Hutchinson SA 2006年度の動向

ハイライト

業績

単位:百万ユーロ 2006年度 2005年度 増減 コメント
売上高 2,932 2,800 +4.7% 自動車部門を取り巻く市場環境は、北米・欧州とも芳しくなかったものの、4%の売上増をマーク。南米、中欧、アジアなどの市場の好調が主因。なお、自動車部門の売上げは全社売上げの61%。


自動車部門ハイライト:
<フルイドトランスファーシステム/Fluid Transfer Systems>
低圧製品:BMWと大型商談成立
2006年、低圧フルイドトランスファー製品(Low Pressure Fluid Transfer Systems)に関してBMWグループと多くの契約が成立。まず5シリーズおよび7シリーズのプラットフォーム用、次いで、X5モデルのエンジン冷却用として大型受注。エアサーキットの受注も多く、Renault Meganeの後継車と、PSAの2リッターエンジンHDI向けに搭載。さらに樹脂製フューエル管がFiatの新車Bravoに搭載。

高圧製品:初のグローバルベースの受注
2006年度の高圧製品分野ではRenault Meganeの後継車向けにエアコン製品を受注。また、メキシコ、中国、欧州、米国で生産される新型GM Vectra用のエアコンサーキットのサプライヤーに指定された。アメリカでは、新型低圧製品の大手顧客はGMとHondaで、それぞれAccordとPilot向けのエアコン用に採用。ブレーキ関連の高圧製品では、Renault Twingo、Peugeot 307とGM Vectra用として交換用サーキットを供給。

パーティキュレートフィルター:市場地位の強化
パーティキュレートフィルターファンクション(PFF)の大手サプライヤーとしての位置を確立。また、欧州とアジアでの市場地位も強化。RenaultからはMeganeの後継車用として、また韓国のHyundaiおよびDaewooから大量受注。

LINKEO(R)とシリコンホース
2006年はLINKEO(R)デカップリングコイルが、大型トラック、バス、農業用機械などの産業用製品として脚光を浴びた。テスト結果待ちの受注見込みも含めて相当量の注文を獲得。シリコンホースの売上げも大型トラックとトラクターの需要増により大幅に伸張。Iveco、John Deere、Agco、DaimlerChryslerとLiebherrがサイズの制限と作動温度の上昇対策に適した製品としてシリコンホースを採用。

<シーリングシステム/Sealing Systems>
精密シール製品:成長市場における地位を確立

精密シール製品も引き続き好調。ポーランドのLodz市にある工場では、販売量の倍増に応えて工場施設を増強。東欧では、さらにルーマニアで工場が完成する予定。建設は2006年半ばにすでにスタート。その他の新興国ではEnsenada(メキシコ) Monte Alto(ブラジル) 蘇州(中国)に生産工場を保有。

メカトロニクスとTPE:新規技術製品ライン
オイルシールの分野では、電磁弾性エンコーダシールが前年と同様、好調。こうした「情報」部品は、ABSやESPなどのシステムの最適機能を確保しつつ速度や運動情報を伝達することが可能。熱可塑性エラストマー事業も同様に好調に推移。熱可塑性エラストマーは、メカニカルな特性とゴム独特の伸縮性を共に備えている。TPEのスクラップは製造工程でリサイクルできる一方、装着も容易。

車体シール部品:欧州メーカーとの協働が成功
車体シール製品は、RenaultおよびPSAへの納品が増えて市場占有率を増大。Lodzのポーランド工場ではVWに隣接するという地の利を得て、VWから大量注文を獲得。一方、ルーマニアのBrasov工場ではRenault DaciaのLogan向けに設計された車体シール部品を供給。

シーリング材:2件の大型トラックへの供給契約
LFJではRenault Magnumトラックのキャビンを接合するシーリング材の供給契約を締結。この製品は摂氏80度ないしは120度でわずか8分後にオイルバスを使用した熱処理もしくは赤外線による加硫処理を受ける。こうして節約された時間は実質的な生産性向上に貢献。
もうひとつの成果は、Fiatプロジェクトの獲得。これはFiat Grande Puntoを伸張性のあるシーリング材を使用してセダンに改造するもの。同モデルは、2007年からブラジル、トルコ、中国で合計9万台製造される予定。

<防振・防音・断熱>
南米とアジア:成長への中間点

欧州・北米での販売量の落ち込みと、材料費の高騰と販売価格圧力があいまった市場不況の中で、Paulstraは自動車用防振部品市場で販売量のレベルを維持。
欧州では、Peugeot 207、Toyota Auris、新型Ford Mondeo、Land Rover Freelander、新型Suzuki Wagon R及びVolvoの数種類の車種に関するプロジェクトが進行中。
北米ではPaulstraが新規防振・防音ソリューションと合わせて搭載。当該モデルは;GM各車種、BMW X5、Ford Fusion、Mercury Milan、Dodge Nitro、Jeep LibertyそしてWranglerなど。
欧州・北米が不況な中で、南米とアジア市場が売上げの増進を担う大きなの要因。例えば、アルゼンチンではPaulstraが現地で販売好調のToyota Hilux向けに多くの補完部品を提供する契約を締結。アジア市場は特に活発で、中国で生産されるFord FocusやDaewoo WindstormほかSsangyong Rextonに部品を提供。

低コスト国に購買部門を設置
コスト低減をはかりながら、サプライヤーを増やすために、Paulstraは購買組織を改革。中国の購買拠点開設は、東欧と南米に既存する拠点を補完するもの。穿孔、冷間圧造、アルミ低圧鋳造などの分野で低コストサプライヤーを探し出すことが同社の目標。

<トランスミッションとモビリティー製品>
トランスミッション製品、性能向上・耐久力増加そして静粛性
自動車と大型トラック市場で売上げ増加は、新規開発EPDMの「防音ベルト」の成功によるもの。この製品は、25万キロ以上の優れた耐久性があるが、すぐれた静粛性が特徴。

設備投資

単位:百万ユーロ 2006年度 2005年度 2004年度

資本支出

137 136 118