N.V. Bekaert S. A. 2009年度の動向

ハイライト

最近の動向

企業買収

-2008年2月、Haci Omer Sabanci Holding A.SとHaci Omer Sabanci Holdingが保有するトルコのBeksa Celik Kord Sanayi ve Ticaret A.Sの株式50%を取得することを視野に、趣意書を取り交わした。同社では、既にBeksaの株式50%を保有しており、これによりBeksaを完全子 会社化する。従業員数は約330名、年商は8,000万ユーロ(2006年実績)。(2008年2月18日付プレスリリースより)

-2010年3月、ブリヂストンのタイヤ用スチールコード事業会社2社の買収を完了したと発表。同社は2010年2月、ブリヂストンが保有する中国・広東 省の普利司通(惠州)鋼絲帘線有限公司(BSSH)と、イタリアSardiniaのBridgestone Metalpha Italia S.p.A.(BMI)を買収する意向を表明していた。また、同じく2月に合意された、ブリヂストンにスチールコードを長期供給する契約も正式発効し た。(2010年3月31日付プレスリリースより)

合弁事業

-中国鉄鋼大手のAnsteel(鞍山鋼鉄集団)と、折半出資の合弁会社を設立することで合意。両社は総額150百万ユーロを投じ、重慶市の一角にある双 橋(Shuangqiao)地区にスチールコード工場を建設する予定。第一期の投資額は40百万ユーロで2009年から稼動開始の予定。Ansteelで は、自動車、建設、造船など広範なセクターに鋼材製品を供給している。(2008年6月6日付プレスリリースより)

業務提携

-2007年9月、インドのスチール鋼メーカーMukandと戦略的な業務提携を結んだ。両社は合弁会社を設立し、インド・マハラシュトラ州でステンレス スチールワイヤーを生産する現地工場を運営する。合弁会社の資本金は、10億インドルピー(1,800万ユーロ)で、両社の折半出資とする。ステンレスス チールワイヤーは、自動車産業をはじめ、様々な産業分野で世界的に需要が高い。Mukandは、合金・ステンレススチール線材の生産を手掛けるインドの大 手メーカーで、国内のKalwe、Thane、Hospet、及びKarnatakaに生産拠点を構えている。Mukandは、Bekaertに自社製品 を供給していた実績があり、新工場にワイヤーロッドを供給する。Bekaertは、主に、ラジアルタイヤ補強用、繊維のカーディング(毛すき)機用にス チールコードを現地生産しており、インド市場では既に実績がある。(2007年9月5日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発体制

-同社はベルギーと中国の研究開発施設の開設と拡張のための費用として10百万ユーロを引き当てた。ベルギーと中国の両国では材料分析の研究施設と試作工 場を立ち上げる。試作工場では新材料と製品の広範囲のテストが可能となり、新規製品の生産立ち上がり時点で発生する典型的なトラブルを事前に排除して各地 の生産ラインに製品を投入していく。

-中国ではベルギー技術センターの緊密な協力により中国国内製品開発と生産工程をサポートする大きなプロジェクトを実施。また、アジア域内の全生産工場の 技術支援体制も構築。中国とアジアの好調な経済成長に対応する目的で2009年に建設を終了している新社屋(江蘇省江陰市)に技術部門を開設した。

-2010年3月、インドPune近郊のRanjangaonに技術センターを開設。同社はインド国内に計3工場(Pune、Ranjangaon、 Lonand)を保有。タイヤ補強用スチールコードやスチールワイヤー等を生産している。(2010年3月24日付プレスリリースより)

2009年の開発製品

-ガスバーナーに使用される超薄型金属繊維:効率良い焼却を促しNOxと炭化水素排気ガスを減少。

-リムに装着しタイヤバランスを行うホイールウェイト:環境に有害な鉛の代替品で環境にやさしい製品。

-焼結・溶接繊維:ディーゼル微粒子除去装置に採用され, 健康を害する微粒子を除去。

-タイヤに採用された超張力スチールコード:軽量で車両の燃費向上に貢献。またタイヤ自体も強固にする。

-ヒーター用コード:樹脂塗装された超薄型ワイヤーはトラックが排出するすす量を制限するのに不可欠な部品。

設備投資

海外投資

-2008年1月、ロシアのLipetsk Special Economic Zone(リペツク州特別経済区)にスチールコード工場を建設する。投資総額は9,700万ユーロを上回る見通しで2008年から2013年にかけて段階 的投資を行う。第一段階では2010年の稼動開始を予定している。リペツク州特別経済区は、首都モスクワから南400キロの場所に位置している。客先であ る自動車メーカーの拠点からも程近く、幹線道路網や電力供給などのインフラも整備されているという好立地条件。(2008年1月18日付プレスリリースよ り)

-2009年4月、同社と中国鉄鋼大手の鞍山鋼鉄集団(Ansteel)は、中国・重慶(Chongqing)市にスチールコード工場を開設。両社は 2008年5月に業務提携し、折半出資によりBekaert Ansteel Tire Cord (Chongqing)Co., Ltd.を設立していた。(2009年4月8日付プレスリリースより)

-Karawang(インドネシア)工場のスチールコード生産規模を2009年に拡張。地元顧客の要望に対応。高速道路建設プロジェクトがトラックとラジアルタイヤの需要拡大に貢献するものと予測。

-2009年、インドRanjangaon工場ではラジアルタイヤの需要増に対応するためスチールコード生産規模を40%拡張。