RECTiCEL 2008年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)

2008年12月期 2007年12月期 増減率(%)
要因
全社
売上高 1,555.4 1,611.8 (3.4) -
EBITDA 108.8 122.0 (10.8) -
自動車部門
売上高 474.2 490.4 (3.3) 下記要因)参照
EBITDA 50.1 40.6 23.4

要因 (自動車部門)
売上高
-シート部門(Recticel社とカナダWoodbridge社がそれぞれ51%と49%を出資する合弁企業Proseat社が担当)の売上高は7.3%増えて241.5百万ドル。スペインバルセロナ市の成型品生産企業Indepol社への参加権益のすべてを2008年7月1日付でProseat社に統合した効果が主たる要因。また、Proseat社が買収した英国のWoodbridge社事業が2007年3月1日付であったため2007年度決算では10か月分の計上であったが2008年度には12か月フルに計上できたことも増収の要因。こうした2件のプラス要因がなければ、売上高は前年比で4.4%縮小したと思われる。

-内装部門の上半期の売上増を下半期まで持続させることができなかった。チェコと中国の事業を除きすべての国で売上を落とした。(196.3百万ユーロ:11.2%減少)。理由は販売量の減少。米国では、米国ドル安も負の要素となった。チェコのMost工場ではMercedes EとPeugeot 408等の新製品を立ち上げる準備が予定通り進行中。
-外装部門(36.4百万ユーロ、17.6%減少)においても世界的自動車産業不況の影響を免れることはなかった。加えて、米国ドル安が販売全体に影響を及ぼした。車両窓枠用ポリウレタンシステム製品事業を特殊ポリウレタン合成材事業とともに2008年末にBASF社への売却処分を決定。売却価格は38.2百万ユーロ。この売却による2008年度売り上げに与える影響はなかった。

EBITDA
-自動車部門のEBITDAは23.4%増えて50.1百万ユーロ。(ネット非経常項目の+27百万ユーロを含む。尚、2007年度は+1百万ユーロ)。非経常項目とは;
(1)BASFに売却した一部外装部門のキャピタルゲイン
(2)事業再構築費用
上記2点の非経常項目を外した場合、各部門のEBITDAはプラスを確保。
-シート部門(Proseat社)の利益は前年比で大幅ダウン。スペインSantpedorの新工場の立ちあがりがスムースではなかったこと、ドイツとチェコの工場では生産量が少なかったこと、ドイツとスペインでリストラ対策を打ったことなどがマイナス要因。

-内装品部門の利益もダウンした。その背景には;
(1)世界的自動車不況の煽りを受けて2008年9月以降生産量が縮小したこと。
(2)ドイツにおいてリストラコストが発生したことなど。

米国の事業実績は相変わらず負の要素が多かったが前年に比べて回復が見られた。

-カスタマーポートフォリオと特別ポリウレタン合成製品のBASFへの売却でキャピタルゲインが発生したことによる効果があったため外装部門の業績はプラス。キャピタルゲインを外した場合の事業実績は自動車市場の低迷に引きずられて減少となった。加えてこの部門ではドル安の影響を受けた。


企業買収
-Recticel社は(資本比率:Recticel 51% Woodbridge 49%)は、スペインの成形発泡材メーカーIndepolの全株式を取得。同社は、2005年1月、Indepolの株式25%を取得していた。Indepolでは、成形発泡材シート部品を生産し、自動車メーカー(Seat、GM、Ford)に納入。従業員は400名で売上は35百万ユーロ。(2008年7月7日付プレスリリースより)


売却
-同社は、車両窓枠用ポリウレタン(PU)樹脂エンキャプシュレーション材事業をBASFに売却。売却金額は38.2百万ユーロ。今回の売却は、欧州、米国、およびアジアのPU樹脂エンキャプシュレーション材事業が対象。なお、同社の外装部品部門の生産拠点であるWetteren工場 (ベルギー)及びAuburn Hills工場 (米国)は、今回の売却には含まれない。(2008年10月28日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)

2008年12月期 2007年12月期 2006年12月期

合計

15.9 15.2 18.2

研究開発体制
-ベルギーWetterenに国際開発センター(IDC)を所有。
-2008年度のR&D投資は15.9百万ユーロ。
-研究開発予算の57.1%が自動車事業のために使用される。


新製品開発
Colo-Sense(R)ダッシュボード外皮
-新世代のColo-Sense(R)ダッシュボード外皮が発表された。 この特許の新外皮は、感触(haptic)特性が向上したことに加え、価格面でも競合製品と遜色ない。 この製品の品質と特性が向上したことで、さまざまな新規契約が締結された。 この製品は、2009年度~2010年度にかけて生産が開始される予定。同社では、新規受注に関連して、チェコのMost工場の生産能力を2008年に増強。

Colofast Spray(R)
-外皮に後工程で手直しが必要となる多くの欠片が発生することを避けるため、Colofast Spray(R)工法によるダッシュボードとドアパネル外皮の製法を完成させるため研究を進めている。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)

2008年12月期 2007年12月期 2006年12月期

全社

48.7 45.6 44.9
自動車部門 21.0 13.6 15.4