Keiper GmbH & Co. KG (Johnson Controlsグループ) 2010年12月期までの動向

ハイライト

会社設立

-2009年5月、アジア地区の新拠点として韓国ソウル市にKEIPER Korea Ltd.を設立。(2009年5月27日付プレスリリースより)

-2005年3月、中国に新会社KEIPER (Shanghai) Automotive Seating Technology Co., Ltd.を設立。新工場は2005年12月稼動の予定。VW「Touran」用リアシート骨格を供給する計画。

事業再編

-2009年10月、ドイツ国内拠点において約550名の人員削減を行う計画を発表した。2009年売上が前年比で30%以上減少し、来年度の回復も難しいと見られるため。ドイツに勤務する2,600人のうち、自動車用シート部品のRockenhausen工場とKaiserslautern-Einsiedlerhof工場を合わせて、最大450人が対象となる。また、Kaiserslautern技術センターとRemscheid拠点では、合計で最大100人を削減する意向。(2009年10月20日プレスリリースより)

-2009年、管理部門およびエンジニアリング部門の再編を、予想していたよりはるかに少ないレイオフ規模に抑えて完了させた。具体的には2009年4月1日付けで、226人を解雇した。内訳は、カイザースラウテルン本社のテクニカルセンター118人、ロッケンハウゼン工場の管理部門38人、レムシャイトにあるKeiper工場の管理部門およびエンジニアリング部門で70人。(2009年4月6日付プレスリリースより)

-今後数年でドイツ国内工場の構造改革を行う計画。コスト削減のため、新製品の生産の一部を2014年までに東欧へ移管。それと並行してドイツ国内工場でのリストラを実施し、最大900名を削減する方針。同社は売上高の約半分をシート構造部品が占めており、その生産コスト低減を目的として、ポーランドに2番目の生産拠点を建設中。現時点での計画では、2010年からポーランド新工場で新製品の生産を開始する予定。それに伴い、ドイツにおける生産関連の管理職を対象とする人員削減も実施する。(2008年11月19日付プレスリリースより)

-Kaiserslautern-Einsiedlerhof工業団地内にある生産拠点を2010年末をもって閉鎖し、Rockenhausen工場へ生産を移管することを決定。閉鎖されるKaiserslautern-Einsiedlerhof工場では、自動車用シート骨格部品、シート向け部品、シー トアジャスター、シート用ロックシステムを生産している。(2008年3月13日付プレスリリースより)

受注

-2007年、GM Deltaプラットフォーム用のシート骨格およびシート部品を受注。

受賞

-2010年、米国のKeiper LLCはToyota Motor Engineering & Manufacturing North America, Inc. (TEMA)から「Excellent Award」を受賞した。同社は、トヨタの新型ミニバン「Sienna」の2列目シート向けにシートロックシステム「Lock 2000 Structure」を供給しており、初期段階の納入実績が評価されたもの。部品の生産はミズーリ州Eldon工場で行っている。なお、同社がTEMAから「Excellent Award」を受賞するのは、2010年に入ってこれが2回目となる。(2010年9月13日付プレスリリースより)


-2010年6月、「Volkswagen Group Award 2010」を受賞した。新型「Sharan」のシート(2列目、3列目)に採用された折り畳み機構「Easy-Fold」が評価されたもの。(2010年6月18日付プレスリリースより)


-2010年、Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America, Inc. (TEMA)の「Excellent Award」を技術/開発部門で受賞。ミニバン「Sienna」のシート(2列目)に採用されたシートロッキングシステム「Lock 2000 Structure」が評価されたもの。この製品は米国ミズーリ州Eldon工場で生産している。(2010年4月1日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発体制

-2005年2月、ドイツKaiserslauternに新たな衝突シミュレーション施設(CSF)を開設。新CSFでは、強い衝撃と大きな加速を加えるよう、最新のサーボ油圧カタパルト装置が備えられている。この新施設では、自動車及び飛行機のシート部品やシート単体、シートセット一式の動的安定試験が行なわれる。同社は1990年、KaiserslauternのKEIPER Technical Centerに最初の衝突シミュレーションセンターを開設している。

製品開発

-2007年9月、同社はDaimlerChryslerと連携し、新型Mercedes-Benz 「Cクラス」全車向けに先進的なリアシートを共同開発。新開発のリアシートは、組立工程にレーザー溶接技術を採用、従来品に比べて軽量で、必要な部品も少なく、より高い互換性を有する製品となっている。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2010年12月期
(計画)
2009年12月期 2008年12月期
ドイツ N.A. 8.7 18.5
海外 N.A. 24.8 20.8
合計 30.4 33.5 39.3

国内投資

-同社は、2010年末までにドイツRockenhausen工場に10百万ユーロを超える投資を行う計画を明らかにした。同拠点では主力製品であるシートリクライナー等を生産している。(2010年5月10日付プレスリリースより)

海外投資

<ブラジル>
-2010年8月、Keiper do Brasil Ltda.は11百万ブラジルレアル(約5百万ユーロ)を投資し、ブラジルのMauaに新工場を開設した。自動車メーカーの国内拠点向けにフロントおよびリアシートフレームを生産する。サンパウロのIpiranga工場、南部のCuritiba工場に続いて、ブラジルで3つ目のシート生産拠点となる。なお、Keiper do Brasil Ltda.は2010年に400百万ブラジルレアル(約180百万ユーロ)の売上を見込んでいる。(2010年8月27日付プレスリリースより)

<ポーランド>
-2009年、ポーランドのSkarbimierzに工場を開設した。2009年9月より、GMのDeltaプラットフォーム向けにフロントシートフレームの生産を開始している。また、2012年から商用車用シート一式を製造する計画。この新工場はSwiebodzin工場に次ぐポーランド2番目の拠点。(2009年9月2日プレスリリースより)

-2008年、ポーランドでの事業拡大をすすめる同社は、Skarbimierzにある新工場の敷地内で起工式を執り行った。2009年から稼動予定の新工場では、乗用車向けフロントシートフレームを生産。同社は、子会社であるKeiper Polska Sp. z o.o.を介し、2001年からポーランド事業を展開。現在Swiebodzinで、シートフレーム・フレーム部品の生産工場を操業。GMから新規供給契約を獲得したことで、GMの現地拠点であるGliwice工場に程近いSkarbimierzに同社にとってポーランドで2番目となる新工場の開設を決定。(2008年5月9日付プレスリリースより)