Tomkins 2006年度の動向

ハイライト

業績

百万ポンド 2006年度 2005年度 増減率 要因
連結
売上高 3,124.6 2,948.4 6.0%

-

営業収入 295.9 297.9 (0.6%)
工業及び自動車(I&A)部門  
売上高 2,163.6 2,064.6 4.8%

(1)

営業収入 240.8 244.6 (1.5%)

(1)
パワートランスミッション事業部

製品投入の成功と、市場の拡張で欧州、アジア、南米地域の売上及び利益は伸張。
北米では、ビックスリーの大幅なカットバックにより自動車OE市場向けの売上げが低迷。
傘下のStackpoleの業績は、北米OE向け納入量の減少や、ベースメタルの高騰による原材料費増加の影響を受けた。

フルイドパワー事業部
欧州の工業製品市場が堅調に推移したことに加え、2005年7月に買収が完了したEifeler Machinenbau事業が通年で売上げに計上されたことで、売上げは増加。インド及び東南アジアでは新規受注、新規産業分野への業務拡大もあいまって二桁成長。北米では、年度半ば以降大手建機メーカーが発注量を落としたため、OE向け油圧機器の売上げは鈍化。

フルイドシステム事業部
同事業部は、自動車OEメーカーの受注減とTREAD法(米国リコール強化法)導入の遅れによる繰り延べ歳入、並びに原材料費の高騰などマイナス要因の影響を受けた。

傘下のSchrader Electronicsは2006年9月から開始した大幅な増産基調が継続し第4四半期の間は好調。
生産量は、年初と比べ現在は倍増した。
・2009年開始予定の新モデル向けに最新の"スナップイン"技術製品を受注。
・加えて、BMWから二輪車用にリモートタイヤ空気圧モニターシステムを初受注。>>>"受注"

その他工業及び自動車部品事業部
Dexter Axleは価格圧力及びアジアからの輸入製品との競合などの影響を受けた。

Dearborn Mid-Westは高利益の大型運送機器の受注に支えられ好調に推移。自動車製品の新規受注はビッグスリーの低迷の影響を受けたため、当該事業部の受注バランスは変化。

2005年度に開始した製品計画が実を結び、Plews事業は好転。

Idealは中国・蘇州工場開設により、成長市場での事業が伸張。一方でニッケルをはじめとするベースメタル価格高騰の影響を受けた。

企業買収
(1) 2006年7月、 Gates Winhere LLC.の株式60%を取得。Gates Winhereは、子会社を介して、中国のウォーターポンプメーカーの事業及び資産を4.7百万ポンドで取得した。

(2) 2006年8月、NZED Fleximak Ltd.の全株式を15百万ポンドで取得。Fleximakはペルシア湾岸地域のフレキシブルフルイドトランスファー製品のエンジニアリング、加工、検査、サービスなどのサプライヤー。

受注
- 2006年5月、Schrader Electronicsは初のタイヤ内蔵型検知システムに関する開発及び販売契約をPirelli社と締結した。これは、タイヤの中に直接組みこまれ、識別データや温度、空気圧を読み取ることができるシステム。システムの中枢を成す小型センサーは、自己発電機能があるため、バッテリーが不要。主としてOE向けに生産される同システムは、パンク後のフラットタイヤの走行パラメーターの最適管理ができるため、特にランフラットタイヤ用に適している。両社が開発したセンサーも現在市場にある"車載型"直接電子TPMSと比べ、コスト面、技術面で優位性の高い代替製品でもある。

- 2006年7月、Schrader Electronicsは、BMW Motorcycles社からリモートタイヤ空気圧モニターシステム部品(RTPMS)の新規大口受注を獲得した。今回の二輪車用システム部品はSchrader Electronicsにとって、同社RTPMS関連での最新製品となる。本受注契約の下、2006年末よりSchrader社のリモートタイヤ空気圧モニターシステム部品がBMW製二輪車の25%に搭載される。

- 2006年8月、Schrader Electronics製のスナップ・イン製品が北米において今後生産されるFordのプラットフォームに採用された。Schrader社はタイヤ空気圧センサー技術とゴム製”スナップ・イン”バルブを組み合わせたタイヤ空気圧監視システム(TPMS)を開発した。この特許TPMS製品を使用することでホイール・リムを容易に、かつ迅速に組み立てられ、自動車メーカーにとっては大きな利点となる。

- 2007年1月、Schrader Electronicsは、欧州ならびに北米で広く認知されている世界最大級のカーメーカーからタイヤ空気圧モニターシステム部品(TPMS)の新規大口受注を獲得した。この度の受注はSchrader社が新開発したスナップ・イン・バルブタイプのセンサー、および無線自動探知システムを含むもので、受注先メーカーの2009年式車から2011年式車の全車種に搭載される。

地域拡大
パワートランスミッション事業は奇瑞(Chery)、華晨(Brilliance)から初受注し、中国における売上げが伸張。また、同部門は韓国で現代から受注。これにより、現代が、アジア地域での最大取引先となった。

インドでは、フルイドパワー事業の売上げが市況に呼応して伸張。また、パワートランスミッション事業では現地メーカーが集中するチェンナイで新工場の建設を開始。

パワートランスミッション及びフルイドパワー製品のアジアでの売上は、現在全売上の17%を占める。

開発動向

研究開発費用

(ポンド) 2006年 2005年 2004年 2003年

研究開発費

5,280万 4,670万 5,130万 5,860万

製品開発
Stackpoleでは可変式ベーン技術オイルポンプや、新型6速トランスミッション用キャリアシステムを順調に投入。また、Gatesが、Stockpole技術を利用した可変式べーンオイルポンプを欧州で初受注するなど、新規顧客開拓も好調。 また、韓国のOEメーカーとも共同開発を開始した。

Schrader Electronicsでは、最新の"スナップイン"バルブセンサーや、ワイヤレスオートロケーション技術が欧州、北米の大手OEメーカーから約90百万ポンドの受注。
また、同社のRTPMS技術は、某カーメーカーの2009年から2011年に発表される新型モデルすべてに搭載されることが決まっている。

設備投資

パワートランスミッション事業

・中国蘇州に56,000平方フィートの工場を開設。産業・自動車部門では、低コスト国での工場が全体の1/3を占める。
・今後の市場開拓に向け、2006年にロシアで販売拠点を設置。
・チェンナイで新工場の建設を開始。