アスモ (株) 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2013年
3月期
2012年
3月期
増減率
(%)
要因
売上高 303,097 271,361 11.7 -日本での車両生産の回復や北米、ASEANでの販売好調などにより増収。
営業利益 11,300 (1,645) - -直材費低減など徹底した原価改善活動、売上増加による操業度差益、円安による為替差益などにより増益。
経常利益 11,713 (1,645) - -
純利益 922 3,935 (76.6) -厚生年金基金脱退一時金を特別損失として計上。

地域別業績要因

<日本>
-売上高は、エコカー補助金の効果などによる車両生産の回復と好調な北米・アセアン向け輸出の増加などにより、前年比10.9%の増収。
-営業利益は、原価改善や売上増加による操業度差益、円高による為替差益などにより、10,020百万円の利益。(2012年3月期は3,588百万円の営業損失)

<米国>
-売上高は、北米および日系自動車メーカの車両生産の増加などにより、前年比24.1%の増収。
-営業利益は、売上増加による操業度利益、原価改善などにより、前年比104.6%の増益。

<ASEAN>
-売上高は、日系自動車メーカーの車両生産の増加などにより、前年比35.3%の増収。
-営業利益は、売上増加による操業度利益、原価改善などにより、前年比61.2%の増益。

<中国>
-売上高は、日本車買い控えによる減産の影響があったものの、欧州向け製品の増加および阿斯莫 (杭州蕭山) 微電機有限公司 [Asmo Hangzhou Xiaoshan Small Motor Co., Ltd.] が2012年8月より稼働したことなどにより、前年比0.4%増収。
-営業利益は、阿斯莫 (杭州蕭山) 微電機有限公司の立ち上がり損失などにより、898百万円の損失。 (2012年3月期は113百万円の営業利益)

受賞

-2013年3月、マツダより「VE / VA多数件賞」を受賞。
-2013年3月、日野自動車より「品質管理賞金賞」を受賞。
-2012年8月、トヨタ自動車より「技術開発賞」を受賞。 (高効率減速機構を追加したフロントワイパーモーターの開発につき)

事業戦略

競争力向上
-世界初などの革新技術を織り込んだモーターの新構造や脱希少資源の技術確立を進め、競合メーカーとの差別化を図るとともに、ブラシレスモーターの制御回路の自社開発や新素材・新工法の技術開発を加速する。グローバル視点で徹底した製・部品の標準化と設備の小型化・加工技術強化によるダントツの「モノつくり革新」を加速する。基幹重要部品の内製化を強化する。

拡販強化
-革新技術を織り込んだ次期型製品や制御回路内蔵モーターの拡販促進と新用途への提案活動を推進する。新興国市場や市販も含めた新領域への幅広い拡販を促進する。

グローバル事業の拡大
-中国・ASEAN・インドなどに新設・増強した生産拠点を円滑に立ち上げ、新興国市場での新製品・新事業の積極的投入と本格事業化を進めるとともに、為替動向を踏まえた現地生産・現地調達化やグローバルでの物流革新を促進する。

収益向上・事業成長を支える経営基盤づくり
-次世代を担いグローバル成長を牽引できるコア人材の育成とマネジメントローカル化の促進。全拠点の生産情報を見える化するシステムの整備などを進める。
-新たに品質管理部を設置するなど品質関連組織の拡充により、新設・増強した生産拠点をはじめ全グループ会社と一体となったEDER活動 (早期発見・早期解決) を強力に推進する。

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 13,172 12,237 11,624

研究開発活動

-将来に向けた開発として、車両の新システムに対応するブラシレスモーターおよびモーター駆動制御技術の開発とモーターへの一体化によるスマート化、小型軽量・高効率・省資源をさらに追求したモーター技術開発を推進。

製品開発

フロントワイパーモーター
-多極化により小型軽量化したフロントワイパーモーターに高効率減速機構を採用し、さらなる小型軽量・省電力化を実現。

電動ファンモーター
-中国生産品では、部品・材料の現地調達、現地での組付を前提とした電動ファンモーターの車両搭載が決定。

技術受入契約

(2013年3月31日現在)
相手方の名称 国名 契約品目 契約内容 契約期間
キヤノン (株) 日本 超音波モーター 特許実施権の許与
技術情報の提供
1998年1月1日 - 2017年12月31日

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 16,559 11,678 9,779

-次期型製品切替、生産能力増強、製品の品質・信頼性向上のために投資。

-2014年3月期の設備投資額は、16,500百万円を予定。

海外投資

<中国>
-同社は、中国において新工場「阿斯莫 (杭州蕭山) 微電機有限公司」 [Asmo Hangzhou Xiaoshan Small Motor Co., Ltd.] の竣工式を開催した。同工場は2012年8月より操業を開始し、自動車用小型モーターの供給を行う。 (2012年7月26日付プレスリリースより)
-2012年、同工場の建屋および小型モーター生産設備のため、2,860百万円の設備投資を実施した。

-天津阿斯莫汽車微電機有限公司 [Tianjin Asmo Automotive Small Motor Co., Ltd.] の工場を拡張。

<インドネシア>
-PT. Asmo Indonesiaの工場を拡張。

<インド>
-新工場への生産移管を開始。

設備の新設

(2013年3月31日現在)
会社名 所在地 設備の内容 投資予定総額
(百万円)
本社工場 静岡県湖西市 小型モーター生産設備 7,300
PT. Asmo Indonesia インドネシア 西ジャワ州 小型モーター生産設備等 2,300