Brembo S.p.A. 2009年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2009年
12月期
2008年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 825.8 1,060.8 (22.1) 1)
乗用車用製品事業
売上高 530.4 650.9 (18.5) -
商用車・小型トラック用製品事業
売上高 112.9 179.7 (37.2) -

要因
1)
-自動車市場は、世界金融・経済危機によりかつてない程の打撃を受けた。売上高の大幅な下落は、2008年の終わりから減速したものの2009年に入って からも続いた。2009年の売上高は、年間を通して受注や取引が大幅に落ち込み、前年比22.1%減の825.8百万ユーロ。しかし、上半期の売上高 28.8%減に比べると急激に回復した。

企業買収

-ブラジルのSawem Industrial Ltdaから、自動車用フライホイールの生産・販売事業を買収した。同社の完全子会社Brembo do Brasil Ltdaを通じ、約8.2百万ブラジルレアル(約2.8百万ユーロ)で買収。 また、同フライホイール事業の2008年売上は約15百万レアル(約5百万ユーロ)。(2009年1月9日付プレスリリースより)

-Brembo Rassini S.A. de C.V.を100%子会社化する。同社の株式24%をSanluis Rassini社から1.8百万米ドルで取得するもの。Brembo Rassiniはメキシコのブレーキディスクメーカー。完全子会社化に伴い、社名が「Brembo Mexico Puebla S.A. de C.V.」に変更となる。なお、取得手続きは2009年8月末までに完了する見込み。(2009年7月30日付プレスリリースより)

合弁事業

-独SGL Groupと折半出資により「Brembo SGL Carbon Ceramic Brakes」を2009年6月1日付で設立することで正式合意。これにより、双方の子会社であるBrembo Carbon Ceramic Brake Systems SpAとSGL Brakes GmbHの事業は統合される。新会社は乗用車・商用車向けに、カーボンセラミックブレーキおよびシステムの開発・生産を行う。イタリアのミラノに本社を置 き、2009年は約70百万ユーロの売上を見込んでいる。(2009年5月28日付プレスリリースより)

-上海汽車(SAIC)傘下の東華汽車実業有限公司(Donghua Automotive Industrial Co.)と中国・南京(Nanjing)に生産拠点を開設することで基本合意した。この拠点では、中国国内市場向けに、乗用車・商用車用ブレーキキャリ パー、ブレーキディスクの鋳造・機械加工を行う。工場施設・設備の購入に8.5百万ユーロを投資する計画。稼働開始は2010年初旬を予定。同社は、この 工場の運営を目的に、完全子会社の布雷博鋳造(南京)有限公司(Brembo Foundry Nanjing Co. Ltd.)を資本金100百万元(約10百万ユーロ)で設立。2011年から2014年にかけて、同工場にさらに約20百万ユーロを投資する。また、既存 合弁会社の布雷博(南京)制動系統有限公司(Brembo Nanjing Brake System.)も、この4年の間に20百万ユーロの追加投資を行い、生産能力を増強する。この会社への出資比率は、同社が70%、Donghuaが 30%。これらの投資計画により、中国におけるブレーキディスク、ブレーキキャリパーの生産規模が、現行の3倍に増強される見込み。両社は今回の新規事業 に関し、2010年1月15日付で正式合意する見通し。(2009年12月1日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発活動

-ディスク分野では、ブレーキディスク部門内のディスク技術ユニットで現在いくつかの戦略的プロジェクトが実行されている。プロジェクトは新しい鋳鉄や表 面処理の研究によりブレーキディスクの重さや腐食だけでなくブレーキディスクが作り出す塵を減らすことが主な目的。プロジェクトはまたブレーキディスクが 出す音の原因を研究するとともに、ホイッスル音を削減・除去する新合金の発見に焦点を置き、快適性の向上も目的としている。

-システム分野では、電動パーキングブレーキシステムを含むメカトロニクスプロジェクトにおける開発が計画通りに実施された。制御ユニットで管理された電 子ボタンコントロール付き電気機械ブレーキシステムに関係するプロジェクトは、ドライバーの要求を制動力を通じてブレーキに適用し転換。プロジェクトは今 後数年間で従来とは違った開発パートナーとの協力により実行される。

設備投資

-不動産・工場・設備への主な投資は、イタリアにある工場、機械、設備に行われた。(13,390千ユーロ)

-その他の不動産・工場・設備への投資は、子会社Brembo Spolka Zo.o.とBrembo Poland Spolka Zo.o.にそれぞれ4,920千ユーロ、4,544千ユーロ。Brembo Spolka Zo.o.では主に新プラットフォーム購入に費やされた。