近年の動向

事業概況

-受注が半分まで落ち込んだ2009年の苦境を脱して、2010年の売上高は全製品分野で堅実な回復がみられ24%増加し、3,200百万ユーロになると予想。クロージャーシステムとモーターの売上高は30%、ドアシステムとシートアジャスターは50%増加する見込み。

-新たに多くの受注が入り、生産工場や設備の拡大が必要になると見込まれるため、インドのPuneと米国のTuscaloosaで拠点を拡張する予定。

-2010年、土地や建物、専門技術向上のため売上高の約6%、合計200百万ユーロを投資する計画。

受注

-2009年4月、Mercedes-Benzの「E-Class」にドアシステム、シート部品、クーリングファンモジュールを供給すると発表。同クラス の「T-Model」向けには電動リフトゲートも納入する。このスピンドル式リフトゲートは、「GLK」と「C-Class T-Model」にもオプションで採用されている。（2009年4月8日付プレスリリースより)

-2009年9月、軽量ドアモジュールをPorscheに供給すると発表。「Panamera」が初の搭載モデルとなる。構成部品はウィンドウフレーム、 ガラス、ドアカバー、ウィンドウレギュレーター、スピーカー、エレクトロニクス、ワイヤーハーネス、シールなど。また、リアドアモジュールには電動サンブ ラインドも含まれる。(2009年9月発行プレスリリースより)

-中国の上海博澤汽車部件有限公司(Shanghai Brose Automotive Components Co., Ltd: SBA)は、ドアシステムとシートアジャスターを上海VWに納入している。対象モデルは「Passat」、「Polo」、「Touran」、 「Octavia」、「Tiguan」。なお、SBAはBroseと上海実業交通電器有限公司(STEC)による合弁会社。(2010年2月12日付プレ スリリースより)

-2010年、中国の上海博澤電機有限公司(Shanghai Brose Electric Motors Co., Ltd.: SBM)は、エレクトリックドライブを神龍汽車に納入。対象モデルはCitroen「Elysee」、「C- Quatre」、「C-Triomphe」、「C2」、「C5」。また、Peugeotでは「206」、「207」、「307」、「408」に採用され た。これらのモデルは湖北省武漢で生産されている。(2010年2月12日付プレスリリースより)

-2010年、中国・湖北省の武漢博澤汽車部件有限公司(Brose Wuhan Automotive Systems Co., Ltd)は、2009年より吉利控股集団の「FE-1」および「FE-2」向けにウィンドウレギュレーターを供給。(2010年2月12日付プレスリリー スより)

-2010年、BMWの新型「5 Series」に部品を供給している。供給製品はウィンドウレギュレーター、シートアジャスター、ヘッドレストアジャスター、リフトゲートラッチ、ドライ ブトレインアクチュエーター、冷却ファンモジュール、HVACブロワー。(2010年3月26日付プレスリリースより)

研究開発の履歴

年	革新
1928	Manual window regulator
1950	Mechanical door latch
1963	Power window regulator
1979	Power seat Adjuster
1983	Electronic memory system for seat position
1986	Electronically-controlled window reulator with anti-trap technology
1987	First modular system
1991	Door system with wet/dry side separation
1993	Active manual seat height adjuster
1997	System latch
2000	Seat legnth adjuster with slide-integrated gear
2001	Laser technology for rails and backframes
2002	Door system with integrated door frame
2002	Lumbar support with comfort mat and massage function
2004	Power rear bench
2005	Modular liftgate with integrated drive
2005	System kit for recliners
2006	Door system with highly integrated plastic carrier
2007	Drive units for side doors
2008	Lightweight door system
2008	Rear seat structure
2008	Standardized steering motors
2009	Liftgate with plastic functional carrier Variostop infinite door check
2009	Lightweight seat
2009	Power-related motors from 9 to 25 Watts System for controlling the supply of cooling air - Airgate® Steering wheel adjuster

製品開発

サイドドアラッチモジュール
-2009 年、サイドドアラッチモジュールを開発。これにより、4ドア車1台当たり約1kgの軽量化を実現。また、従来品に比べて約6割の省スペース設計となってい る。ラッチの開錠時間は、既存製品の40ミリ秒程度から、25ミリ秒以下に短縮。このモジュールはドアシステムが手動式か電動式かにかかわらず、幅広い車 種への搭載が可能となっている。(2009年1月16日プレスリリースより)

共同開発

-2009年11月、ドイツのコーブルク大学付属自動車技術移転センター(Coburg Automotive Technology Transfer Center)との研究プロジェクトを立ち上げた。同大学と共同で、残留化学物質分析の先端研究を行う。(2009年11月5日プレスリリースより)

設備投資額

（単位：百万ユーロ）

	2010年12月期 （予想）	2009年12月期	2008年12月期	2007年12月期
全社	200	146	159	113

海外投資

<中国>
-2009年11月、上海博澤汽車部件有限公司(Shanghai Brose Automotive : SBA)は、約6百万ユーロを投じて上海に新工場を開設した。SBAは現在、ウィンドウレギュレーター、シートシステム、ドアシステムを生産し、上海 VW、長安Ford、上海GM等に納入している。新工場建設によって生産能力を拡張し、新たにシートストラクチャー一式、クーラー/ファンモジュール等の 生産を開始する。なお、SBAは同社と上海実業交通電器有限公司(STEC)による合弁会社。(2009年11月26日プレスリリースより)

<タイ>
-2009年12月、マレーシアの自動車部品メーカーDelloyd Ventures Berhadとウィンドウレギュレーターとドアシステムの生産会社を設立すると発表。新会社の名称は「Brose Delloyd Automotive Co., Ltd.」で、タイのRayongに本社を置く。出資比率は同社が60%、Delloydが40%。2010年初旬に同社を設立し、2011年2月から生 産を開始する予定。東南アジアに生産拠点を持つ主要自動車メーカーから、初回受注を既に獲得しているという。(2009年12月8日付プレスリリースよ り)

<インド>
-2010年1月、2010年晩夏にPuneに工場を設立し、まず、ウィンドウレギュレーターを生産すると発表。すでに、国際的な自動車メーカー複数から 受注を取り付けており、2011年には量産を開始する予定。今後数年間で他の部品へも生産を拡大していく。このPune工場における目標は、輸出と国内市 場向けの両方をカバーしていくことを挙げている。さらには、同工場では開発から部品調達、最終製品の組み立てまで、バリューチェーン全体をカバーすること も計画している。(2010年1月プレスリリースより)