ElringKlinger AG 2017年12月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
2017年
12月期
2016年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 1,664.0
1,557.4 6.8 1)
EBITDA 238.4 231.2 3.1 -
OE部門
売上高 1,382.4
1,294.3 6.8 2)

要因
1) 全社
-2017年12月期の売上高は、前年比6.8%増の1,664.0百万ユーロ。為替および買収の影響を除くと8.1%の増収。為替のマイナス影響が減収要因となった一方、2017年のドイツNutrigenのhofer powetrain products GmbH買収が5.6百万ユーロの増収要因となった。


2) OE部門
-2017年12月期の売上高は、高性能プラスチック製の軽量製品の需要増によって前年比6.8%増の1,382.4百万ユーロ。軽量/エラストマー技術部門の売上高は前年比12.3%増。特殊ガスケット部門もグループ平均を上回る増収。現行エンジンの小型化傾向で、自動車に搭載される特殊ガスケットの数が増加したことが主な要因である。シリンダーヘッドガスケット部門の売上は前年よりわずかに増加した。

受注

-ドイツMunichに本拠を置くSono Motorsの太陽電池車向けにバッテリーシステムを開発・生産する契約を受注したと発表した。契約期間は8年間で、受注額は数億ユーロを超えるとしている。2019年下半期の量産開始を予定しており、航続距離250kmのバッテリーシステムを製造する。48Vモジュールをベースとするシステムで、最大システム出力800Vになるという。(201859日付プレスリリースより)

-中国のEVスタートアップであるBytonから、SUV向けにコックピットクロスカービームを受注したと発表した。この軽量構造部品は、Bytonの将来のモデルにも搭載される見通し。米Silicon Valleyとドイツ南部にあるテクニカルセンターで開発を進め、ElringKlingerの中国・蘇州にある工場で2019年から生産する。6年以上の契約で、受注額は数千万ユーロとなる見込み。(2018130日プレスリリースより)

事業計画

-eモビリティ分野を統括する取締役を新任すると発表した。ElringKlinger Groupの前COO(最高執行責任者)であるTheo Becker氏がこの職務を担い、バッテリー・燃料電池技術に重点を置く。Becker氏は以前からこの分野を担当していたが、新たにeモビリティ担当役員を設置することにより、ElringKlingerは同社の将来の事業における同分野の重要性を強調したい考え。(2018323日付プレスリリースより)

新工場

-米インディアナ州Ft. Wayneに工場を新設すると発表した。新工場は広さ60,000平方フィートで、2022年までに最大150名の新規雇用を創出する。生産、物流、研究開発施設やIT設備などを備え、20189月から乗用車および商用車向け防音・防熱アルミシールドシステムを製造する。新工場は米国で5番目、インディアナ州では初の拠点となる。その他の米国拠点はジョージア、ミシガン、カリフォルニアの3州に位置する。(2018315日付 Indiana Economic Developmentプレスリリースより)

合弁事業

-中国の四川成飛集成科技(Sichuan Chengfei Integration Technology Co., Ltd.)との間でバッテリー技術の合弁事業について合意したと発表した。20271231日までの契約となる。両社の技術を集結することにより、アジア、欧州および米州市場向け自動車用リチウムイオンバッテリーモジュールの開発、生産、販売を行う。四川成飛集成科技がバッテリーセルの電気化学の構成要素分野を担当し、ElringKlingerはセルコンタクトシステムやセルハウジング等の残りのモジュール部品の開発や生産を行うという。(20171127日付プレスリリースより)

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
2017年12月期 2016年12月期 2015年12月期
全社 75.9 74.8 71.2
売上に占める割合 (%) 4.6 4.8 4.7

注: 外部からの出資に基づく研究開発費を含む

研究開発体制

-2017年12月31日現在、研究開発に従事するスタッフは597名。

製品開発

-軽量化

  • オルガノシート: 熱可塑性素材を使用し、耐久性と剛性に優れた軽量強化繊維。車体、バッテリーマウント、シートパンなどに使用される。2017年に量産開始の予定。
  • 軽量底面パネル素材: 騒音、振動、空気抵抗を低減し、車両の空力性能を向上させる圧縮繊維素材。


-E-モビリティ

  • バッテリーセル:EV向けバッテリーモジュールを中国のパートナー企業と共同開発している。
  • フューエルセル:高分子電解質型燃料電池 (PEMFC) および高温度固体酸化物形燃料電池 (SOFC) を開発する長期プロジェクトに従事している。

-独フランクフルトで開催中の2017年国際モーターショー (IAA)で、「e-xperience mobility」をテーマに、同社のeモビリティ技術や軽量化技術を披露すると発表した。同社の出展は、バッテリー・燃料電池技術、新たに開発された電動ドライブユニット、軽量化されたプラスチック部品が中心。電動ドライブユニットには、eアクスルやパワーエレクトロニクス、トランスミッションなどが含まれる。バッテリーモジュールから成るエネルギー貯蔵システム、バイポーラが特徴のPEM燃料電池に加え、オルガノシートを使用したドアモジュールや側面衝突保護ユニットなども展示される予定。(2017年9月6日付プレスリリースより)

特許

-2017年、同社は69件の特許申請を行った。

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
2017年12月期 2016年12月期 2015年12月期
全社 166.2 183.1 189.8


-2017年12月期の設備投資額のうち、94%超がOE部門に投じられた。

国内投資

-2017年12月期の主なドイツ国内投資は以下の通り。

  • Dettingen:軽量/エラストマー技術部門の物流センター建設、2016年7月に操業開始

海外投資

-2016年12月期の主な海外投資は以下の通り。

  • ハンガリーKecskemet:新工場の初期化、2017年に建設開始