Kolbenschmidt Pierburg AG 2010年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2010年
12月期
2009年
12月期
増減率(%) 要因
売上高 1,982 1,522 30.2 -
金利税引前利益(EBIT) 81 (187) - -
 

要因 (1)
売上高の力強い回復

-Pierburg 部門:売上高は2009年の392百万ユーロから31%増加し、515百万ユーロ。
経済環境の回復と、ディーゼル車の高い需要、EGRやソレノイドバルブ等急成長を見せた製品の生産量増加、新規プロジェクトの立ち上げ等が牽引。
インド拠点ではEGRバルブの生産をPune工場で開始し、初めて売上げに寄与。

-Pierburgポンプ技術部門: 売上高は、2009年の293百万ユーロから376百万ユーロへ増加。
部門内の全製品分野で好況。インド拠点では、ポンプの生産量が加速し、初めて売上げに寄与。

-KS Kolbenschmidt部門:  売上高は2009年の139百万ユーロから30%増加し、605百万ユーロ。
2009年と比べ、自動車業界は力強い回復を見せたが大口径ピストンの売上げは27%の減少。これらは主に造船、鉄道、発電所等に使用されるもの。一方乗用車用ガソリンエンジンや商用車用エンジン向けのピストンはそれぞれ39%、57%の増加。

-アルミニウム技術部門: 売上高は2009年の119百万ユーロから35%増加し、160百万ユーロ。
量産製品が41%と大幅に増加。ダイカスト製品が力強い成長をしつつも低圧鍛造の需要も依然として好調。一方、高圧鍛造や、スクイズ鍛造製品によるスペアパーツの売上高に占める割合は小さく留まった。


-KS Gleitlager部門: 売上高は、前年から61百万ユーロ、48%増加し、187百万ユーロ。
なかでも、鋳造製品群は売上数量の増加と銅の値上がり分の顧客への価格転嫁により前年比で55%の増加。特にメタルプレーンベアリング(+35%の成長)、Permaglide製品(+60%)が好調。


-モーターサービス部門: 売上高は、引き続き好調。

提携

Pierburg Pump Technology GmbHは、ミクニとの間で業務提携契約を締結。両社はアジア地域向けに、電動冷却ポンプおよび可変オイルポンプなどを開発・生産・販売する合弁会社を設立する。新会社への出資比率はPierburg Pump Technologyが51%、ミクニが49%。 ハイブリッド車、EV及び既存エンジンの低燃費化を踏まえ、可変電動ポンプの重要性はますます高まっている。同社は、この提携により日本のOEMのみならず、インドや中国市場への足がかりとなることを期待。(2010年11月12日付プレスリリースより)

受注

-自動車業界の好況により、2010年は前年から501百万ユーロ、33%の増加で1,997 百万ユーロを受注。

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2010年12月期 2009年12月期 2008年12月期
合計 126 113 138

研究開発体制
-R&Dの中央研究部門を設置。この部門が、全部門の研究開発活動をとりまとめる。

 

製品開発
-CO2削減、ユーロ6レベルの達成、さらに厳しい環境要求の実行、製品や製造工程の最適化によるコスト低減努力の継続等へ注力。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2010年12月期 2009年12月期 2008年12月期
合計 96 70 146

国内投資

-Pierburg部門: アクチュエーターと、クーラーの新規プロジェクトに向けた工場設備への投資、電動ディバーターバルブの生産能力増強。
-Pierburgポンプ技術部門: 成長分野であるウォーターサーキュレーション及び電動冷却ポンプの能力増強に注力
-KS Aluminium技術部門:  Neckarsulm 工場の重力ダイカスト製品の能力増強。 低圧鍛造工場の能力増強のための設備投資。

海外投資

-Pierburg部門: 米国工場のEGRシステム生産能力増強
-Pierburgポンプ技術部門: フランス工場で新たな工具の購入。イタリアでは、オイル及びウォーターポンプの生産能力増強。
-KS Kolbenschmidt部門: ガソリンエンジン用ピストン生産に関して米国、日本拠点で投資。