Brose 2005年度、2006年度の動向

ハイライト

受注
-2006年4月Audi Q7にウィンドレギュレーターを供給すると発表。また、電動シートアジャスターとランバーサーポートもこの新型SUVに供給する。特に特長といえるものの一つがランバーサポートで、バックレストに統合されている。同社が開発したコンフォートシステムは既に、A4とA6に採用されている。(2006年4月13日付プレスリリースより)

海外展開

-2006年9月8日中国長春に中国で3番目の生産拠点を開設した。社名はBrose Changchun Automotive Systems Co., Ltd、Broseグループが中国で100%外国資本の会社を設立するのはこれが初となる。要員は約140名、FAW-VW、Shiroki、 Faurecia、Johnson Controls、 Lear Seating und Sitech向けにシートアジャスター、ウインドウレギュレーターを製造する。新工場の占有面積は16,000平方m、施設建設、機械及びIT導入の費用として総額約1000万ユーロの資金が投入され、8ヶ月で竣工した。(2006年9月8日同社プレスリリースより)

開発動向

研究開発
・全世界で1,600名が研究開発に従事(2005年現在)。
・従業員の9人に1人が新製品開発または製造工程にかかわる要員。年間160件の特許とユーティリティーモデル申請が行われている。
自社の研究センターで側突試験を実施。これにより、開発初期段階で強度と素材の使用について、システムを最善の形にすることができる。安全面以外にも、全ての部品の静粛性、温度による変化、システムとしての適合性、負荷状態での能力について、耐久テストを行う。

新製品開発
"Direct Drive"ウィンドレギュレーター

"Direct Drive"ウィンドレギュレーターを初公開した。主にプラスチック部品で出来ており、従来製品と比べて20%軽く、アッセンブリースペースの面でも利点がある。一つのユニットでガラスの装着と駆動を行なっており、より小さく軽い電動モーターを使えるなどいった点から、システム全体の効率が高まる。

"Soft Open-Soft Close"
サイドドアやリフトゲートを音響的かつ機械的に制動し、より容易にかつ静かに開け閉めできるようにする新閉鎖システム"Soft Open-Soft Close"を発表した。その上、密閉力は現在使われるシステムの2倍以上の1000ニュートンが可能で、その結果、風切り音が減少し、衝突安全性も高まる。(2005年9月発表)

新型電動開閉システム
スライドドアやテールゲート用の新しい電動開閉システムを公表した--従来のガスストラットに替わるスピンドル駆動と車両ルーフの下に取り付け、同様の製品と比べて20%小さくて軽いロッド駆動ソルーション。テールゲートはリモートコントロールであけることができ、閉鎖音は類似製品の音に比べ30%小さい。ドアの駆動は、怪我を防ぐためのアンチトラップ技術を取り込んでいる。さらに開閉時に、また損傷から守るために、障害物を感知するセンサーも備え付けられている。(2005年9月発表)

設備投資

設備投資額
2006年度:123百万ユーロ


国内投資
Groundbreaking ceremony for door system plant in Holzgerlingen

Brose社は2005年10月17日に起工式を挙行し、Holzgerlingen市における生産工場の建設を開始した。この式典は会社と地域における新しい将来を目指したスタートになる。このJIS工場はメルセデスのオフライン工場からわずか11キロの地点に位置しており、2006年初夏までにメルセデスの多種モデルの生産計画に併せたドア・システム部品の供給を開始する予定。Brose社はすでにSクラス用ドア・システム部品を借地であるHerrenbergにて生産している。その他2車種もこの部品を装着しているので、向こう9ヶ月以内にBROSE社はHolzgerlingen において生産ライン増加により生産能力アップの必要がある。2006年6月には、Sクラス用ドア・システム対応の従業員と生産ラインHerrenberg からHolzgerlingenへ移転される。他の2車種向けドア・システム部品生産が立ち上がると。日産点数は1500点から9000点に増加する。

・2005年10月、大規模な近代化を図っていたWuppertalのクロージャーシステム工場を開所したと発表した。これまで2つの建物に分かれていた生産施設と管理施設がRonsdorfer工業団地の一つの施設に統合された。物の流れを迅速化するために、これまで5つの建物に分散していた生産と物流機能を一つの建物にまとめた。2007年までに、3年前にBoschから買収したクロージャーシステム向けに、同社は約130百万ユーロを投じることにしている。

海外投資
<欧州>
・2005年6月、東欧で二ヶ所目の生産拠点を開設した。新工場はオストラバに近いKoprivniceに置かれ、生産設備、不動産、ロジスティクスおよび情報技術に対する投資額は約45百万ユーロ。Brose CZ spol. S.r.o.は、およそ12の自動車ブランドや主要シートメーカー向けに手動および電動シートアジャスターやサイドドア、テイルゲートラッチを生産している。製品は、ベルギー、スウェーデン、イタリア、ドイツに輸出されている。主な顧客はAudi, BMW, Faurecia, DaimlerChrysler, Johnson Controls, Lear Corporation、Volvo。工場間相互協力に参加しており、チェコの生産拠点から、CoburgとWuppertalの二つの姉妹工場にも製品を出荷する。2005年の売上は、180百万ユーロを見込んでおり、将来更なる事業拡大を考えている。

・2005年12月 トルコ Pressan S.A.の株式40%を取得
Pressan社(本社トルコ・イスタンブール市、創設1961年.トルコ人による同族会社)は、トルコ最大手のウインドウ・レギュレーター他、ラッチ、ドア・ハンドル、プレス部品などの自動車部品メーカー。主要顧客はFiat, Ford, Renault, Toyotaなど。Brose社の参加を得てトルコ国内での体制強化を目指すのみならず、中近東地域への輸出促進を狙う。2008年までの売上目標は70百ユーロ(対2005年比+155%)。Brose社にとっては、この資本参加により中近東地域での拡販足がかりをつかむことになる。

<アジア>
・中国の急速な経済拡大に対応するため、現地生産拠点を長春市に設立することを決定。同社にとっては第3の生産拠点となる。操業は2006年初頭を予定。

<米国>
・2005年5月、Broseは2005年5月4日、米国に二つ目のドアシステム工場を正式に開設した。不動産、製造設備、物流および情報技術に約25百万ドルが投資された。Brose Tuscaloosa, Inc.は、DaimlerChryslerのMクラスおよびRクラスの新型モデル向けに2004年末からドアシステムを生産している。工場の従業員は、年末までに60人から90人に増加することになっている。年間の生産数量は、2006年末までに72万ユニットに達する予定。