MICHELIN (Compagnie Generale des Establissements Michelin S.C.A.) 2014年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2014年12月期 | 2013年12月期 | 増減率 (%) | 要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 19,553 | 20,247 | (3.4) | 1) |
営業利益* | 2,170 | 2,234 | (2.9) | |
乗用車・小型トラック用タイヤ部門 | ||||
売上高 | 10,498 | 10,693 | (1.8) | - |
営業利益* | 1,101 | 1,086 | 1.4 | |
大型トラック用タイヤ | ||||
売上高 | 6,082 | 6,425 | (5.3) | - |
営業利益* | 495 | 503 | (1.6) |
要因
1) 2014年12月期の売上高は前年比3.4%減の19,553百万ユーロ。
- 価格変更に伴う減収分は449百万ドル(2.2%減)
- 価格調整により596百万ドル減収、このうち35%は原材料価格に基づくインデクセーション制度を適用したことが影響。
- 為替差損の影響は304百万ドル(1.5%減)
- 米国のトラックタイヤディーラーSniderを連結対象外にしたことと、8月にブラジルのデジタルフリート管理大手Sascarを買収した影響による減収分は75百万ユーロ(0.4%減)
- 市場全体が不調だったにもかかわらず販売本数が増加、134百万ドル(0.7%増)の増収を計上し、MICHELINブランドの底堅いパフォーマンスを証明した。
- 製品ミックスの改善により147百万ドル増収、とくに乗用車・小型トラック部門におけるMICHELINブランドのプレミアム戦略が功を奏した。
-2015年は乗用車・小型トラック部門およびトラック部門とも北米、中国、欧州で需要の伸びが続くと見られるが成長率は鈍い。新興市場は前年のトレンドを維持し、東南アジア市場は回復する見込み。
-2015年の目標は営業増益、資本利益率 11%超、フリーキャッシュフロー 約700百万ユーロ、設備投資 1,700-1,800百万ユーロ。
米国新工場
-2014年11月20日、世界初のエアレスラジアルタイヤ 「MICHELIN TWEEL」 を製造する工場をサウスカロライナ州Piedmontに開設、面積は135,000平方フィート。同社にとって同州で10番目、米国で16番目の工場となる。投資額は約50百万ドル。ブラジルでの買収
-ブラジルのデジタルフリート管理・貨物セキュリティ会社Sascarの株式100%を取得。2014年8月29日付で買収、取引額は1,600百万レアル(約520百万ユーロ)で、Sascar Participações S.A.と関連会社の全株式を取得した。Sascarの2013年従業員数は870名、売上高は280百万レアル(約91百万ユーロ)。ブラジル大手企業で、33,000台のフリート管理、190,000台のトラックを保有。Michelinはブラジルにおけるフリート管理事業の拡大とトラックタイヤ事業の加速度化を図り、SascarはMichelinの販売網を通じて南米における主要顧客へのアクセスが可能となる。中国事業戦略
-2014年11月10日、同社の中国・瀋陽工場において、今後10年間に中国事業を2倍以上に拡大すると表明。目標達成に向け、トラック向けタイヤ製品をMICHELINブランドで供給する。-11R22.5 X Coach Energy Z 中国向けバス用タイヤ: XZA2+Energyのアップグレード版で、2014年初に発売した295/80R22.5 X Coach Energyの後継シリーズ。長距離バス向けに高水準の安全性を提供する (2014年9月16日付各種リリースより)
-2014年11月12日、Michelinは中国で公共バス用タイヤソリューションを提供すると発表した。中国の公共交通業者向けにオーダーメードの順其行 (X INCITY) シリーズタイヤおよびタイヤのマネジメントサービスを提供する。(2014年11月24日付け各種リリースより)
受注
-静粛性と転がり抵抗の低減を追求したプレミアムタイヤ 「ミシュラン・プライマシーLC」 が、日産自動車の新型 「ティアナ」 に新車装着タイヤとして採用されたと発表した。(2014年2月26日付日刊自動車新聞より)-2014年6月から世界四大陸で発売されるVolvoの新型 「S60」 および 「V60 Polestar」 に、同社の超高性能タイヤ 「MICHELIN Pilot Super Sport」 が標準搭載されると発表した。タイヤサイズは245/35 R 20。また、冬用タイヤとしては、「MICHELIN Pilot Alpin 4」 および 「X-Ice North 3」 が推奨される。(2014年4月9日付プレスリリースより)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2014年12月期 | 2013年12月期 | 2012年12月期 | |
合計 | 656 | 643 | 622 |
新製品
-MICHELIN Premier A/S, EverGrip技術採用: 自己再生タイヤで常時安全、摩耗にも対応 (2014年1月15日にデトロイト・モーターショーで発表)
-MICHELIN X LINE Energy 80シリーズおよび65シリーズ: 安全性とモビリティを向上、3PMSF認証取得。静粛性が高く、315/80 R 22.5サイズで69デシベル、385/65 R 22.5サイズで70デシベル。ISO 14001認証を取得している欧州工場で製造 (2014年3月21日発表)
-MICHELIN X MULTI ラインをアジアで発売: あらゆる顧客ニーズに対応可能なサイズやポジションを展開 (2014年10月7日発表)
設備投資
設備投資費 |
(単位:百万ユーロ) |
2014年12月期 | 2013年12月期 | 2012年12月期 | |
全社 | 1,883 | 1,980 | 1,996 |
-生産能力増強、生産性向上、製品ライン刷新などのプロジェクトを下記拠点で実施:
- 乗用車・小型トラック用タイヤ: Itatiaia (ブラジル)、Columbia (米国サウスカロライナ州)、瀋陽 (中国)、Olsztyn (ポーランド)、Cuneo (イタリア)、Pirot (セルビア)、タイ
- トラック用タイヤ: 瀋陽 (中国)、Chennai (インド), Campo Grande (ブラジル)