Mahle GmbH 2009年度の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2009年度 2008年度 増減率(%) 要因
売上高 3,864.0 5,013.7 (22.9) -
純利益
(379.3) 21.8 - -
セグメント別売上高
エンジンシステム・部品 1,678.6 2,594.5 (35.3) 下記 1)
フィルター・エンジン周辺機器 1,131.2 1,303.5 (13.2) 下記 2) 

 

要因
1)
エンジンシステム・部品
-自動車産業の不況により当部門の売上げはすべての地域で大きく減少。2008年第4四半期に急激な落ち込みの後、2009年前半は回復の兆しはみられなかったが後半にはかなりの好転がみられた。
-後半に売上げが増加した要因は、クライスラーとGMが破産状況から脱却した後の北米での小幅の改善、ブラジルやアジアの一部での好況、加えて、わずかながら高級車メーカーの経営状況の改善など。

2) フィルター・エンジン周辺機器

当部門の売上げも昨年と比べ全ての地域において減少。
北米と欧州は自動車の需要減の影響をもっとも強く受けた。アジアと南米は年初の数ヶ月 ははかばかしくなかったが、後半になると販売は上向いてきた。しかしながら、これら地域の好況は、2009年初頭の世界的な停滞やその後年間を通して継続 した北米市場の不振を挽回するには不十分であった。

 

受注

-Bosch Mahle Turbo Systemsは排ガスターボチャージャー を初受注。小型ガソリンエンジンおよびコモンレール式ディーセルエンジンに採用される。同社はStuttgart(ドイツ)に開発拠点を、 Blaichach/Immenstadt(ドイツ)とSt. Michael(オーストリア)に生産拠点を保有している。現在、乗用車・小型商用車用ターボチャージャーシステムを開発中。2011年末から本格生産を 開始し、年間約100万台の供給を目指す。(2010年3月29日付プレスリリースより)

 

企業買収

-KTM-Kuhler GmbH(オーストリア)から自動車部品部門を買収する契約を締結。対象となるのは同国Mattighofen工場における油-水熱交換器事業で、売上高は約15百万ユーロの規模。(2009年10月26日プレスリリースより)

 

-MahleはBehrのドイツ子会社Behr Industry GmbH & Co. KGの株式60%を取得することで両社が合意。Behr Industryはドイツと米国に計5ヵ所の拠点を保有し、バス用のクーリングシステム、エアコンシステム等を生産している。2008年の売上高は約 206百万ユーロ。今回の取引に伴い、Behr Industryの社名は「Mahle Behr Industry」に変更される予定。(2010年2月4日付プレスリリースより)

 

リストラクチュアリング

-MAHLE はピストンシステム部門の生産再編の一環として、2009年6月末でドイツAlzenau工場を閉鎖する計画。この工場は、2005年から2009年現在 までの累積赤字が約70百万ユーロに達している。同拠点は、乗用車のガソリンおよびディーゼルエンジン用ピストンの塗装・機械加工を行ってい る。(2009年3月26日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2009年度 2008年度  2007年度
全社 246.5 285.9 277.7

 

研究開発体制

研究開発は下記8拠点
-Stuttgart (ドイツ)
-Northampton (英国)
-Farmington Hills (米国・デトロイト近郊)
-Novi (米国・デトロイト近郊)
-Jundiai (ブラジル・サンパウロ市)
-埼玉県川越市(日本)
-埼玉県桶川市(日本)
-Shanghai(中国)

-2008 年6月にブラジルのJundiai(サンパウロ近郊)に技術センターを新設。R&D機能を備えた同センターは、研究棟や試験施設などで構成され、 総建屋面積16,800 m2。この新規技術センターでは、研究・開発機能を保有するほか、南米向けのエンジニアリング業務や販売業務も担う。約260名体制で、ブラジル国内外の 自動車メーカー及びエンジンメーカー向けに包括的なサービスを提供。(2008年6月26日付プレスリリースより)

製品開発

 エンジン小型化
燃費ならびに排出ガスの30%削減が可能なエンジン。展示車両に搭載を計画。

ターボチャージャー
排気ターボにより小型エンジンの性能とトルクを向上。

ウェイストゲイトアクチュエーター
ターボチャージャー用アクチュエーターの高速化と制御精度の高度化により燃料消費を軽減。

CamInCam® カムシャフト
燃料消費は3~5%削減、トルクと性能は約10%向上。

シリンダー休止(非活性化システム
性能ロスなしで燃費を最大10%節減。.

MONOTHERM® スチール製ピストン、軽量バルブ
摩擦ロスとエンジン部品の消費エネルギーを削減M。

ローラーベアリング付きカムシャフト
小口径のニードルベアリング付きカムシャフトを使用することによって摩擦を減少。

ペンデュラム・スライダーオイルポンプ
需要に応じてポンプ性能を制御することによって燃料消費を削減。

樹脂製トランスミッションオイルフィルターモジュール
樹脂製オイルフィルターとトランスミッションオイルクーラーの組み合わせ。

ガソリンエンジン用EGRバルブ
冷却EGRはNOxの排出を最小化し、燃料消費を減少させる。

回転式チャージエアバルブ
新たに開発した回転式排気ガスフラップのついたEGRによりNOxの排出を減少。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
セグメント 2009年度 2008年度
エンジンシステム・部品 87 266
フィルター・エンジン周辺機器 55 85

 

セグメント別設備投資

<エンジンシステム・部品>
-事業再構築プロジェクト、新規顧客対応、先進技術、合理化計画に関連した設備投資。
市場動向の 悪化に対応して設備投資額は売上げの4.5%に抑制。事業再構築関連の投資はメキシコが中心でピストンリング、ベアリング、シリンダーライナーの生産が目 的。成長を続ける中国では、ピストンとコンロッドの生産能力を増強。さらに、同じく成長するインド市場では、カムシャフトの生産能力の拡大が必要となっ た。

<フィルター・エンジン周辺機器>
-55百万ユーロ、売上げ費4.4%の当部門の設備投資は、現行ならびに新規 顧客向けプロジェクトのための施設・設備が中心。重点となるアジアでは、特定の顧客向けプロジェクトに伴う建物の拡張など。また、欧州においては、西欧市 場が依然として停滞しているため、投資の大部分がSt. Michael/Austriaにおける工場建設、新製品の立ち上げに向けられるなど、市場動向を反映しない形の投資が行われた。 さらに生産やロジスティックスにおける工程最適化のためにも充てられた。メキシコのSanta Katrina 工場は北米生拠点の最適活用という観点からNAFTA地域の生産統合をはかるため拡張された。

MAHLE Filter Systems India Ltd (MFSI)は60百万インドルピーを投資し、インドのParwanooに第2工場を開設。新工場では、ポリウレタンフォームやプラスチックを使用した フィルターエレメント、潤滑油用スピンオンフィルターを製造。フィルターの年産能力は22百万個の見込みで、Tata Motors、Mahindra & Mahindra、GM、Boschなどに供給する。2010年2月までに稼働開始し、年間売上は500百万ルピーを計画しているという。 MFSIはMAHLE GroupとAnand Automotive Systemsによる合弁会社で、Parwanooに加えて国内のGurgaonとPuneにも1工場ずつ保有している。(2009年8月22日プレスリ リースより)