Brose Fahrzeugteile GmbH & Co. KG 2017年12月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
2017年12月期 2016年12月期 増減率
(%)
要因
売上高 6,311 6,149 2.6 1)

要因

1) 売上高
-2017年12月期の売上高は、8年連続の増収で前年比2.6%増の6,311百万ユーロ。全ての事業部が増収に寄与した。ドアシステム事業部が2.7%、シートシステム事業部が1.7%、ドライブ事業部が2.7%それぞれ伸ばした。



最近の動向

-同社は7月、2019年までに新製品の投入に向けて10億ユーロを投資し、設備の導入や拠点の拡張を行うと発表した。さらに20億ユーロをかけて企業を買収し、製品の範囲を拡大する計画もある。同社グループは事業規模を拡大し、過去10年間で売上高が150%増の61億ユーロを超える成長を見せている。同社グループは今後5年間で80億ユーロの売上高を目指す。買収によって、売上高100億ユーロにまで成長する可能性もあるという。同社は自動運転の分野において、回転シートと自動サイドドア用アジャスターの開発に取り組んでいる。そのほか電動モーター、12-810V車両電動システム、電気自動車向けエアコンシステムなどにも注力している。(2017年7月20日付プレスリリースより)



受注

-2017年、同社はWurzburg工場で新しい電動エアコンコンプレッサーを受注した。2021年から10年以上に渡りプレミアム自動車メーカーに2百万システム以上を供給する。



見通し

-2018年12月期で売上高約6,500百万ユーロを予測。2025年までに9,500百万ユーロを目指す。



研究開発費

-毎年、研究開発に売上高の約8%を投資目標としている。2017年12月期で約525百万ユーロ投資した。



製品開発

電動モーターとドライブ
-同社は車両電動化の製品群を体系化して、IAA 2017でモーターおよび電動システムを出展すると発表した。ターンサイクルを減少して操作性を改善したリアアクスルステアリング用駆動システム等を発表する。同社はモーターの出力領域を15KW超に増強した電動オイルポンプやマイルドハイブリッド車用48Vブースターシステムも発表する。同社の高電力密度のエアコンコンプレッサーは、バッテリーへの負荷を最小限に抑えて出力範囲を最大化したことにより、電気自動車に適した製品となっている。この製品はすでに受注を獲得しており、2020年に量産を開始する予定。(2017年9月13日付プレスリリースより)

フレキシブルインテリアコンセプト
-同社は様々な状況に適用する多機能インテリアコンセプトを証明した。自動運転モードの時にハンドルがインストルメントパネルに折りたたまれ、ペダルがフットレストとして持ち上がる。また便利性向上のためダッシュボードのスクリーンが運転者の前に移動されている間、テーブルがセンターコンソールから折りたたまれる。他のモードで、フロントシートがバックを面に回転出来る。内部の構成が車両の画面あるいはスマ―トフォンを通じて選ぶことが出来る。

「IAA 2017」で展示されたインテリジェントドアとシートの機能を搭載したコンセプトカー
-同社はドアとシートの機能とのインテリジェントな相互動作にハイライトをあてたコンセプトカーを紹介する。スマ―トフォンあるいはジェスチャーコントロールによりパワーサイドドアドライブがドアの開放を可能。さらに障害物との衝突からドアを守るためのレーダーセンサーを統合したドアを搭載。またコネクティビティを通して快適性を向上。運転者が車両に近ずく時にシートのサイドボルスターが下がりドアが自動的に開く。加えてヘッドレストが運転者の大きさやシートの位置により調整され、運転者が簡単に使える様にシートベルトが自動的に調整される。ドアとリフトゲートに埋め込まれたライトにより車両を容易に認識することができ、カーシェアリングにおける個別化や適用化が提供。シート内の振動モーターが危険な状況を運転者にアラートを発することができる。



特許

-年間200以上の特許を申請している。



設備投資

(単位:百万ユーロ)
2017年12月期 2016年12月期 2015年12月期
全社 409 380 362

-同社は2017年から2019年までに設備やシステム、追加の用地展開などで約10億ユーロの投資を予定している。



国内投資

-2017年12月期でCoburg工場に約50百万ユーロ投資した。Coburg工場はシートシステム事業部管轄で、同社は2020年までに約180百万ユーロ投資する計画でいる。

-2017年12月期でBamberg工場に約22百万ユーロ投資した。Bamberg工場はドアシステム事業部管轄。2020年までにさらに130百万ユーロの追加投資する予定。これにはBerliner Ring siteの拡張も含まれる。

-2017年12月期でドライブ事業部管轄のWurzburg工場に約40百万ユーロ投資した。2018年から2020年までに約130百万ユーロをさらにWurzburgに投資予定。



ドイツ以外での投資

<米国>
-同社の米国法人は、今後5年間にわたって105百万ドルを投じ、ミシガン州南東部の拠点の新設・拡張を行うと発表した。今回の投資によって、同社はAuburn Hillsの米国本社とNew Boston工場に300名の新規雇用を創出する。また Michigan Strategic Fundが2.7百万ドルの助成金を拠出することも決定した。同社はミシガン州ではAuburn Hills、Warren、Huron Charter Townshipの3拠点で操業中。(2017年11月28日付 Detroit Newsより)

<メキシコ>
-同社は、FordのメキシコSan Luis Potosi工場建設中止に伴いColon工場の建設に関して調整を行ったが、予定どおり工場を新設すると発表した。新工場は2018年に操業開始予定。同社では引き続き新規雇用と従業員教育を継続する。(2017年10月9日付 Mexico-Nowより)

<スロバキア>
-2017年8月にスロバキアPrievidza工場の第2建設段階に50百万ユーロ投資すると発表した。この拡長で約500人の新規雇用をもたらす。Prievidza工場ではウィンドリフタ―とリアドアを生産している。第2段階の建設完了は2018年8月を予定している。

<中国>
-同社は、上海工場に近接する場所に地域本社を開設したと発表した。総工費72百万ユーロの新本社には600名の従業員が勤務し、中国の12拠点と日本、韓国、タイの生産、販売6拠点を管轄する。管理本部はドアシステム、シートアジャスター、電動ドライブ事業の3部門から成る。また域内の調達、HRおよび品質保証部門も置く。新本社は40,000平方メートルの敷地内にある生産ホールに隣接する。工場は延床面積14,000平方メートルで部品およびシステムの生産能力は年間330万個。同社は今後2年で48ボルトアプリケーションの開発を強化し、生産能力を約2倍に引き上げる計画。また、内装用のアジャスターシステムや、サイドドア開閉の調整システムにも注力している。同地区の現在の売上高は12億ユーロで、同社グループの売上高の約20%を占めており、2025年までに売上高20億ユーロ、シェア25%を目指す。(2017年4月21日付プレスリリースより)