ElringKlinger AG 2015年12月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
2015年
12月期
2014年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 1,507.3 1,325.8 13.7 1)
EBITDA 222.8 233.4 (4.5) -
OE部門
売上高 1,255.8 1,089.7 15.2 2)



要因
1) 全社
-2015年12月期の売上高は、前年比13.7%増の1,507.3百万ユーロ。為替の影響を除くと約6.0%の増収で、前年に設定した目標をクリアした。M&W Manufacturingの買収と、北米、欧州、アジア太平洋地区の好調な売上が大きく寄与した。

2) OE部門
-2015年12月期の売上高は、前年比15.2%増の1,255.8百万ユーロ。M&W Manufacturingの買収と、オートマチックトランスミッション部品、ターボチャージャーガスケット、遮熱遮音シールド部品および軽量プラスチックモジュールの需要増が好調の要因。その他、ドイツ自動車メーカー向けポリマー混合部品等の新製品発売などが売上に貢献した。

買収

-2015年2月、米国ミシガン州を本拠とするM&W Manufacturingの全株式を取得したと発表した。これにより、北米をはじめグローバル市場でオートマチックトランスミッション向けのスペーサープレート事業を大幅に拡大。同社の特殊ガスケット部門の強化につながるとみられる。同部門では主に、ターボチャージャー用ガスケット、EGR向けの高温対応ガスケット・部品、エキゾーストシステム、オートマチックトランスミッションおよびデュアルクラッチトランスミッション用制御プレートなどの開発や生産を行っている。M&W Manufacturingの従業員数は約100名。ミシガン州のWarrenとRosevilleにそれぞれ工場を保有している。米国工場からは、北米市場のほかに中国向けの供給も増やしている。(2015年2月13日付プレスリリースより)

受注

-2015年7月、日本の大手自動車メーカーに軽量シールドシステムを納入する大口受注を獲得したと発表した。受注額は年間約10百万ドルで、2017年から納入を開始する。同社が納入するエキゾーストマニホールド向けの軽量シールド部品は、同自動車メーカーの次世代エンジンに搭載される予定。日本向けの生産は、首都圏に拠点を持つエルリングクリンガー・マルサン (ElringKlinger Marusan Corporation) が行い、米国向けにはジョージア州にあるElringKlingerのBuford工場が生産する。(2015年7月20日付プレスリリースより)

受賞

-2015年4月、同社子会社のElring Klinger do Brasil Ltda.は、トヨタ自動車から優れた製品品質と供給信頼性が認められ受賞した。

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
2015年12月期 2014年12月期 2013年12月期
全社 71.2 66.5 65.7
売上に占める割合 (%) 4.7 5.0 5.7

注: 外部からの出資に基づく研究開発費を含む

-2015年12月期の研究開発費は、シリンダーヘッドガスケット、特殊ガスケット、プラスチックハウジングモジュール、シールド技術および排ガス浄化システム分野に充てられた。

研究開発体制

-2015年12月31日現在、研究開発に従事するスタッフは562名。

特許

-2015年、同社は67件の特許申請を行った。

製品開発

軽量化に重点を置いたプロジェクト
-軽量化に関して、同社は新素材に注目している。

  • オルガノシート: 熱可塑性素材を使用し、耐久性と剛性に優れた軽量強化繊維。車体、バッテリーマウント、シートパンなどに使用される。
  • 軽量底面パネル素材: 騒音、振動、空気抵抗を低減し、車両の空力性能を向上させる圧縮繊維素材。
  • 樹脂製レゾネーター: ノイズ低減のチャージエアダクトを取り付けたレゾネーター。
  • エンジンブラケット: ガラス繊維強化ポリアミドから作られ、遮音、遮熱にすぐれ軽量化されたエンジンブラケット。

エンジン関連のテクノロジー
-2015年、同社は以下のエンジン関連技術の研究プロジェクトに携わった。

  • EGRガスケット: セラミック粒子と煤煙を取り除く統合型スクリーン構造の素材を使ったEGRガスケット。
  • コーティングガスケット: エアコンコンプレッサー用の新ガスケットと、漏出率改善のためにコーティングされたVリングガスケット。
  • オイルセパレーションシステム: クランクケースへ流出するオイルの流れを改善するため、可変フローセパレーターを使用したシステム。



設備投資額

(単位:百万ユーロ)
2015年12月期 2014年12月期 2013年12月期
全社 189.8 163.1 125.6


-2015年の設備投資は、M&W Manufacturingの買収に使用され、生産能力の拡張と効率化プロジェクトに追加投資がなされた。