Recticel S.A. 2010年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2010年12月期 2009年12月期 増減率(%)
要因
全社
売上高 1,348.4 1,276.7 5.6 -
EBITDA 83.5 102.3 (18.4) -
自動車部門
売上高 324.9 289.4 12.3 1)
EBITDA 26.9 (6.9) - 2)

要因
自動車部門
1)
-自動車部門の売上高は前年比12.2%増の324.9百万ユーロとなった。これは同部門内でも「インテリア」事業部(売上高:前年比22.3%増の170.2百万ユーロ)の売上増に起因するもの。同事業部は主に高級車に供給しており、2009年の不況の影響が大きかった。2010年には全地域で大幅な売上増を記た。欧州および米国の高級車市場は引き続き好調で、さらに中国などの新興市場でも需要が伸びている。

-「シート」部門(RecticelとカナダWoodbridgeの合弁会社Proseat)は、低価格から中級の自動車市場向け製品に注力している。同事業部の売上高は前年比4.5%増の136.6百万ユーロとなった。この事業部門が低調なのは、政府のインセンティブプログラムが前年に実施されたことによるもの。

-「エクステリア」部門売上高は、前年比7.4%減と微減の18.1百万ユーロとなった。外装用のコンパウンド事業は2008年にBASFに売却。売上はBASFとの協定に従ったものに限られる。

2)
-自動車部門のEBITDAは、6.9百万ユーロの損失から26.9百万ユーロの利益へとプラスに転じた。これには、ドイツインテリア部門のUnterriexingen工場、ベルギーProseat Hulshoutのリストラ費用が含まれている。

-インテリア部門の大幅な収益増は、ボリュームの増加、昨年に導入されたリストラ計上方法の変更、および2010年4月に米国子会社2社のチャプター11からの脱却、この3点によるもの。シート部門は、売上の大幅増にかかわらず材料費が高騰、さらにベルギーのリストラ費用(4.8百万ユーロ)を計上したことにより低調となった。

米連邦破産法11条からの脱却

-米国の連邦裁判所が同社米国子会社の再建計画を承認したと発表。対象はRecticel Interiors North America (RINA)とRecticel Urepp North America (RUNA)。これにより両社は、破産法11条の適用から約6ヶ月振りに脱却することになる。(2010年4月14日付プレスリリースより)

工場閉鎖

-同社とWoodbridgeの合弁会社でドイツに本拠を置くProseatは、ベルギーのHulshout工場を閉鎖する意向を発表した。 フォームクッションを生産する同工場は、GMのAntwerp工場とFordのGenk工場向けの生産拠点。GMが同工場を閉鎖したのに加えて、Ford 向けのフォームクッションを含むシートの供給契約をLear Corporationが受注。それが今回の閉鎖決定に繋がった。(2011年1月14日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2010年12月期 2009年12月期 2008年12月期

合計

15.8 13.9 15.9

研究開発体制

-ベルギーWetterenに国際開発センター(IDC)を保有。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2010年12月期 2009年12月期 2008年12月期

全社

35.2 24.1 48.7
自動車部門 11.2 7.0 21.0