Shanghai GKN Drive Shaft Co., Ltd. [上海納鉄福伝動軸有限公司] 2012年12月期の動向

ハイライト

事業概要

-同社は2012年1月から9月の総括を行った。それによると1-9月の売上高は40.2億元で前年同期比18%増であった。等速ドライブシャフトの生産量は前年同期比19%増の880万本。フックジョイントは33万セットで0.4%増となった。2012年の年間売上50億元、等速ドライブシャフト生産量1,200万本という目標はこのまま維持する。各生産拠点の建設進捗状況は次の通り。武漢工場は2012年末に生産能力100万台分規 模になる予定。長春工場は7月に第2期建設が終了し、生産能力を75万台分とした。武漢第2工場は8月に着工し、2013年4月に工場棟が完成する予定。生産状況は、武漢工場で鄭州日産および上汽GM五菱向けに、長春工場で一汽VW、華晨中華1.8/2.0L、上海GM北盛向けに生産を開始した。新たに供給資格を獲得した製品はGMのE2XXなど23項目となった。品質関連では長安フォードから「Q1」賞を受賞している。(2012年10月30日付けプレスリリースより)

-同社は、2012年上半期の業績と下半期の計画を発表した。それによると、2012年上半期の売上高は27.2億元で、前年同期比 18%増となり、年間目標売上高50億元の半分強を達成した。主要製品であるCVドライブシャフトの生産量は571万本で、前年同期比17%増となったが、年間目標1,200万本の半数には至らなかった。生産能力拡大のための設備投資案件では、武漢第二工場とテクニカルセンタービルの建設およびレーザー 溶接設備の工期が遅れている以外は順調に進んでいる。2012年の年間売上高50億元、CVドライブシャフト生産量1,200万本という年間目標の見直しはせず、現状のままとする。(2012年7月24日付けプレスリリースより)

-同社の2011年の業績は次の通りであった。売上44.5億元、前年比15.6%増。輸出額1.451億元、前年比4.2%増。等速ジョイントドライブシャフト生産量10百万本超、前年比13.5%増。フックジョイント生産量31.1万セット、前年比22.8%増。精密鍛造製品12.48百万個、前年比6.2%増。(2012年1月13日付けプレスリリースより)

資格の取得

-同社の長春工場は2012年12月13日から14日にかけて、一汽VWのサプライヤー審査を受けた結果92点を獲得し、Aクラスサプライヤーの資格を得たと発表した。審査はForm-Q (6) 条に則り、製品品質、加工工程、ドライブシャフト組立工程、物流管理など各方面にわたり行われ た。(2012年12月24日付けプレスリリースより)

 

-同社は2012年11月初旬、VDA-QMC北京によるVDA6.3の審査を受けた。この審査はBMWからの委託を受けて行われたもので、審査の結果、同社は91点を獲得しBMWのAクラスサプライヤー資格を取得した。(2012年11月15日付けプレスリリースより)

納入

-同社の顧嘯峰 (Gu Xiao Feng) 副総経理は2012年4月13日上海GMが煙台 (Yantai) で開催した SUV Gammaプロジェクトスタートミーティングに出席した。2011年上海GMは乗用車123万台を販売し、全国一位となった。2012年の販売目標は135万台で、そのうちの125万台に同社が部品を供給する。GammaはBuickブランドのSUVモデルで、2012年10月に量産開始の予定。同社は上海GMとの良好な提携関係を維持し、今後の業務拡大につなげたいとしている。(2012年4月27日付けプレスリリースより)


新工場

-2012年11月、上海康橋工場 (Shanghai Kangqiao Plant) で等速ジョイントとドライブシャフトの自動組立ラインの稼働を開始した。この組立ラインはアジア太平洋地区初の自動化ラインで、6軸ロボット2台、サーボ油圧自動圧入機構、MESシステムなどで構成されている。これまで圧入、グリース封入など人力で行っていた重要工程を自動化し、人為的な原因による品質への影響を大幅に抑制する。MESシステムはオンラインで組立工程を監視するとともに品質パラメータを記録し、生産ラインへのフィードバックを容易にした。ロボットの採用はマンパワーを削減するだけでなく、工員の作業負担も軽減した。また同社は新しい生産ラインだけでなく、既存の生産ラインも改造し自動化を進めている。(2012年11月13日付けプレスリリースより)

-同社の長春工場は2012年10月、100万本目となるドライブシャフトをラインオフし、その祝賀式典を行った。長春工場は 2010年に建設を開始、2011年には生産量が50万本を超えた。建設から1年半で日産3,000本から9,000本に生産能力を伸ばした。2012年末までの生産量150万本達成に向けてラストスパートをかけている。(2012年10月12日付けプレスリリースより)

-同社は上海周浦工場 (Shanghai Zhoupu Plant) にドライブシャフト生産ラインを新たに増設している。上海VWの途観 (Tiguan) 用とQ5用ドライブシャフト生産ラインに続くこの3本目のラインでは、主に日産、マツダ、三菱 (SUV) 向けの中間ドライブシャフトを生産する。2012年10月にマツダと日産に路上テストサンプルを提供する 予定。(2012年9月26日付けプレスリリースより)

-同社は2012年8月、武漢経済技術開発区で武漢第2工場建設の着工式を行った。総投資額は10億元。第一段階として3.8億元を投じて精密鍛造ライン2本を建設する。完成は2013年6月の予定。年産能力は精密鍛造部品11百万個。中部地区、東北地区、華東地区に等速ドライブ シャフト用鍛造品を供給する。(2012年8月29日付けプレスリリースより)

-同社は武漢第2工場を建設する。第2工場の敷地面積は約8万平方メートル。建設は段階を分けて行い、第1段階として2.3億元を投じ2,000トンの精密鍛造ラインを建設する。年産能力は精密鍛造製品5.5百万個。完成予定は2012年末。最終的には4本の精密鍛造ラインを設置し、武漢地区の第2の等速ジョイントドライブシャフト生産拠点とする計画。また同社のその他の工場にも精密鍛造製品を供給する。(2012年3月8日付けプレスリリースより)

-同社の上海申江工場 (Shanghai Shenjiang Plant) は2011年10月、3本目となる精密鍛造ラインの稼働開始を祝う式典を行った。これにより同社の鍛造部品の生産量は1,700万個に拡大される。(2012年1月4日付けプレスリリースより)

-同社の武漢工場 (Wuhan Plant) は2011年11月26日、100万本目となる等速ジョイントドライブシャフトをラインオフした。同工場は2009年に稼働を開始し、先ごろ年産能力を100万本にまで引き上げた。(2012年1月4日付けプレスリリースより)

-同社の2011年の等速ジョイントドライブシャフト生産量が2011年12月に1,000万本に達し、上海康橋工場 (Shanghai Kangqiao Plant) でこれを祝う式典を行った。(2012年1月4日付けプレスリリースより)

受賞

-同社は2012年2月、上海GMが開催したサプライヤー大会において「優秀サービス賞」を受賞した。また上海汽車集団が開催した年賀会において「2011年度業績優秀賞」を受賞すると同時に、総経理薛錦達 (Xue Jinda) が先進的経営者として表彰された。(2012年2月8日付けプレスリリースより)

認定

-同社の武漢工場は、2012年1月にISO14001:2004環境マネジメントシステム認証を、2月にISO/TS16949:2009自動車産業品質マネジメントシステム認証を取得した。また長春工場も2月にISO/TS16949認証を取得した。(2012年3月8日付けプレスリリースより)

開発動向

研究開発施設

-上海康橋工場内にテクニカルセンターを保有。

-GKN Drivelineは今後5年間にわたって上海R&Dセンターの拡大に8,000万元を投資する計画。設備開発以外に、原材料の品質向上や計算能 力のレベルアップにも注力し、中国国内市場の需要に対応する製品を供給することを図る。完成後、GKN Drivelineの中国における研究員数は、現在の2倍となる120名に達する。中国の自主研究・開発を徹底的に実現する。

-同社は2012年7月、テクニカルセンターでドライブトレインテストプラットホームの運用開始を祝う式典を行い、高速ドライブシャフトテスト設 備の稼働開始を確認した。薛総経理は、同社が単なるドライブシャフトメーカーからドライブトレインのサプライヤーに転向していくことを表明した。同社は、一部の合弁メーカーと四輪駆動の高速ドライブシャフト契約を結んだほか、VW、GM、Fordと四輪駆動のファイナルドライブ、ディファレンシャル、 電子トルクマネージャーなどの開発を進めている。(2012年7月9日付けプレスリリースより)

2011年開発項目

-同社は2012年4月28日、社内のイノベーション大会を開催し、2011年の実績や新規開発案件の発表・表彰などを行った。新規開発は119件、量産開始21件、新規投入43件、新製品サンプル提出8020セット、新製品開発ノルマ達成率100%。そのうち、長春工場の第一期建設工事、Tiguanプロペラシャフトアセンブリーの国産化、Audi C7プロジェクトの3案件が2011年イノベーション賞の一等賞を獲得した。またトルク管理技術、中間ドライブシャフト国産化技術、BMWスプライン冷間プレス技術など新技術が紹介された。(2012年5月3日付けプレスリリースより)


提携

-GKN中国は2012年6月、重慶大学を訪問し、電子機械学院 (The Electro-Mechanical College) と長期的パートナーシップを結んだ。今後双方は共同で教育、研究開発を進める。GKN傘下の納鉄福伝動軸 (重慶) 有限公司 (GKN Driveshaft Chongqing) は重慶大学との関係強化により技術革新面での進展が期待できるとして、これを歓迎している。またGKNは中国各地の大学で奨学金給付や実習、雇用などによる学生支援を行っており、重慶大学でも6名の学生に奨学金を提供している。(2012年6月25日付けプレスリリースより)

設備投資

国内投資

- 上海納鉄福伝動軸有限公司は2012年8月27日、武漢経済技術開発区で武漢第2工場建設の着工式を行った。総投資額は10億元。第一段階として3.8億元を投じて精密鍛造ライン2本を建設する。完成は2013年6月の予定。年産能力は精密鍛造部品11百万個。中部地区、東北地区、華東地区に等速ドライブシャフト用鍛造品を供給する。(2012年8月29日付けプレスリリースより)