アルプス電気 (株) 2011年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2011年
3月期
2010年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 550,668
493,639 11.6

-

営業利益 28,871
4,742 508.8
-
経常利益 23,174
1,676 1282.7
-
当期純利益  11,136 570 1853.7
-
電子部品事業
売上高 303,674
281,252 8.0
-
営業利益 12,966
395 3182.5
-

事業概況

電子部品事業
新興国を中心とした需要の拡大を背景に、デジタル機器向けの電子部品が伸長するとともに、自動車生産台数が、国によってばらつきはあるものの、安定的に推移したことなどから、電装部品やナビゲーションなどの車載関連製品が底堅く推移。製品構造の再構築を中長期の目標に定め、売上面では、新製品の積極的な拡販が増収に貢献。

AUTO事業本部
-欧州では政府による購入支援施策の終了に伴い、販売台数が落ち込んだが、日本や米国をはじめ、中国やインドなどの新興国では、概ね順調に増加基調で推移。これらの事業環境を背景として、従来から強みとしている高級車向けに加え、中小型車向けの電装製品やコンポーネント製品の売上高が増加し、売上高は1,249億円(前年度比11.0%増)となった。

国内事業

-電源用インダクタ、電流センサーなどのグリーンデバイスにかかわる電力変換機器、および電力制御機器に関する事業を分割し、新会社 アルプス・グリーンデバイスへ承継させることを発表した。パワーインダクタ、車載リアクトル、産業機器リアクトル、スマートメータ電流センサー、車載電流 センサーが対象製品で、2015年に、売上高230億円を目指す。官民出資ファンド、産業革新機構(INCJ、東京都千代田区)が、新会社の株式を引き受 ける。(2010年4月1日付日刊自動車新聞より)


2011年3月期の見通し

(単位:億円)
  2012年3月期 2011年3月期 増減
売上高 5,400
5,506
(6)
-電子部品事業 3,000 3,036
(36)
営業利益 240  288
(48)
経常利益 220 231 (11)
当期純利益 120
 111
9

第6次中期経営計画

電子部品事業 (単位:億円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
売上高 3,300超 3,000超 2,860
営業利益 300超 200超 140
研究開発費 約120  約120 124
設備投資額 約120 約120 125

-自動車関連では、コンポーネント製品群比率の拡大など製品構成の変革を行い、売上高の拡大をめざす方針。

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 28,124
27,843 40,304
電子部品事業  11,813 9,612 13,850

研究開発体制

AUTO事業本部
-古川工場が中心となり、車室内のインプットデバイス、および車体・駆動制御に使用されるセンサを事業領域に部品からシステム製品までの研究開発を実施。

研究開発拠点

仙台開発センター 宮城県仙台市

研究開発活動

2010年度の主な成果として、多彩な入力機能と操作の容易性を両立させたトラックボール式マルチインプットデバイスや、複合アンテナを天井部分に効率的に収納し、乗員の監視やジェスチャーによる入力を可能にするオーバーヘッド・コンソールモジュール、携帯機器を車に簡単につなぐことのできるBluetoothユニットを開発した。また、シートインサート成形技術を応用したインフォテイメント・コントロールパネルの量産を開始した。

-天井に複数のセンサーや通信用アンテナを一体化したモジュールを取り付け、安全性やセキュリティー、操作性の改善を図る新技術を開発した。 カメラや動態センサーによって車室内の状況を常時検知し、エアバッグの展開速度を乗員の体格や乗車姿勢に合わせて制御したり、駐車中の侵入者の画像をドラ イバーの携帯端末に送ることなどを実現する。また、カーナビゲーションなどを身振りや手振りで操作することが可能になる。複数のシステムでセンサーや配線を共用するため、高度な機能を従来よりも低コストで実現できる。 (2010年10月4日付日刊自動車新聞より)

- ドライバーに確実な操作感を付与することをねらいボタン操作に必要な力(作動力)を重く設定するとともに、作動寿命を従来品比2倍の 20万回に延ばした車載向け「タクトスイッチ」を開発、今月から量産を開始したと発表した。接点部分の金属板ばねの設計を見直しボタンを押し込んだ際の負 荷を軽減することによって一般的なカーAV機器用ボタンの約1・5倍となる4ニュートンの作動力と長寿命を両立した。同時にサイズを従来比の3分の1に小型化し、搭載性を高めた。(2010年4月7日付日刊自動車新聞より)

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
全社 23,544
18,480 47,202
電子部品事業 16,671
11,914 34,363

電子部品事業
-社内システムの構築をはじめ、スマートフォン向けタッチパネルデバイス、車載用センサ・スイッチ、オプティカルモジュール、携帯電話向けコンタクトシート等の開発や製造設備への投資を行った。

設備の新設

事業所名
(所在地)
事業の種類 設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手年月 完了予定
アルプス電気
古川工場他
(宮城県大崎市他)
電子部品 コンポーネント部品の製造設備等 3,060 2011.04 2012.03
アルプス電気
本社
(東京都大田区)
電子部品 システム関連の設備 2,312
2011.04 2012.03
アルプス電気
長岡工場
(新潟県長岡市)
電子部品 タッチパネルの製造設備等 2,266
2011.04 2012.03
アルパイン
いわき事業所
(福島県いわき市)
音響製品 機械装置、工具器具備品、金型 2,799
2011.04 2012.03