KSPG AG (旧 Kolbenschmidt Pierburg AG) 2011年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2011年
12月期
2010年
12月期
増減率(%) 要因
売上高 2,313 1,982 16.7 1)
EBITDA 254 183 38.8 -
 

要因
1)

-2011年の自動車部品部門売上高は、前年の1,982百万ユーロから増加し2,313百万ユーロとなり、2008年の市況の低迷直前で、同社最高売上高を記録した2007年の2,249百万ユーロを上回った。前年比17%増は、世界の乗用車生産量の前年比2.9%増を上回るとともに、西欧(2.9%増)およびNAFTA(9.1%増)市場の水準も上回っている。

-同社全部門において、売上高は前年比2桁台の成長を達成。

企業買収

-インドPuneに本拠を置くKirloskar Oil Engines Ltd. (KOEL)のプレーンベアリング事業を買収したと発表。KOELは、ディーゼルエンジン、ディーゼル発電セット、エンジンベアリング、エンジンバルブなどを生産している。KOELのベアリング事業の売上額は、2010-2011年度で約20百万ユーロを記録。Ahmednagar拠点およびPune拠点に、従業員600名を抱える。KOELのプレーンベアリング製品に含まれるのは、主に小型・大型車向けのエンジンベアリング、ブッシュ、スラストワッシャー。納入先はマルチスズキ、Mahindra & Mahindra、Tata Motors、現代、Ford、ホンダなど。この他に、KSPGは同社のPune工場で、インド市場向けのエミッションコントロール部品およびポンプの生産を行っている。また、同国New DelhiのピストンメーカーShriram Pistons & Ringsの株式20%を保有。さらに、Jaya Hind Industriesとは、シリンダーヘッド、クランクケース、ベッドプレート、その他鋳造部品の開発に関してライセンス契約を締結している。(2011年10月4日付プレスリリースより)

事業提携

-日本ピストンリングは業務提携関係にある独KSコルベンシュミットとのビジネスを強化する。2015年に売上高20億円の達成を目標に掲げて事業を推進する。両社は2009年の提携以降、欧州や中国などで量産品の受注を獲得するなど着実に実績をあげている。今後も共同で立ち上げた研究開発拠点で製品開発を積極的に進め、欧米を中心とした海外自動車メーカーからの新規受注獲得につなげる。(2011年6月29日付日刊自動車新聞より)

-ドイツのenTec Consulting GmbHが開発した可変バルブコントロールシステム「UniValve」の販売権を取得することで合意。「UniValve」はエンジンの燃料消費・ CO2削減に貢献する。なお、ドイツおよび海外の一部自動車メーカーですでに試験を行ったという。(2011年3月31日付プレスリリースより)

受注

-Pierburg Pump Technology GmbHは、欧州・米州の複数自動車メーカーより完全可変式電動ウォーターポンプ「CWA 400」を受注した。生産は、ドイツのザクセン州Hartha工場で行われる予定。受注金額は200百万ユーロ超。KSPGの顧客が開発した次世代エンジンおよび新型ハイブリッドエンジンに採用される。2012-2013年に量産開始となる計画。このウォーターポンプは、自動スタート・ストップ機能が作動中でも冷却を続けることが可能で、エンジンのオーバーヒートやそれに伴う損傷を防止する。このポンプは、2004年発売のBMWの6気筒エンジンに初搭載された。(2011年5月5日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
合計 130 120 113

研究開発体制

-2010年に中央技術研究部門(The Research and Technology central department)を設立。2011年も同部門は先端製品開発および技術サービスの提供を継続。

 

製品開発

-KS Kolbenschmidt GmbHは、エンジン燃焼室の温度を大幅に下げる冷却チャンバー付スチールピストンを発表した。ピストン冷却効果の向上により、窒素酸化物の形成が著しく減少し、欧州排出ガス基準「Euro 6」対応に貢献する。現在このピストンは、6つの商用車メーカー向けに開発中で、2012年より量産を開始する予定。(2011年2月12日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
合計 104 96 70

設備投資

-2011年の設備投資額は、前年の96百万ユーロから増加し、104百万ユーロ。インドおよびメキシコでの事業拡大計画が主要因。売上に対する投資額の比率は、2011年4.5%、2010年4.8%となった。