業績予測 | (単位:百万円) |
2008年3月期 (実績) |
2009年3月期 (実績) |
2010年3月期 (見込み) |
|
売上高 | 227,010 | 205,040 | 154,000 |
営業利益 | 8,750 | 3,630 | 2,500 |
経常利益 | 8,570 | 2,790 | 2,100 |
当期純利益 | 4,540 | 40 | 350 |
地域別予測 | (単位:百万円) |
2008年3月期(実績) | 2009年3月期(実績) | 2010年3月期(見込み) | ||||
売上高 | 営業利益 | 売上高 | 営業利益 | 売上高 | 営業利益 | |
日本 | 99,680 | 2,280 | 88,540 | (1,170) | 65,000 | (1,100) |
北米 | 78,280 | 2,450 | 66,530 | (20) | 50,000 | 400 |
アジア | 16,910 | 2,150 | 17,270 | 2,060 | 12,000 | 1,000 |
中国 | 12,300 | 1,360 | 21,010 | 2,570 | 21,000 | 2,400 |
その他 | 19,840 | 510 | 11,690 | 200 | 6,000 | (200) |
製品別売上高予測 | (単位:百万円) |
2008年3月期 (実績) |
2009年3月期 (実績) |
2010年3月期 (見込み) |
|
四輪排気系 | 152,050 | 136,420 | 102,060 |
四輪駆動系 | 41,490 | 42,420 | 32,000 |
四輪その他 | 6,480 | 4,080 | 2,280 |
二輪 | 15,150 | 14,250 | 10,060 |
汎用 | 11,840 | 7,870 | 7,600 |
開発動向
研究開発費 | (単位:百万円) |
2009年3月期 | 2008年3月期 | 2007年3月期 | |
全社 | 2,752 | 2,598 | 2,295 |
四輪用部品 | 2,711 | 2,568 | 2,250 |
研究開発体制
-栃木開発センター(第一開発室、第二開発室、第三開発室)および技術本部が主体となり、研究開発活動を推進。
四輪用部品部門
排気系部品 | -第一開発室、技術本部が中心。排気ガス浄化性能、燃費、静粛性向上等の環境対応技術をより進化させ、生産性向上と併せ製品競争力を高める排気システムの研究開発、生産技術開発を実施。 |
駆動系部品 | -第二開発室、技術本部が中心。更なる小型軽量化、燃費向上等及び生産性向上など製品競争力を高める研究開発、生産技術開発を実施。 |
研究開発活動
排気系部品
-ホンダ新型フリード向けに部品流用率を高めて低コスト化に寄与した触媒コンバータを開発し、提出会社の嵐山製作所にて量産を開始。
-ホンダ新型ライフ向けに排ガス浄化性能向上、軽量・低コスト化に寄与した触媒コンバータを新開発し、同社の三重製作所で量産を開始。この触媒コンバータはエンジン直下に触媒を2個配置することにより排ガス浄化性能を向上している。
-ホンダオデッセイ向けに部品流用率を高めて低コスト化に寄与した触媒コンバータおよびサイレンサーを開発。同社の嵐山製作所にて量産を開始。
-ホンダ新型インサイト向けにコンパクトで軽量 な、エキゾーストマニホールドからサイレンサーまでの排気一貫システムを新開発、同社の三重製作所で量産を開始。この排気システムは部品流 用率を高めた生産性の向上で低コスト化をはかりつつ、排気浄化性能や消音性能を向上。
-ホンダ新型燃料電池車FCXクラリティ向けにサイレンサーを開発し量産を開始。
-米国市場では、ホンダ新型PILOT向けに 性能向上、軽量に寄与したサイレンサーとフィニッシャーを新規開発。
-サイレンサーを米国連結子会社「Alabama Cullman Yutaka Technologies LLC.」で量産を開始。
-フィニッシャーをフィリピン連結子会社「Yutaka Manufacturing (Philippines) Inc.」で量産化。米国へ供給。
-アジア、中国市場向けのホンダ新型シティ向け に、性能向上、軽量化、低コスト化に寄与した触媒コンバータを開発。タイ連結子会社「YS Tech (Thailand) Co., Ltd.」、インド連結子会社「Yutaka Autoparts India Private Ltd.」で量産を開始。
-中国市場向けにはサイレンサーの開発も行い、排気一貫システムとして、連結子会社「佛山市豊富汽配有限公司」(Foshan Fengfu Auto Co.,Ltd.)にて量産を開始。
-インドTata Motorsの新型Indica、及びIndicuz向けにエンジン性能、排気ガス浄化性能の向上に寄与したエンジン直下触媒コンバータとサイレンサーを開発し、インド連結子会社「Yutaka Autoparts Pune Ltd.」で量産を開始。
駆動系部品
-ホンダ新型インサイト用L4エンジン向けにデュアルマスフライホイールを開発。同社の豊製作所で量産を開始。
-ホンダオデッセイ及びPILOT用高出力V6エンジン向けにロックアップクラッチ付き扁平トルクコンバータを開発。米国連結子会社「Alabama Cullman Yutaka Technologies LLC.」で量産を開始。
-ホンダ新型フィット用L4エンジン向けにロックアップクラッチ付き扁平トルクコンバータを開発し、中国連結子会社「佛山優達佳汽配有限公司」(Foshan Yutaka Auto Parts Co., Ltd.)、タイ連結子会社「YS Tech (Thailand) Co., Ltd.」の2拠点で量産を開始。
-ホンダ新型シビック向けにロックアップクラッチ付き扁平トルクコンバータを開発。中国連結子会社「Foshan Yutaka Auto Parts Co., Ltd.」で量産を開始した。
設備投資
設備投資額 | (単位:百万円) |
2009年3月期 | 2008年3月期 | 2007年3月期 | |
全社 | 10,325 | 17,252 | 12,941 |
四輪用部品 | 9,604 | 15,567 | 12,613 |
四輪用部品部門
-同社及び米国のCardington Yutaka Technologies Inc.を中心に新機種投資ならびに生産能力拡大のための生産設備投資、原価低減のための 合理化投資を行い、加えて新拠点Alabama Cullman Yutaka Technologies LLC.における設備投資を実施。
-2010年3月期には全体で3,150百万円の設備投資を予定。
設備の新設・改修計画(2009年3月現在)
会社名 事業所名 (所在地) |
設備の内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着手 | 完了 予定 |
完成後の 増加能力 |
本社 豊製作所 (静岡県浜松市) |
自動車部品等 生産設備 その他の設備 |
1,739 | 2008年 04月 |
2010年 03月 |
若干増加 |
高丘製作所 (静岡県浜松市) |
自動車部品等 生産設備 |
130 | 2008年 10月 |
2010年 03月 |
若干増加 |
三重製作所 (三重県津市) |
自動車部品等 生産設備 |
408 | 2008年 01月 |
2010年 03月 |
若干増加 |
嵐山製作所 (埼玉県比企郡) |
自動車部品等 生産設備 |
385 | 2008年 10月 |
2010年 03月 |
若干増加 |
栃木開発センター (栃木県さくら市) |
研究開発設備 | 94 | 2008年 10月 |
2010年 03月 |
若干増加 |
Alabama Cullman Yutaka Technologies LLC. (米国アラバマ州) |
自動車部品等 生産設備 |
413 | 2009年 04月 |
2010年 03月 |
若干増加 |