株式会社ユーシン 2007年度の動向
ハイライト
業績
自動車部門
受注
主力商品(ドアラッチ、メカヒーコン、キーセット)の受注状況
-ドアラッチは、マツダ向けの新規車種へ新型ドアラッチの展開が開始、生産量が大幅に増加し、また、スズキ向けも流用展開されているグローバルカーが好調により受注量が増加しており、今後も流用展開が進み 増加する見込み。
-メカヒーコンは、ホンダ向けグローバルカー(FIT)の生産がユーシン・タイランドCO.,LTD.(タイ)で開始、続いて有信制造(中山)有限公司(中国)でも生産の開始を予定しており、自動車メーカー各社から 引き合いがある。
-キーセットは、マツダ/フォードのグローバルカーの共通化が進み日本、中国、欧州とキーセットの 受注が拡大。
-上記主力商品のほか、オートヒーコン、電動ステアリングロック、スマートシステムの受注成約(マツダ、ホンダ、スズキ、三菱自動車など)も続いており、今後の収益拡大の柱になると見込む。
-2007年、同社は国内外の自動車メーカーからキーセットなど主要品目の新規受注を獲得。2007年11月期に700億円となる見通しの連結売上高を2年間で21%増の850億円に引き上げる。中国、タイ、インド、ハンガリーなどLCC(リーディング・コンペティティブ・カントリー)に生産基盤を持つ価格競争力を武器に、国内の軽自動車メーカーや欧州メーカーの小型車などに食い込んだ。国内ではマツダやスズキからのキーセット、ラッチ類などの新規受注に加え、ダイハツ工業が九州で生産する軽自動車向けキーセットやヒーターコントロールパネル(以下ヒーコン)、ホンダの北米輸出車向けヒーコン、いすゞ向けキーセットやスイッチ類の供給も始める。海外でも、独アウディやGM系のオペル、蘭ネッドカー、欧州フォードなどから合計で年120万台分の受注を獲得した。(2007年8月6日付日刊自動車新聞より)
当面の課題
(1)中期経営計画の達成状況
-今後3年間の修正中期経営計画においては、ユーシンU.S.A. LTD.(ORTECH)(米国)再建の合理化により、売上高の増加は一時的に鈍るが、順調な受注実績を背景に中期的な拡大基調は維持する見込み
-海外の各生産拠点ともフル稼働体制に入り、先行投資の負担増などを生産効率アップによる収益の収穫期に入る。
-売上高は拡大基調を維持し順調に推移するものと見込み、中期的には5%以上の営業利益率達成を目指す。
修正中期経営計画(連結)
(2)グローバルサプライヤーとしての生産供給体制強化と海外事業展開の実施状況
-3大主力商品のキーセット、ラッチ、メカヒーコンのグローバル展開によるシェア拡大を図ってきたが、グローバルカーの開発ラッシュが一段落したことにより、受注が鈍化してくることも予想される。次世代商品(電動ステアリングロック、スマートシステム、オートエアコン)の開発商品を柱とする商品構成に転換して一層の受注拡大及び収益構造の改善に取り組む。
海外事業展開方針
(1)インドでの新規顧客からの受注を受け、他市場(中国、タイ)への参入による規模を拡大。
(2)マグネシウム鋳造など欧州での現地生産を生かし欧州メーカーへの積極的な開拓。
(3)厳しい価格競争に対応してきた商品力を活かして他メーカーへの拡販を図る。
(4)電子部品の競争力アップを図り、得意とするメカ部分と電子部品との融合を図る。
(5)欧米メーカーからの直接受注を図る。
各生産拠点における現状と課題
(単位: 百万円) |
2007年 11月期 |
2006年 11月期 |
増減率(%) | 要因 |
全社 | ||||
売上高 | 74,773 | 70,016 | 6.7 | -全部門で増収。 |
営業利益 | 2,388 | 1,405 | 69.9 | -原材料価格の高騰により、業績が低迷していた主力の自動車部門が販売価格への転嫁などにより改善。 -産業機械部門、住宅機器部門も引き続き堅調に推移。 |
経常利益 | 2,336 | 1,729 | 35.1 | - |
当期純利益 | (137) | (594) | - | - |
自動車部門 | ||||
売上高 | 53,083 | 49,279 | 7.7 | -主力製品のシェア拡大継続。 -国内向けでは、マツダ、スズキ向けが前年度に続き堅調。また三菱自向けも 増収に転じる。 -ユーシン・タイランドCO.,LTD.(タイ)が62.1%の増収。 |
営業利益 | 512 | 167 | 206.5 | -原材料価格高騰の価格転嫁が進展し、増益。 |
自動車部門
受注
主力商品(ドアラッチ、メカヒーコン、キーセット)の受注状況
-ドアラッチは、マツダ向けの新規車種へ新型ドアラッチの展開が開始、生産量が大幅に増加し、また、スズキ向けも流用展開されているグローバルカーが好調により受注量が増加しており、今後も流用展開が進み 増加する見込み。
-メカヒーコンは、ホンダ向けグローバルカー(FIT)の生産がユーシン・タイランドCO.,LTD.(タイ)で開始、続いて有信制造(中山)有限公司(中国)でも生産の開始を予定しており、自動車メーカー各社から 引き合いがある。
-キーセットは、マツダ/フォードのグローバルカーの共通化が進み日本、中国、欧州とキーセットの 受注が拡大。
-上記主力商品のほか、オートヒーコン、電動ステアリングロック、スマートシステムの受注成約(マツダ、ホンダ、スズキ、三菱自動車など)も続いており、今後の収益拡大の柱になると見込む。
-2007年、同社は国内外の自動車メーカーからキーセットなど主要品目の新規受注を獲得。2007年11月期に700億円となる見通しの連結売上高を2年間で21%増の850億円に引き上げる。中国、タイ、インド、ハンガリーなどLCC(リーディング・コンペティティブ・カントリー)に生産基盤を持つ価格競争力を武器に、国内の軽自動車メーカーや欧州メーカーの小型車などに食い込んだ。国内ではマツダやスズキからのキーセット、ラッチ類などの新規受注に加え、ダイハツ工業が九州で生産する軽自動車向けキーセットやヒーターコントロールパネル(以下ヒーコン)、ホンダの北米輸出車向けヒーコン、いすゞ向けキーセットやスイッチ類の供給も始める。海外でも、独アウディやGM系のオペル、蘭ネッドカー、欧州フォードなどから合計で年120万台分の受注を獲得した。(2007年8月6日付日刊自動車新聞より)
当面の課題
(1)中期経営計画の達成状況
-今後3年間の修正中期経営計画においては、ユーシンU.S.A. LTD.(ORTECH)(米国)再建の合理化により、売上高の増加は一時的に鈍るが、順調な受注実績を背景に中期的な拡大基調は維持する見込み
-海外の各生産拠点ともフル稼働体制に入り、先行投資の負担増などを生産効率アップによる収益の収穫期に入る。
-売上高は拡大基調を維持し順調に推移するものと見込み、中期的には5%以上の営業利益率達成を目指す。
修正中期経営計画(連結)
(単位:億円) | 2006年 11月期 |
2007年 11月期 |
2008年 11月期 |
2009年 11月期 |
2010年 11月期 |
売上高 | 700 | 680 | 766 | 850 | 901 |
営業利益 | 14 | 18 | 37 | 42 | 45 |
営業利益率(%) | 2.0 | 2.6 | 4.8 | 4.9 | 5.0 |
(2)グローバルサプライヤーとしての生産供給体制強化と海外事業展開の実施状況
-3大主力商品のキーセット、ラッチ、メカヒーコンのグローバル展開によるシェア拡大を図ってきたが、グローバルカーの開発ラッシュが一段落したことにより、受注が鈍化してくることも予想される。次世代商品(電動ステアリングロック、スマートシステム、オートエアコン)の開発商品を柱とする商品構成に転換して一層の受注拡大及び収益構造の改善に取り組む。
海外事業展開方針
(1)インドでの新規顧客からの受注を受け、他市場(中国、タイ)への参入による規模を拡大。
(2)マグネシウム鋳造など欧州での現地生産を生かし欧州メーカーへの積極的な開拓。
(3)厳しい価格競争に対応してきた商品力を活かして他メーカーへの拡販を図る。
(4)電子部品の競争力アップを図り、得意とするメカ部分と電子部品との融合を図る。
(5)欧米メーカーからの直接受注を図る。
各生産拠点における現状と課題
拠点 | 現状と課題 |
ユーシンU.S.A.Ltd.(Ortech)(米国) | -再建プロジェクトチームの活動により通期で黒字化を達成したものの、今後は不採算商品の整理など、生産を縮小し ユーシン・タイランドCO.,LTD. (タイ)、有信制造(中山)有限公司(中国)などコスト競争力のある地域からの生産供給で受注活動を進めて行く方針。 |
ユーシン・ヨーロッパLTD.(ハンガリー) | -マツダ/フォード共同開発のグローバルカー、スズキ/GM/フィアットの世界戦略車向け部品共通化で受注を拡大するも、既存の得意先においてもほぼフル生産の状態になっており、今後の売上高拡大は鈍化する傾向。 -日本に続くマグネシウム部品の生産拠点としてマグネシウム鋳造機の導入を決定。また、マツダ/フォード共同開発のグローバルカー共通化の進展により、フォードブランドのステアリングロックボデーの受注が確定。 |
有信制造(中山)有限公司(中国) | -ドアラッチ、キーセットなど生産の大部分を日本向けなど輸出商品で占める。 -中国国内の自動車市場の拡大により、中国国内向けの受注も順調に推移。 -中国国内向けは、売上高の約18%。来年度は、約31%に増加する見込み。 -生産拡大は続いており、フル稼働体制に入り稼働率も向上。赤字は大幅に改善され黒字に転換する見込み。 |
ユーシン・タイランドCo., Ltd.(タイ) | -ヒーターコントロールパネルの生産供給基地として受注拡大。 -日本向け逆輸入とアセアン市場向けを合わせ、来年度は21万台/月の生産を見込む。 -同社のアセアン地域の生産拠点として工場拡張も視野。 -収益面でも、収益率の高い直販商品の増加により、2008年度は黒字に転換する見込み。 -生産拡大は続いており、フル稼働体制に入り稼働率も向上。 |
開発動向
研究開発
開発体制
-先行開発室及び開発本部を中核として研究開発に取り組み、自動車部品の開発で生まれた技術を基に、産業機器や住宅機器に応用した商品開発も同時に進めている。
-欧州での生産部門と設計・開発(R&D)部門を統合する。ドイツに置いていたR&D拠点「ユーシン・ドイッチェランドGmbH」(デュッセルドルフ市)を2007年11月期中に閉鎖、営業スタッフ及びエンジニア部隊をハンガリーに集約する。今後のアプリケーション・エンジニアリング(車両適合設計)はすべてハンガリーで対応する。設計と生産の連携を強化するとともに、運営コストの低減を図る。(2007年9月7日付日刊自動車新聞より)
新製品開発(自動車部門)
スマートエントリーシステム
-電子制御式ステアリングロックの次の世代となる電動式ステアリングロックの量産に向けて育成中。
キーセット
-ドアー閉め音、噛合い強度、盗難防止性を改良した新型ドアーラッチの開発を完了し、量産化開始。同時にドアーハンドルやキーセットを含めた総合的なドアー開閉システムを顧客に提案。
技術供与(2007年11月現在)
2007年度 | 2006年度 | 2005年度 | |
研究開発費用(百万円) | 1,481 | 1,880 | 1,837 |
売上高比 | 2.0% | 2.7% | 2.9% |
開発体制
-先行開発室及び開発本部を中核として研究開発に取り組み、自動車部品の開発で生まれた技術を基に、産業機器や住宅機器に応用した商品開発も同時に進めている。
-欧州での生産部門と設計・開発(R&D)部門を統合する。ドイツに置いていたR&D拠点「ユーシン・ドイッチェランドGmbH」(デュッセルドルフ市)を2007年11月期中に閉鎖、営業スタッフ及びエンジニア部隊をハンガリーに集約する。今後のアプリケーション・エンジニアリング(車両適合設計)はすべてハンガリーで対応する。設計と生産の連携を強化するとともに、運営コストの低減を図る。(2007年9月7日付日刊自動車新聞より)
新製品開発(自動車部門)
スマートエントリーシステム
-電子制御式ステアリングロックの次の世代となる電動式ステアリングロックの量産に向けて育成中。
キーセット
-ドアー閉め音、噛合い強度、盗難防止性を改良した新型ドアーラッチの開発を完了し、量産化開始。同時にドアーハンドルやキーセットを含めた総合的なドアー開閉システムを顧客に提案。
技術供与(2007年11月現在)
相手先 | 国名 | 契約内容等 | 契約期間 |
儒億科技股份有限公司 (Elitech Technology Co., Ltd..) |
台湾 | 自動車用キーセットに関するノウハウ・工業所有権の実施権の許諾 | 2004年6月13日~ 製造・販売終了 |
Donnelly Corporation | 米国 | 自動車用アウターハンドルに関する製造技術情報の供与 | 2002年2月1日~ 製造・販売終了 |
三龍産業股份有限公司 (San Long Industrial Co.,Ltd.) |
台湾 | 自動車用アウターハンドルに関する製造技術情報の供与 | 2003年10月31日~ 製造・販売終了 |
三龍産業股份有限公司 (San Long Industrial Co.,Ltd.) |
台湾 | 自動車用アウターハンドル・インナーハンドルに関する製造技術情報の供与 | 2005年2月1日~ 製造販売終了 |
信昌機械廠股份有限公司 (Xinchang Machinery Co., Ltd.) |
台湾 | 自動車用ラッチに関する製造技術情報の供与 | 2006年6月30日~ 製造販売終了 |
設備投資
-2007年度の設備投資費(取得ベース)は連結で5,402百万円(前年度は5,381百万円)。うち、自動車部門は4,925百万円の投資。
-主な内訳はユーシン広島における八本松工場の取得1,738百万円等。
国内投資
-ニッパツの旧広島工場(広島県東広島市)の土地、建物を取得し、新工場として使う。土地面積は約5万平方メートル、建屋は2階建てで床面積は約1万6000平方メートル。キーセットやエアコン制御部品といった電装部品の生産を国内工場で最大規模となる新工場に集約、拡大する海外拠点に技術を展開するための中核拠点としても活用する。(2007年2月22日付けプレスリリースより)
設備の新設計画(自動車部門)
-主な内訳はユーシン広島における八本松工場の取得1,738百万円等。
国内投資
-ニッパツの旧広島工場(広島県東広島市)の土地、建物を取得し、新工場として使う。土地面積は約5万平方メートル、建屋は2階建てで床面積は約1万6000平方メートル。キーセットやエアコン制御部品といった電装部品の生産を国内工場で最大規模となる新工場に集約、拡大する海外拠点に技術を展開するための中核拠点としても活用する。(2007年2月22日付けプレスリリースより)
設備の新設計画(自動車部門)
会社名 | 所在地 | 設備の内容 | 投資 予定額 (百万円) |
着工 年月 |
完了予定 年月 |
技術センター | 広島県 安芸郡 |
開発部門の各種試験機等 | 163 | 2007年 11月 |
2008年 11月 |
(株)ユーシン広島 | 広島県 安芸郡 |
土地、建物、電子部品実装ライン、次期車の金型及び組立設備、加工機等 | 2,298 | 2007年 11月 |
2009年 11月 |
(株)ユーシン東京 | 静岡県 浜北市 |
次期車の金型及び組立設備、加工機等 | 685 | 2007年 11月 |
2008年 11月 |
大和精工 | 広島県 呉市 |
各種金型、組立設備及び加工機等 | 218 | 2007年 11月 |
2008年 11月 |
有信制造(中山)有限公司(U-SHIN Manufacturing (Zhongshan) Co., Ltd.) | 中国 広東省 |
次期車の金型、組立設備及び加工機等 | 556 | 2007年 11月 |
2008年 11月 |
ユーシン・タイランドCo., LTD. | タイ ラヨーン県 |
次期車の金型及び組立設備及び加工機等 | 596 | 2007年 11月 |
2008年 11月 |
ユーシン・ヨーロッパ Ltd. | ハンガリー キスベル市 |
次期車の金型、組立設備及び加工機等 | 414 | 2007年 11月 |
2008年 11月 |
計 | 5,234 |