Magneti Marelli 2007年度の動向

ハイライト

業績
(単位:百万ユーロ) 2007年度 2006年度 増減率(%) 要因
全社
売上高 5,000 4,455 12.2% -
営業利益 209 175 19.4% -
部門別売上
照明 1,614 1,402 15.1% 1)
エンジンコントロール 947 882 7.4% 2)
Cofap自動車サスペンション 1,182 1,103 7.2% 3)
電子システム 556 534 4.1% 4)
エキゾーストシステム 613 533 15.0% 5)

事業部門別の活動状況
照明事業部
-2007年度の売上高は前年度比15.1%増加の1614百万ユーロ。
グループ外の納入先への販売が業績に大きく寄与。具体的には、Volkswagen-Audiに、 必要機能すべてにLED技術を採用した世界初のヘッドランプ装置用途向けの新製品を供給。また、General Motorsに製品を供給してヘッドライト市場において世界的シェアを拡大した。
今年度は、BMWおよびMercedesモデル並びに新型Lancia Delta HPE 向けのヘッドランプとテールランプを、Renault およびVolvo 向けヘッドライトの新規受注をそれぞれ獲得。

エンジン制御事業部
-2007年度の売上高は前年度比7.3%増の947百万ユーロ。
-Selespeedシステム、欧州市場向けのGDIガソリン直噴装置、ブラジル市場向けのコンプリートシステム、中国市場向けのマニホールドなどが最も堅調な伸びを示す。 同事業部門の売上増は、グループ外の納入先だけでなく、Fiat Group AutomobilesおよびFPT Powertrain Technologiesへの売上が増加したことが要因。
今年度は、新型Fiat500向け1.2リッタースパークイグニッション(SI)エンジンおよび1.3リッターディーゼルエンジンシステムなど の生産を開始。また、製品開発ではPico Eco(ブラジル)向け製品、Volkswagen向けインジェクションシステム、中国向けSelespeedシステムにおいて大きな成果を挙げた。
・2007年の主な受注品は、デュアル乾式クラッチトランスミッション、FPT Powertrain Technologies 向け2リッターユーロ5適合ディーゼルエンジン用マニホールド、TataおよびSuzuki Maruti向けの1.3リッターSDEディーゼルエンジン制御ユニット。

サスペンションシステム事業部
-2007年度の売上高は前年度比150百万ユーロ増の1182百万ユーロ。同事業部門の主要納入先であるFiat Group Automobilesで生産を開始した車種(Bravo (イタリア)、Grande Punto (ブラジル)、Fiat (ポーランド)) 向け新製品 の好調が売上増に寄与。 PSAおよびGeneral Motors向けの売上も増加。
-2007年度は、Fiat Group Automotiveから新型Lancia Delta HPEおよびAlfa Junior向けの製品を受注し、米国市場ではGeneral MotorsとFordから受注。

電子システム事業部
-2007年度の売上高は前年度比4%増の556百ユーロ。 インストルメントパネルの売上は、テレマティックシステムの売上が前年度に続き好調なことから2.1%増加。また、Fiat Groupの新モデル生産に伴う車室内製品の売上も大幅な伸びを示した。
-Fiat Group Automobiles向けに、Fiat500およびFiat Linea搭載用の新インストルメントパネル並びにBlue&Me Navナビテレマティックシステムの生産を開始したほか、電子システム事業部門の大口納入先であるPSAおよびVolkswagen-Audiの新モデル用インストルメントパネルの生産を開始したことで売上も増加(同納入先の売上は15%増)。
-Fiat Stop&Startシステム、PSAエマージェンシーコールおよびラジオ/ナビゲーター、Volkswagenの新モデル向けのインストルメントパネル、Ford向けのFordWorksテレマティックシステムなどを受注。

エキゾーストシステム事業部
-2007年度の売上高は前年度比15%増の613百万ユーロ。イタリアおよびポーランドのFiat、 この増加は、スペインのDaimler およびSeatなど、同事業部門の主要納入先の生産量が増加したことが要因。
-主な受注実績として、中国のDaimler向けエギゾーストシステムの新規受注が挙げられる。これにより、同事業部門の中国市場でのプレゼンスが強化するものと見込まれる。

合弁事業
-2007年9月、同社と奇瑞自動車(Chery Automobile Co., Ltd.)は、Cheryおよび他の自動車メーカー向けのSelespeed オートメテッドマニュアルトランスミッション(AMT)用油圧部品を生産する合弁会社を中国に設立する了解覚書に署名した。
-2007年10月、同社とSuzuki Motor Corporation、Maruti Suzuki India Limitedの3社は、ディーゼルエンジンの電子制御ユニットを生産するため、インドに合弁会社を設立することで合意した。Magneti Marelliが51%、Suzukiが30%、Maruti Suzukiが19%をそれぞれ出資する。当初拠出する資本金は約1,500万ユーロ。操業開始は、2008年末の予定。現在の事業計画によると、工場がフル稼働体制に移行した時点で、電子制御ユニット年産約50万個の生産能力を見込む。

開発動向

研究開発費用
事業部
(単位:百万ユーロ)
2007年度 2006年度 2005年度 2004年度 2003年度
照明 N.A. N.A. N.A. 48.8 48.2
エンジン制御 N.A. N.A. N.A. 73.1 76.7
Cofap自動車サスペンション N.A. N.A. N.A. 17.6 15.7
電子システム N.A. N.A. N.A. 35.2 -
エキゾーストシステム N.A. N.A. N.A. 5.7 5.8

総額

221 217 197 193 158

技術提携
2007年6月、ロシアの電子・機械部品のサプライヤー、Avtopriborと共同で自動車用エレクトロニックインストルメントクラスターを設計・開発、生産、販売する契約を締結した。

製品開発
1) 照明事業部
2007年度、すべての必要機能にLED技術を駆使したテールランプやLight Guide(均一性の高いライトガイド)の開発を継続。

2) サスペンションシステム
新世代ショックアブソーバーの機能仕様を策定。 同事業部門の特許取得済みU-リンクサスペンションの開発にも注力。

3) 電子システム
GSMとGPSをベースとした、統合テレマティックシステム実現に向けて大きく進展。

4) エキゾーストシステム
FPT Powertrain Technologiesの新型スーパーチャージャー搭載SIエンジン用部品のホットエンドシステムを含め、コールドエンドエキゾーストサイレンシングシステム用製品および排ガス低減用製品の開発に注力。 ディーゼルエンジン用として、新ユーロ5適合製品を開発。

SAE 2007 World Congress情報
<展示ハイライト>

今回注目すべき点は?
SFS(ソフトウェア・フレックスフューエル・センサー)によりガソリン、エタノール、両者混合(混合比は自由に設定)燃料の使用が可能。SFSの最新版がTetraFuel(テトラフューエル)で、ひとつのECU(エンジン・コントロールユニット)だけで4つのタイプの燃料(ガソリン、エタノール、ガソホール、CNG(圧縮天然ガス)の中から走行状況に合わせて性能、燃費、排ガスの点でベストな燃料を選択する。ECUがセンサーで燃料タンクの中のアルコールとガソリンの最適な混合比を決定することにより種々の燃料を使用した運転が可能になる。



どのモデルに搭載されているか?
ブラジルで製造された2百万台のうち、90%にSFSが装備されている。その結果、CO2が5%削減。欧州の数カ国、中国や米国でも同様な技術を開発中。

設備投資

資本投資額
事業部
(単位:百万ユーロ)
2007年度 2006年度 2005年度 2004年度 2003年度
照明 N.A. N.A. N.A. 79.9 70.1
エンジン制御 N.A. N.A. N.A. 36.7 39.3
サスペンションシステム N.A. N.A. N.A. 43.7 29.7
電子システム N.A. N.A. N.A. 16.1 -
エキゾーストシステム N.A. N.A. N.A. 5.3 4.6
投資総額 319 293 313 187 148