Magneti Marelli S.p.A. 2015年12月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
2015年
12月期
2014年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 7,262 6,500 11.7 1)
EBIT 321 229 40.2 2)


要因
1) 売上高
-2015年12月期の売上高は、前年比11.7%増の7,262百万ユーロ。主な要因は、照明および電子システム事業の業績改善によるもの。

2) EBIT
-2015年12月期のEBITは、前年比で40.2%増の321百万ユーロ。売上高の増加、費用削減および効率化が奏功した。

合弁事業

-同社は、自動車部品市場を中心に投資を行う中国の投資会社Changchun Fudi Equipment Technology Development (FUDI) と自動車用ランプの生産・販売を行う合弁会社を設立すると発表した。新会社「Changchun Magneti Marelli Automotive Lighting System Co., Ltd.」への出資比率は、同社傘下のAutomotive Lighting Reutlingenが60%、FUDIが40%となる。生産施設は、吉林省・長春 (Changchun) の経済技術開発区に位置し、中国東北部に拠点を持つ自動車メーカー向けに納入する予定。ハロゲン、キセノン、LEDをベースとしたヘッドランプやリアラン プなど自動車用ライティングシステムを生産する。工場は2016年第1四半期に完成し、2017年第1四半期に生産を開始する予定。敷地面積は 48,000平方メートルで、工場面積は23,300平方メートル。フル稼働時の従業員数は約800名を見込んでいる。(2015年12月21日付プレス リリースより)

-同社は、Maruti Suzukiおよびスズキとの合弁会社であるMagneti Marelli Powertrain Indiaが、インドのManesarで自動マニュアルトランスミッション (AMT) の生産工場を開設したと発表した。面積は7,500平方メートルで、生産ラインとオフィスを備える。フル稼働時には従業員約115名を雇用し、AMTの生産能力は年間28万セットを見込んでいる。同社のAMTは、インドにおいてMaruti Suzuki 「Celerio」および「Alto」、Tata 「Nano」および「Zest」などに搭載されている。(2015年10月19日付プレスリリースより)

-Magneti MarelliとFaureciaは、両社のブラジル合弁会社が自動車用内装・外装部品の生産を開始したと発表した。同国のペルナンブーコ州Goiana に位置するFiat Chrysler Automobiles (FCA) の新工場で生産される車両向けに生産する。新会社「FMM Pernambuco Componentes Automotivos Limitada」にはMagneti Marelliが過半数の65%、Faureciaが35%を出資。長期的に年間売上高200百万ユーロ超を目標としている。同合弁会社では、インストパ ネル、コックピット、センターコンソール、ドアパネルなどの内装部品のほか、バンパーやスポイラーなどの外装部品を生産する。新工場は、Goianaにあ るFCA工場のサプライヤーパーク内に位置しており、「Jeep Renegade」向けに生産を開始した。(2015年5月7日付プレスリリースより)

主な受注

OEM 搭載モデル 製品
BMW 2 Series Active Tourer インフォテインメントシステム、ヘッドランプ(ハロゲンおよびバイキセノン)、LEDリアランプ
Citroen C4 Cactus タッチパッドマルチメディアインフォテインメントシステム、GDI燃料システム用スロットルボディおよびポンプ、AMT用ECUおよび油圧キット
Ford Mondeo LEDリアランプ
Mercedes-Benz C-Class ヘッドランプ(ハロゲン、LEDおよびアダプティブLED)
Volkswagen Passat LEDリアランプ、1.4L FSIエンジン用電動スロットル


-現在同社のAMTギアボックスは、インドにおいてMaruti Suzuki 「Celerio」および「Alto」、Tata 「Nano」および「Zest」などに搭載されている。(2015年10月19日付プレスリリースより)

-同社は、同社が開発した製品がAlfa Romeoの新型「Giulia Quadrifoglio」に複数採用されたと発表した。電子システム分野では、同社の電子制御ユニット「シャシー・ドメイン・コントロール (CDC)」やブラックパネルの8.8型TFTディスプレイが搭載されている。ライティングシステム分野では、同モデル向けにヘッドランプおよびリアラン プを生産している。パワートレイン分野では、510HPの3.0L 6気筒ツインターボガソリンエンジンに、同社の電動スロットルおよびインテークマニホールドが採用された。さらに、フロントおよびリアサスペンション用部品、エキゾーストシステム、ペ ダルボード、プラスチック部品なども同モデル向けに生産している。(2015年9月15日付プレスリリースより)

-同社のAutomotive Lighting部門とAudiは、Audi 「TT3」向けにフルLEDスマートヘッドランプを共同開発した。防眩ハイビームライト「Matrix」を特徴とし、フロントガラスの裏に設置したカメラ が12個のLEDを個別に制御する。この機能とECUを用いることで、対向車や先行車に向けてLEDのオン・オフを自動で切り替えられるという。 (2015年4月1日付プレスリリースより)

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
2015年12月期 2014年12月期 2013年12月期
全社 334 390 359



技術提携

-同社は、自動車へのAndroidプラットフォーム搭載促進を目指すアライアンス「Open Automotive Alliance (OAA)」への参加を発表した。同社は、2016年末までにAndroid機能を搭載した車載インフォテインメントシステムを製品化し、自動車メーカーに納入するとしている。(2015年5月29日付プレスリリースより)

-2015年ミラノ国際博覧会において、Fiat Chrysler Automobilesは低燃費・低排出ガス車105台を提供した。このうち「500L」モデルのメタンガス車50台に、同社のテレマティクスボックス「T-BOX」が搭載されている。これらの車両は今後半年間、ミラノにおいてさまざまな国の代表団専用のカーシェ アリングサービスに使用される予定。同社のテレマティクスボックスは、車両位置に関してサービスセンターとの通信を可能にするほか、ドアの開閉、スマートフォンアプリを通じたユー ザー認証、車載システムデータの読み取りなどの機能を有しており、車両の状態に関してリアルタイムの情報を提供することができるという。(2015年3月 30日付プレスリリースより)

海外投資

<中国>
-同社は、1,100百万元を投じて生産拠点を建設することで、先ごろ吉林経済技術開発区 [Jilin Economic & Technological Development Zone] と投資契約を結んだ。生産拠点の敷地面積は10万平方メートル。主にFAW-VW、Audi向け自動車ランプを生産する。2015年下半期に着工し、 2017年に稼働開始の予定。2020年には年間生産高2,000百万元を目指す。生産開始後はその他の自動車部品の生産も計画している。(2015年7 月13日付け各種リリースより)

-Magneti Marelliは、中国事業の拡大を進めている。湖北省の孝感 (Xiaogan) 市にライトシステムの新工場を開設したほか、広東省の広州 (Guangzhou) 市にある電子システム工場を拡張した。孝感に開設した新工場「Hubei Huazhong Magneti Marelli Automotive Lighting Co. Ltd.」は、中国南方工業集団 (CSI) との合弁会社。当初の年産能力はヘッドランプ50万ユニットで、まずFord 「Taurus」向けとなる。2019年にはヘッドランプとリアランプをそれぞれ年間250万ユニット生産する計画。新工場は、納入先である長安グループや神龍汽車、東風ホンダなどの拠点近くに位置している。初期投資額は14百万ユーロで、今後5年間で投資額を約3倍にする計画。また、同社は広州の電子シ ステム工場の拡張に22百万ユーロを投じた。現在の生産能力は電子モジュール350万ユニットで、2019年には1,000万ユニットに達する見込み。納入先には長安PSA、神龍汽車、PSA、一汽大衆、吉利汽車、広州汽車、広汽菲亜特 (GAC-Fiat)、上汽通用五菱汽車、観致汽車、上海汽車、上海VW、スズキ、上海GM、比亜迪汽車 (BYD) が含まれる。(2015年4月15日付プレスリリースより)

<米国>
-同社は、Automotive Lighting向け設備である米国テネシー州のPulaskiの工場を拡張すると発表した。現在の施設に約80,000平方フィート拡張する計画で、450名の新規雇用が見込まれる。2015年末までに拡張を完了する予定。(2015年4月14日付プレスリリースより)