(株) エクセディ 2016年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2016年
3月期
2015年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 268,752 256,011 5.0

-堅調な受注および前年度に納入を開始した製品の受注増加により過去最高を更新。

営業利益 21,305 17,887 19.1 -設備投資による減価償却費の増加等はあったものの、売上高の増加および円安効果により増加。
経常利益 18,112 19,582 (7.5) -
親会社株主に帰属する当期純利益 12,013 9,503 26.4 -
MT事業
売上高 71,667 71,447 0.3 -自動車メーカーからの受注増加および補修品販売が堅調な推移。
セグメント利益または損失 10,891 9,374 16.2 -コスト低減を進め増益。
AT事業
売上高 166,393 156,947 6.0 -前年度に納入を開始した製品の受注増による。
セグメント利益または損失 9,430 9,797 (3.7) -減価償却費の増加による。



生産関連

-三重県伊賀市にある上野事業所において、トルクコンバーターを生産する新工場を建設すると発表した。新工場は2017年1月に操業を開始する予定。(2015年8月7日付プレスリリースより)

-2017年度までにトルクコンバーターのライン当たり生産量を5割高める新ラインを開発する。国内主力工場の上野事業所(三重県伊賀市)に導入する。従来とは異なる工法を独自開発することで、生産ラインのスピードを高めて生産量拡大を実現する。国内では変速機メーカーの生産拡大に伴い、トルクコンバーター の需要も拡大している。生産効率を高める新ラインを開発することで、安定した供給体制を確立するとともに、コスト競争力を高めて利益率の改善に結びつける。(2015年7月28日付日刊自動車新聞より)

-同社は2017年度の売上高で14年度比17.2%増となる3千億円を目指す。既存工場の拡張により生産能力を増強し、トルクコンバーターのグローバル生産能力を11%拡大するほか、インドでは二輪車向けクラッチディスクを増産する。世界的な自動車販売の増加を背景に、強みとするトルクコンバーターやクラッチ部品などの受注が拡大している。需要増に対応できる供給体制を構築することで目標の必達に結びつける。(2015年7月23日付日刊自動車新聞より)

受賞

-同社は、トヨタ自動車北海道より「品質優秀賞」を受賞したと発表した。(2015年7月10日付プレスリリースより)

2017年3月期の見通し

(単位:百万円)
2017年3月期
(予測)
2016年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 250,000 268,752 (7.0)
営業利益 18,500 21,305 (13.2)
経常利益 18,000 18,112 (0.6)
親会社株主に帰属する当期純利益 12,000 12,013 (0.1)


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
MT事業 1,255 884 863
AT事業 1,754 1,574 1,533
その他 998 1,095 685
新商品開発費 1,366 1,654 1,490
合計 5,374 5,208 4,573



研究開発体制

-2016年3月31日現在、研究開発スタッフはグループ全体で444名。総従業員の約2%に相当。
-研究開発は同社を中心に以下拠点で実施:

名称 所在地
国内
(株) ダイナックス 北海道
海外
愛思帝 (重慶) 駆動系統有限公司
[EXEDY Chongqing Co., Ltd.]
中国 重慶市
エクセディダイナックス上海
[EXEDY DYNAX Shanghai Co., Ltd.]
中国 上海市
EXEDY Friction Material Co., Ltd. タイ チョンブリ
EXEDY ENGINEERING ASIA Co., Ltd. タイ チョンブリ
EXEDY India Ltd. インド マハラシュトラ州



研究開発活動

MT事業
-乗用車系部品では、環境問題・低燃費に対応した希薄燃焼型エンジンや直噴ディーゼルエンジンから生じる振動を効率的に吸収する、高性能ダンパー付きクラッチや2マスフライホイールの開発を推進している。

-商用車系部品では、マニュアルクラッチをはじめ、MTの発進・変速操作を自動化したAMT用として、コントロールユニットの指令に従ってクラッチを操作するアクチュエーターユニットおよびモータードライバーなどの製品を開発している。

AT事業
-トルクコンバーター、ロックアップクラッチ、湿式クラッチなどを開発。

-湿式クラッチに関して、内部の油の流れ、面圧を解明し、スリップ性能改善につなげる研究を最新のコンピューターシステムを駆使して継続的に進めている。

-低燃費を実現するために低速度域までロックアップ領域を拡大し、低速のクラッチ締結時の振動を減衰するトルクコンバーターの開発に成功し、新規受注を獲得。

-連結子会社のダイナックスでは、ロックアップクラッチ用摩擦材をはじめ、自動変速機の部品を開発しており、不織布を用いた湿式摩擦材などの技術を培っている。商用車系では、DCTへの適用部品開発を進めており、ダイナックスは商用車初の湿式デュアルクラッチを量産。

その他
-ハイブリッド車用に、モーター内周部に収容でき、エンジン/モーター間を断接する乾式多板クラッチや、エンジン/モーター切替え時、およびエンジン走行時に発生する振動を吸収するダンパー装置、エンジンへの過大負荷入力を防止するトルクリミッター付きダンパーなどの新製品分野の開発も行っている。

設備投資額

(単位:百万円)
2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
MT事業 4,859 4,422 4,662
AT事業 19,795 19,851 16,943
その他 2,187 3,439 6,310
合計 26,842 27,713 27,915


MT事業
-同社およびアジア子会社での合理化および増産対応等による投資。

AT事業
-同社、国内子会社およびアジア子会社での増産対応等による投資。

海外投資

<ハンガリー>
-ハンガリー子会社のEXEDY DYNAX Europeがダイナックス製品のペーパーディスクの生産能力拡大に向けて、工場を拡張すると発表した。現工場の隣接地約37,000平方メートルを新たに購入し、総敷地面積は約57,000平方メートルとなる。工場は7,725平方メートルを増築し、総面積は12,360平方メートルとなる予定。生産ラインは3本から10本に増え、ペーパーディスクの年産能力を約75百万枚に引き上げる。拡張した工場では、2016年1月より生産を開始する予定。 (2014年11月25日付プレスリリースより)

設備投資計画

-2017年3月期、同社グループは32,000百万円の設備投資を計画。このうち、MT事業に6,000百万円、AT事業に24,000百万円を投資する計画。