Freudenberg & Co. 2006年度の動向

ハイライト

業績

単位: 
百万ユーロ
2006年度 2005年度 増減率 要因
全社
売上高 5,052.8 4,836.6 4.5%  -グループの連結売上は、対前年比金額で216.2百万ユーロ、4.5%増加し、5,052.8百万ユーロ。買収と撤退の影響により58.6百万ユーロ売上減少したが、これは主に2005年末のVibracoustic (Europe) Business Groupの事業の売上減に起因している。2006年度は為替レートがマイナスに影響した。これらの影響を調整すると6.1%の増収となり、これは、Freudenberg Seals and Vibration Control Technology Europe、Freudenberg Chemical Specialities、Vibracoustic (Europe)、Freudenberg Household Products、Burgmann Industires、Freudengberg Politex Nonwovens 及び NOK-Freudenberg Group China 事業によるところが大きかった。
営業利益 303.5 278.7 9.0%

 営業利益は8.9%増加し303.5百万ユーロを達成した。この増加は、主に、販売増によるマージン増が貢献している。エネルギーと原材料費の継続的な増加が利益に負のインパクトを与えている。売上増に比較すると機能的なコストは平均より少なく済んでいる。

自動車部品関連(売上高)
欧州シール及び防振技術グループ(Seals and Vibration Control Technology Europe) 1,074.8 1,017.8 5.6% 2005年の同グループの売上は5.6%増加し1,074.8百万ユーロ。(2005年度1,017.8百万ユーロ)全売上の約半分を占める自動車ビジネスが、強い値下圧力にも拘わらず、3.9%増加した。主たる増加の原因は、システムコンポーネントメーカー向けのビジネスが、8.3%の増加したこと。また、一般産業部門向けのSimritブランドの売上も、平均を上回る11.0%増となった。
欧州全体が好環境であったことと、ロシアで立ち上げた販売会社が平均以上の成長があったことが、好影響を及ぼした。自動車部品事業(Corteco)、及び、化学品、及び、加工産業向け事業(Freudengberg Process Seals)も売上は伸張。
Freudenberg-NOK  米州合弁事業 (Freudenberg-NOK General Partnership) (Americas)
780.6 788.1 (1.0%)

2006年度売上、986.0百万ドルは前年($975.7百万)比で、1.1%の増加。ドル安及び為替レートの変動により、ユーロ建てでは1.0%増の780.6百万ユーロに留まった。 (2005年:788.1百万ユーロ)
自動車関連ビジネスは、前年同様に高い伸びは実現できなかった。これは主に、米国のビッグスリーメーカーの下半期の売上減が、主たる原因。この落ち込みは、日系自動車メーカーに対する売上拡大でも補うことが出来なかった。 アフターマーケット向けCortecoブランドの売上減も、自動車部門の売上の足を引っ張った。


NOK-Freudenberg 中国合弁事業 (NOK-Freudenberg Group China)
95.7 56.1 70.6% 売上は70.6%の高い伸び率を示し、2005年度、56.1百万ユーロから、2006年度は、95.7百万ユーロに増加。内、50%は、Freudenberg Groupの連結売上に計上されている。同合弁事業は中国自動車産業の好調(29%)、及び、一般産業部門(20-25%)の伸びに助けられ、平均以上の利益を享受できた。
Vibracoustic (Europe) 451.0 448.7 0.5% 2006年度売上は451.0百万ユーロで前年度448.7百万ユーロより0.5%の増加。以前シャーシ/エアーインテイクシステム部門の一部であった、エアーインテイクシステムビジネス、及び、Bad Salzdetfurth Germany工場設備が、2005年末に、Etimex Technical Components GmbH, Rottenacker, Germanuyに売却されたため、2006年度の売上数字は正確な売上伸長を表していない。この売却効果を勘案すると実質の売上は11.4%増となる。
Burgmann Industries 359.2 342.7 4.8% 2006年度売上は4.8%増加し359.2百万ユーロ。(2005年:342.7百万ユーロ)
ドイツの外では、Burgmann Industriesは、日本のパートナーであるイーグル工業(EKK)と、シーリングテクノロジーの提携を2004年よりおこなっている。この提携の下に、アジア、及び、アジア大洋州の事業を再構築している。提携分を含めたEagle Burgmann Industries (EBI)全体の売上を考慮に入れると、EBIの売上は、458.1百万ユーロから、2006年度には、500.6百万ユーロに増加し、増加率は9.3%となる。

企業買収
Freudenberg NOK MechatronicsはDelphiの完全子会社であるDelphi Deutschland GmbHからベルリンの大型フレキシブルプリント回路(large FPCs)生産工場とその関連事業の大部分を買収する。ベルリン工場の2005年の売上高は2千7百万ユーロ、従業員数は160名。大型フレキシブルプリント回路は自動車産業における電気およびエレクトロニクス技術導入が加速するのに伴い、今後も引き続きその重要性を増すことが予想される。

開発動向

研究開発費用
・2006年度、グループの研究開発費は合計204.2百万ユーロ。

研究開発体制
・グループ全体で、2,256人が研究開発に従事。ドイツ国内が主力で、1,427人が研究開発に従事している。
シール及び防振技術部門の技術革新に注力。

開発戦略の再編
2006年度に、革新戦略の全体的な再編を開始し、Freudenbergイノベーション委員会(Freudenberg Innovation Committee)(FIC)を立ち上げ、各ビジネスグループから、全てのチーフテクノロジーオフィサー CTO)がこれに参加する。FICの主たる任務は、Freudenbergに関係するキーマーケットの確認と技術トレンドの各に、並びに、ビジネスグループでの関連製品と技術開発の着手。

設備投資

- 2006年度グループの投資活動におけるキャッシュフローは271.4百万ユーロで、概ね前年度と同等の水準。(2005年:289.0百万ユーロ) 投資活動はシール及び防振技術部門(生産能力の拡大と設備の合理化)及び不織布部門(生産能力の拡大と既存設備の技術改善)に重点を置いている。

シール及び防振技術部門
- 2006年度の投資にはチェコ、Cieperkaでのシール生産能力の増強、及び、ドイツ国内の中央物流倉庫の機能を担う、ドイツ、Lorsch地区でのロジスティックセンターが含まれている。この新しい物流センターは配送の信頼性を改善すると共にコスト削減に繋がる。
-日本のパートナー企業NOK社と共同で新規のO-エイング生産設備をドイツ、Oberwillに立ち上げ、2006年前半より操業を開始した。世界を対象としたO-リングDivisionのIR活動を今年度集中的に行う。

Freudenberg Seals and Vibration Control Technology Europeはオイル及びガス、医療技術並びに環境技術等の成長市場を開拓することに更に集中する。更に中央及び東欧との生産面でのパートナー関係を強化する。

NOK-Freudenberg Group China
-中国市場での平均以上の利益水準を維持するため、NOK-Freudenberg Group Chinaは、更なる設備の拡大と、中国市場での新しい製品ラインの拡大のための、新規設備投資を行う。