Brembo S.p.A. 2007年度の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ) 2007年度 2006年度 増減率(%) 要因
売上高(全社) 911.9 806.0

13.1

要因参照


要因
(1)
-2007年度の売上高は、前年度比13.1%の911.9百万ユーロ。 Hayes Lemmerzの買収によって増加した売上(約8百万ユーロ)が寄与した。この売上のうちほとんどが、米国における自動車用途向け製品によるもの。
商用車事業および二輪車事業は特に好調で、二輪車事業は米国において好調に推移し、その他のセクターも増加傾向を示した。 売上高で最も高い伸びを示したのはブラジルで、36.6%増を記録。同地域はアジアおよびNAFTA諸国と同様、急成長を遂げている。
イタリア国外で計上した連結売上高は総売上高の76.2%を占め、ドイツとイタリアを合わせた売上高は総売上高の48.8%を占める。


受注
-2007年度も重要な供給契約を締結。 新型レクサスISF向けのブレーキシステム供給契約をトヨタと締結。これにより、同社は、すでに他の自動車メーカーへの供給実績を積んできた日本で、高い効率を誇る自動車産業における市場プレゼンスを強化 する。 同社は、BMWグループ向けの自動車ブレーキシステムのサプライヤとして再度選定され、ドイツ国内の人気モデル向けにフロントブレーキシステムを今後数年間にわたって納入する。

-新たに開発したデュアルキャストブレーキディスクが新型Maserati Quattroporte Sport GT Sに搭載。ブレーキディスクは、従来、鋳鉄製のものが大半を占めていたが、昨今では、レースカーをはじめとする高性能車種向けに、複合素材(カーボンセラミック:CCM)のディスクが装備されるようになっている。(2007年9月11日付プレスリリースより)


合弁事業
-2007年9月、Sabelt SpAと、自動車および二輪車向け部品・特注アクセサリー事業分野での統合・拡大を視野に、趣意書を取り交わした。Sabelt SpAは、レーシング用シートベルト、チャイルドシートなどの大手メーカー。両社は合弁により、2007年末をめどに新会社「Brembo Performance SpA」を設立する予定。新会社の本社所在地はCurno (Bergamo近郊)。新会社に統合されるのは、Sabelt Spaのレーシング用、チャイルド用安全製品事業(売上高1,600万ユーロ:2006年実績)とBremboの高性能自動車/二輪車用ブレーキ事業(売上高1,200万ユーロ:2006年実績)。Bremboは、Brembo Performance SpAの筆頭株主として、株式70%を保有する。合弁事業は、Moncalieri (伊トリノ) およびZilina (スロバキア)にあるSabelt の既存生産工場、ならびにBremboの複数工場が合弁事業の実質的運営にあたる。(2007年9月6日付プレスリリースより)


企業買収
-2007年11月、米国を本拠とするHayes Lemmerzのブレーキ部門の買収契約に調印した。 新たに買収 した事業はブレーキディスクの機械加工における最大手のサプライヤーで、北米の大手自動車メーカーおよび部品メーカー数社に製品を供給する。
同事業は子会社のBrembo North America Inc.が引き受け、Homer(ミシガン州)とApodaca(メキシコ)にそれぞれ本拠を置くHayes Lemmerzの子会社2社の株式100%を取得している。

開発動向

研究開発費
-グループ内の従業員のうち9%が研究開発業務に従事し、グループ総売上高の約5%を超える費用を研究開発費として計上。

研究開発組織
-R&DセンターがStezzano市(ベルガモ州)にある科学技術パーク「Kilometro Rosso」に移転し、2006年末に稼動を開始した。同センターは、メカトロニクスとセンサー技術に関する研究開発を行う。
R&Dセンターには、BremboとDaimlerが設立した合弁事業であるBrembo Ceramic Brake Systemsの研究所も設置されており、ここでは、スポーツカーモデルに特化して搭載されるセラミックブレーキディスクの開発・製造を手がける。

2007年度に推進された主たる研究開発案件
-2007年9月、イタリアの顧客向けに「co-castディスク」の量産が開始された。 これは、同社の鋳鉄に関するノウハウとアルミの使用に関するノウハウを組み合わせた新概念のディスクで、鋳鉄製ブレーキ表面によって最高の 制動性能を発揮し、アルミハットによって軽量化を実現する。 現在、この製品以外に、さらに5つの用途向けプロジェクトを欧州および米国の顧客と共同で進めている。
2007年、鋳鉄ブレーキディスク用の新合金に関する組織的研究に着手した。この合金を採用することで「消音」効果が得られるため、将来ブレーキ音を改善することができる。

設備投資

(単位:百万ユーロ) 2007年12月 2006年12月
合計 41.1 41.5

-不動産、工場、設備への、投資額は41.1百万ユーロ。

-これ以外の主な投資は、子会社Brembo Spolka Zo.o.およびBrembo Poland Spolka Zo.o.で実施され、投資額はそれぞれ7.3百万ユーロ、8.2百万ユーロ。これらの投資は増大する需要に対応するために特定の処理段階を内製化するという決定を受け、製造機器を中心に実施された。