Magneti Marelli 2008年12月期の動向
ハイライト
業績
注: 2008年事業区分を再編成した。「サスペンション部門」を、「サスペンション部門」と「ショックアブソーバー部門」の2つに分割。
事業部門別の活動状況
1) 照明部門
-2008年度の売上高は前年度比5.6%減の1,524百万ユーロ。
-売上減の要因は、世界金融危機、原油価格の高騰、また2008年下半期の米国市場、2008年後半4ヶ月の欧州、アジア市場の不振。
-テールランプは、不況にもかかわらず販売数が伸長。
-今年度の大きな受注は、Alfa MiToやMercedes、BMW、Opel各種モデル向けのヘッドランプとテールランプを、Volkswagen、Audi、Land Rover向けヘッドライト。
-2008年、「Audi R8」用にフルLEDヘッドランプを開発。
2) エンジンコントロール部門
-2008年度の売上は比較的前年から変動なく933百万ユーロ。米国市場の売上不振と対照的に、GDIガソリン直噴装置、マニフォールドの売上が好調。
-今年度は、Fiat 500、Maserati GranTurismo、ブラジルFIASA向けFreechoiceシステム、新型Fiat Bravo搭載エンジン用マニフォールドおよびLancia Delta用マニフォールド、Grande Punto用天然ガスシステム等の製品を投入。
-今年度の主な受注品は、ブラジル市場での新型Palio、新型Uno搭載のFIRE 1.0リッタ/1.4リッターEvolutionエンジン用システム、欧州、中国、米国、ブラジル市場のGM向けスロットルボディ、Volkswagen向けGDIインジェクター。
3) サスペンションシステム部門
-2008年度の売上高は、前年度とほぼ同じで893百万ユーロ(注: 2008年に事業区分の再編成あり)
-ポーランドでFiat 500、Panda向け製品、ブラジルでFiat向け製品が売上を伸ばした。しかし、2008年4月のG.B. Vico工場の生産中止、メカニカル部品組立事業のFiat Group Automobilesへの移管、下半期のイタリア市場全体の不振によるイタリアでの同社業績不調により相殺。
-今年度投入の新製品は、Lancia Delta、Alfa MiTo、Fiat 500 Abarth向けサスペンションシステム、フォード向けサスペンションシステム一式。
4) ショックアブソーバー部門
-今年度の売上高は、前年度比5.4%増の315百万ユーロ。ブラジル、ポーランドでDucatoやFiat 500向け売上が伸長したことが要因。
-年後半、特に米国市場で売上は鈍化。
-今年度は、Fiat Group Automobiles、Mercedes、PSA、GM等大手顧客から新規受注。
5) 電子システム事業部
-2008年度の売上は、前年比2.5%増の570百万ユーロ。インストルメントパネルの売上は、海外顧客向け営業が伸長し10%増。
-インフォテイメントシステムの製品ミックスが変更したことによりテレマティクスは売上減。しかし、Fiat向けBlue&Meシステムの売上は伸長。
-内装用製品の売上は減少。
-PSA向け次世代ナビゲーションシステム用ハードウェア・ソフトウェア、Fiat、PSA、SAIC向けラジオ/ナビゲーターの開発に注力。
-Volkswagen-Audi、Renault、Citroenの新型車向けにインストルメントパネルを開発。また、PSA、Maserati向けにテレマティクスと互換性のある高解像度ディスプレイの開発にも注力。
-内装用製品では、Fiat向け、ブラジル市場の新型Palio向けに新型車載用コンピュータ、Fiatの新型モデル向けクライメートコントロールシステム、Stop&Startシステム用電子部品、Renault向けドアモジュール、ブラジル市場のVolkswagen向けコンフォートモジュールを開発。
-欧州、中国市場のPSA向けインストルメントパネル、新型Palio向けインストルメントパネルおよび内装製品を受注。
-テレマティクス関連製品では、Fiat BravoおよびCroma向けラジオ/ナビゲーター、PSA向け次世代テレマティクス製品、ブラジルでは「Telematic Box」を受注。
6) エキゾーストシステム部門
-2008年度の売上高は前年度比3.6%増の635百万ユーロ。この売上増は、Fiat 500の需要増の恩恵を受けたポーランドでの業績や、ブラジル、スペイン、アルゼンチンでの外部顧客向け売上が寄与。
-一方、イタリアや中国での売上は前年度比減。
-Alfa MiTo、Lancia Musa, Lancia Delta、Fiat 500やFord向けに排気システム、またEuro5適合の1.4Lターボチャージガソリンエンジン用排気システムの生産を開始。
-複数の国で生産されるGM車向け排気システム一式、ブラジルのVolkswagen向けエキゾーストマニフォールドを受注
合弁事業
-2008年、同社はインドに複数の合弁会社を設立。
-2008年1月、インドのSumi Motherson Groupと、自動車用照明システム、エンジン制御システムを生産するため、インドに合弁会社を設立することで合意。折半出資の新会社を設立する。合弁会社はニューデリー（北部インド）及びプネ（西部インド・マハラシュトラ州）に生産拠点をおき、エンジン用インテークマニホールド、ヘッドランプ、リアランプといった自動車用部品・システムの生産・組立を行う。（2008年1月14日付プレスリリースより）
-2008年2月、インドで自動車用エキゾーストシステムを生産するため2つの現地合弁会社を設立すると発表。1つはSKH Metals Limitedと、もう1つはSKH Sheet Metal Components Limitedと、折半出資による新会社を設立することで合意。SKH Metalsとの合弁会社はグルガオンのマネサール工業団地内に設立する。マネサール新拠点では、エキゾーストシステムの設計・生産・組立・試験を行う。同拠点から供給されるエキゾーストシステムはMaruti Suzuki製の自動車に搭載されるほか、他のSuzuki系列企業にも納入される予定。一方、SKH Sheet Metal Componentsとの合弁会社は、マハラシュトラ州・プネを本拠とする。同拠点ではエキゾーストシステムの設計・生産・試験を行い、Fiat、Tataなど南・西インドに拠点をおく自動車OEM向けに供給する。（2008年2月19日付プレスリリースより）
-2008年6月、Endurance Technologies Pvt.Ltd.とインド及びタイでのショックアブソーバ生産で合弁会社を設立することに合意。折半出資で合弁会社を設立し、2009年第一四半期に操業する。工場は、インドマハラシュトラ州Pune地区のChackanに設立する。また、Endurance Technologiesが拠点を保有するタイ、バンコク近郊にも工場を設立する予定。Endurance Technologiesは、サスペンション、トランスミッション、ブレーキなど自動車部品に特化したアルミダイカストメーカー。(2008年6月14日プレスリリースより）
-2008年9月、Unitech Machines Limitedとの間で、インドに車載電子システムの合弁会社を設立することで同意。合弁会社への出資比率は同社51%、Unitech Machines49%。2009年第1四半期末までに稼動予定で、Gurgaon/Manesar工業団地に生産施設を置く計画。新会社では、インストルメントクラスター、車体主要電子制御システム、テレマティクス装置など車載電子部品の設計・生産・組立を行う。（2008年9月12日付プレスリリースより)
| （単位：百万ユーロ） | 2008年 12月期 |
2007年 12月期 |
増減率（%） | 要因 |
| 全社 | ||||
| 売上高 | 5,447 | 5,000 | (8.9) | - |
| 営業利益 | 93 | 209 | (55.5) | - |
| 部門別売上 | ||||
| 照明 | 1,524 | 1,614 | (5.6) | 1) |
| エンジンコントロール | 933 | 947 | (1.5) | 2) |
| サスペンションシステム | 893(注) | 1,182 | - | 3) |
| ショックアブソーバー | 315(注) | - | 4) | |
| 電子システム | 570 | 556 | 2.5 | 5) |
| エキゾーストシステム | 635 | 613 | 3.6 | 6) |
事業部門別の活動状況
1) 照明部門
-2008年度の売上高は前年度比5.6%減の1,524百万ユーロ。
-売上減の要因は、世界金融危機、原油価格の高騰、また2008年下半期の米国市場、2008年後半4ヶ月の欧州、アジア市場の不振。
-テールランプは、不況にもかかわらず販売数が伸長。
-今年度の大きな受注は、Alfa MiToやMercedes、BMW、Opel各種モデル向けのヘッドランプとテールランプを、Volkswagen、Audi、Land Rover向けヘッドライト。
-2008年、「Audi R8」用にフルLEDヘッドランプを開発。
2) エンジンコントロール部門
-2008年度の売上は比較的前年から変動なく933百万ユーロ。米国市場の売上不振と対照的に、GDIガソリン直噴装置、マニフォールドの売上が好調。
-今年度は、Fiat 500、Maserati GranTurismo、ブラジルFIASA向けFreechoiceシステム、新型Fiat Bravo搭載エンジン用マニフォールドおよびLancia Delta用マニフォールド、Grande Punto用天然ガスシステム等の製品を投入。
-今年度の主な受注品は、ブラジル市場での新型Palio、新型Uno搭載のFIRE 1.0リッタ/1.4リッターEvolutionエンジン用システム、欧州、中国、米国、ブラジル市場のGM向けスロットルボディ、Volkswagen向けGDIインジェクター。
3) サスペンションシステム部門
-2008年度の売上高は、前年度とほぼ同じで893百万ユーロ(注: 2008年に事業区分の再編成あり)
-ポーランドでFiat 500、Panda向け製品、ブラジルでFiat向け製品が売上を伸ばした。しかし、2008年4月のG.B. Vico工場の生産中止、メカニカル部品組立事業のFiat Group Automobilesへの移管、下半期のイタリア市場全体の不振によるイタリアでの同社業績不調により相殺。
-今年度投入の新製品は、Lancia Delta、Alfa MiTo、Fiat 500 Abarth向けサスペンションシステム、フォード向けサスペンションシステム一式。
4) ショックアブソーバー部門
-今年度の売上高は、前年度比5.4%増の315百万ユーロ。ブラジル、ポーランドでDucatoやFiat 500向け売上が伸長したことが要因。
-年後半、特に米国市場で売上は鈍化。
-今年度は、Fiat Group Automobiles、Mercedes、PSA、GM等大手顧客から新規受注。
5) 電子システム事業部
-2008年度の売上は、前年比2.5%増の570百万ユーロ。インストルメントパネルの売上は、海外顧客向け営業が伸長し10%増。
-インフォテイメントシステムの製品ミックスが変更したことによりテレマティクスは売上減。しかし、Fiat向けBlue&Meシステムの売上は伸長。
-内装用製品の売上は減少。
-PSA向け次世代ナビゲーションシステム用ハードウェア・ソフトウェア、Fiat、PSA、SAIC向けラジオ/ナビゲーターの開発に注力。
-Volkswagen-Audi、Renault、Citroenの新型車向けにインストルメントパネルを開発。また、PSA、Maserati向けにテレマティクスと互換性のある高解像度ディスプレイの開発にも注力。
-内装用製品では、Fiat向け、ブラジル市場の新型Palio向けに新型車載用コンピュータ、Fiatの新型モデル向けクライメートコントロールシステム、Stop&Startシステム用電子部品、Renault向けドアモジュール、ブラジル市場のVolkswagen向けコンフォートモジュールを開発。
-欧州、中国市場のPSA向けインストルメントパネル、新型Palio向けインストルメントパネルおよび内装製品を受注。
-テレマティクス関連製品では、Fiat BravoおよびCroma向けラジオ/ナビゲーター、PSA向け次世代テレマティクス製品、ブラジルでは「Telematic Box」を受注。
6) エキゾーストシステム部門
-2008年度の売上高は前年度比3.6%増の635百万ユーロ。この売上増は、Fiat 500の需要増の恩恵を受けたポーランドでの業績や、ブラジル、スペイン、アルゼンチンでの外部顧客向け売上が寄与。
-一方、イタリアや中国での売上は前年度比減。
-Alfa MiTo、Lancia Musa, Lancia Delta、Fiat 500やFord向けに排気システム、またEuro5適合の1.4Lターボチャージガソリンエンジン用排気システムの生産を開始。
-複数の国で生産されるGM車向け排気システム一式、ブラジルのVolkswagen向けエキゾーストマニフォールドを受注
合弁事業
-2008年、同社はインドに複数の合弁会社を設立。
-2008年1月、インドのSumi Motherson Groupと、自動車用照明システム、エンジン制御システムを生産するため、インドに合弁会社を設立することで合意。折半出資の新会社を設立する。合弁会社はニューデリー（北部インド）及びプネ（西部インド・マハラシュトラ州）に生産拠点をおき、エンジン用インテークマニホールド、ヘッドランプ、リアランプといった自動車用部品・システムの生産・組立を行う。（2008年1月14日付プレスリリースより）
-2008年2月、インドで自動車用エキゾーストシステムを生産するため2つの現地合弁会社を設立すると発表。1つはSKH Metals Limitedと、もう1つはSKH Sheet Metal Components Limitedと、折半出資による新会社を設立することで合意。SKH Metalsとの合弁会社はグルガオンのマネサール工業団地内に設立する。マネサール新拠点では、エキゾーストシステムの設計・生産・組立・試験を行う。同拠点から供給されるエキゾーストシステムはMaruti Suzuki製の自動車に搭載されるほか、他のSuzuki系列企業にも納入される予定。一方、SKH Sheet Metal Componentsとの合弁会社は、マハラシュトラ州・プネを本拠とする。同拠点ではエキゾーストシステムの設計・生産・試験を行い、Fiat、Tataなど南・西インドに拠点をおく自動車OEM向けに供給する。（2008年2月19日付プレスリリースより）
-2008年6月、Endurance Technologies Pvt.Ltd.とインド及びタイでのショックアブソーバ生産で合弁会社を設立することに合意。折半出資で合弁会社を設立し、2009年第一四半期に操業する。工場は、インドマハラシュトラ州Pune地区のChackanに設立する。また、Endurance Technologiesが拠点を保有するタイ、バンコク近郊にも工場を設立する予定。Endurance Technologiesは、サスペンション、トランスミッション、ブレーキなど自動車部品に特化したアルミダイカストメーカー。(2008年6月14日プレスリリースより）
-2008年9月、Unitech Machines Limitedとの間で、インドに車載電子システムの合弁会社を設立することで同意。合弁会社への出資比率は同社51%、Unitech Machines49%。2009年第1四半期末までに稼動予定で、Gurgaon/Manesar工業団地に生産施設を置く計画。新会社では、インストルメントクラスター、車体主要電子制御システム、テレマティクス装置など車載電子部品の設計・生産・組立を行う。（2008年9月12日付プレスリリースより)
開発動向
| 研究開発費 | （単位：百万ユーロ） |
| 2008年12月期 | 2007年12月期 | 2006年12月期 | |
| 合計 | 268 | 221 | 217 |
製品開発
1) 照明部門
-フルLEDヘッドランプ技術、バイハロゲンプロジェクションモジュール、LEDテールランプ、LED用フレキシブル回路基板、ライトカーテン、ライトガイド技術の開発に注力。
2) エンジンコントロール部門
-ハイブリッド車、バイオ燃料、低燃費ガソリン及びディーゼルエンジン向け新製品・新技術の開発に注力。
3) 電子システム
-2008年3月、Ford向けに、インダッシュ式車載コンピューターを開発すると発表。Fordではこの車載コンピューターを活用した統合情報システムWork SolutionsRを北米市場で販売する商用車および小型ピックアップトラックを対象に導入する。Work SolutionではSprint Mobileの提供するブロードバンド高速インターネットサービスに接続でき、プリンターなどワイヤレスの外部周辺デバイスも利用可能。またBluetooth機能によるハンズフリー通話が出来ることから安全に携帯電話を使えるほか、電話帳の閲覧やメッセージ送受信も可能。（2008年3月1日付プレスリリースより）
設備投資
| 設備投資額 | （単位：百万ユーロ） |
| 2008年12月期 | 2007年12月期 | 2006年12月期 | |
| 合計 | 474 | 319 | 293 |
