American Axle & Manufacturing Holdings, Inc. 2018年12月期の動向

業績

(単位:百万ドル)
  2018年
12月期
2017年
12月期
増減率
(%)
要因
売上高 7,270.4 6,266.0 16.0 1)
営業利益 106.4 543.0 (80.4) 2)
部門別売上
ドライブライン 4,254.0 4,039.7 5.3 3)
メタルフォーミング 1,097.4 830.0 32.2 4)
パワートレイン 1,114.7 806.6 38.2 5)
鋳造 804.3 589.7 36.4 6)

 

要因
1) 売上高
-2018年12月期の売上高は、前年比16.0%増の7,270.4百万ドル。増収の主な要因は、2017年4月に買収したMPGの業績が、2018年12月期は通年で計上されたことによる。MPGの買収以外は、同社の小型トラック用やSUVプログラム用での生産増や客先の新規プログラムの立上げ等による売上増。これらの増収は、大型トラック向け販売の減少や小型トラック向け生産の減少により一部相殺。

2) 営業利益
-2018年12月期の営業利益は、前年比80.4%減の106.4百万ドル。営業利益減は主にのれん減損費用485.5百万ドルによるもの。売上は前年比増となった一方、原材料コストの上昇も相まって減益。

3) ドライブライン
-2018年12月期の売上は、前年比5.3%増の4,254.0百万ドル。増収の要因は、小型トラックやSUVの生産増や、新規プログラム立上げ。大型トラック向け販売の減少や、北米トラック向け生産の減少により一部相殺。

4) メタルフォーミング
-2018年12月期の売上は、前年比32.2%増の1,097.4百万ドル。MPGの業績が、2018年12月期は通年で計上されたことが寄与。その他の要因としては、鉄鋼仕入価格の顧客への転嫁や為替換算の効果が挙げられる。

5) パワートレイン
-2018年12月期の売上は、前年比38.2%増の1,114.7百万ドル。メタルフォーミングセグメントと同様、増収の最大の要因はMPG業績の通年の計上。客先の新規プログラム立ち上げに伴う生産増も寄与。

6) 鋳造
-2018年12月期の売上は、前年比36.4%増の804.3百万ドル。MPG業績の通年の計上が最大の増収要因。その他、鉄鋼仕入価格の顧客への転嫁により13百万ドルの増収。

 

事業提携

-同社は、Drexler Automotiveとの提携を拡大し、高性能なディファレンシャルを高級車から乗用車、小型トラック、クロスオーバー、SUVにまで供給すると発表した。提携拡大により、同社の「TracRite」ディファレンシャルシリーズのラインナップに電子制御ディファレンシャル (eLSD) が加わった。Drexlerは、欧州高級車メーカーのTier 1サプライヤーとして、高性能なLSDやレース用トランスミッション、ドライブシャフト、ホイールハブなどを開発・製造している。(2018125日付プレスリリースより)

 

受注

-同社は、自社のAWDドライブライン技術がCadillacXT4」に採用されたと発表した。CadillacXT4」のツインクラッチAWDシステムは、同社のパワートランスファーユニット(PTU)を備えることにより、ドライブラインの損失を減少させるため、非AWDモード時にドライブシャフトとリアアクスルを分離させることができる。トランスミッションに取り付けられた同社のPTUは、トルクを必要とするときにドライブシャフトを通してリアドライブモジュールに電力を伝送する。AWDモードをオフにすると、PTUはドライブシャフトの回転を停止するため、燃費の改善と排出ガスの低減につながるという。CadillacXT4」のPTUは、ディスコネクトPTU、マルチピースドライブシャフト、ECU付きリアドライブモジュール、トルク伝達装置など同社AWDソリューション「EcoTrac」の一部となっている。(201867日付プレスリリースより)

-
同社は、自社のAWDパワートランスファーユニットが2019年型FordEdge」とLincolnNautilus」に採用されると発表した。同社は業界初となるディスコネクトAWDシステムを2013年後半に発表以降、これまでに60万基以上のディスコネクトAWDシステムを供給している。同社のAWDソリューション「EcoTrac」は、米ミシガン州Three Rivers、メキシコGuanajuato、中国常熟市、ポーランドSwidnicaなどの複数施設で製造しており、2020年までに「EcoTrac」の年間売上高は約800百万ドルに達する見込みだという。(2018611日付プレスリリースより)

 

受賞

-同社はGMから「2017 GM Supplier of the Year」を受賞した。昨年に続き2度目の受賞。

-以下の各工場が、自動車メーカーから表彰を受けた。

  • GM Supplier Quality Excellenceを米国5工場、中国1工場、韓国1工場が受賞した。特に、中国常熟工場は4年連続で受賞。
  • FCA Outstanding Quality Awardを米国ミシガン州Fraser工場、Royal Oak工場がそれぞれ受賞。
  • Ford Q1 Award、奇瑞 (Chery) Excellent Quality Performance Supplier Awardを中国蘇州工場が受賞。

-同社は、Jaguar Land Roverから2017年「Supplier Excellence」賞を受賞したと発表した。JaguarF-Pace」、「XE」、「XF」や「Range Rover Velar」へのアクスル供給が評価された。「Supplier Excellence」賞は、同社を含めて15社が受賞した。(2018620日付 プレスリリースより)

 

2019年12月期の見通し

-同社は、2019年12月期の売上高を約73~74億ドルと予想している。

 

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
合計 146.2 161.5 139.8

 

研究開発拠点

-2018年12月31日現在、16のエンジニアリング開発センターを保有。

 

製品開発

IZB (International Suppliers Fair) での展示
-同社は、1016-18日にドイツWolfsburgでの自動車部品の国際展示会「International Suppliers Fair」に出展し、最新の低燃費・軽量のドライブライン、パワートレインと金属成形技術を紹介。自動車の性能に影響を与えることなく燃費向上や排出ガス削減に貢献する、e-AAMハイブリッド・電気ドライブライン技術、Quantumアクスル技術、EcoTracディスコネクトAWDシステムなどの主要製品を展示。(201810月10日付 プレスリリースより)

 

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2018年12月 2017年12月 2016年12月期
全社 524.7 477.7 223.0

-同社は、2019年12月期の設備投資額が対売上高で約7%になると予想する。

 

海外投資

<スペイン>
-同社は、欧州の新規・既存顧客の需要増に対応するため、スペインのBarcelona近郊に自動車のパワートレイン部品工場を建設すると発表した。近隣のGavaにある小規模な2つの工場を統合する。新工場は、広さ15,000平方メートルで、フル稼働時の従業員数は170人となる見通し。20191月に稼働を開始し、RenaultBMWDaimlerPorscheAudiFordといった欧州の主要OEM向けに、圧縮ダンパーや加硫接着ダンパー、アイソレーションプーリー、インモールド接着ダンパー、ダンパーギアなどの各種ダンパーを生産する。(2018628日付 プレスリリースより)