Harbin Dongan Auto Engine Co., Ltd.[哈爾浜東安汽車動力股份有限公司] 2021年12月期の動向

業績

(単位:百万元)
  2021年12月期 2020年12月期 増減率 (%) 要因
売上高 6,585.56 5,382.35 22.35

-エンジン、トランスミッションの販売増、東安汽発の取得に伴う統合、また製品開発及び、陝汽商車向けなど4社の新規顧客開拓により増加。

営業利益 91.97 57.42 60.17
経常利益 93.04 61.81 50.53
純利益 98.21 55.58 76.70

エンジン製造子会社東安汽発と統合し事業を再編

-2021年9月、エンジン製造子会社である、哈爾浜東安汽車発動機製造有限公司 [Harbin Dongan Automotive Engine Manufacturing] (東安汽発)の株式を取得し、同社事業に統合した。これにより東安動力は高効率エンジン及びATの開発機能を統合、小型商用車、航続距離の長い新エネルギー車やハイブリッド車、ミドル・ハイエンドクラスの乗用車及びピックアップトラック市場などに対応可能となったという。製品は主に長安汽車、福田、理想汽車、東風、長安跨越、奇瑞、吉利、江淮汽車、山東五征など向け。(2021年アニュアルレポートより)

 

製品開発動向

-同社の「DAN20」シリーズガソリンエンジン及び「DAM15KE」レンジエクステンダーASSYが、中国汽車報主催の第3回「中国源動力」にてそれぞれ「品牌先鋒」賞、「創新先鋒」賞を受賞。DAN20シリーズエンジンは直列のほか水平モデルも備え、エンジンをコンパクトに抑えることで最低地上高を高めた。熱効率は37.2%で、中国国6Bの基準を満たす。福田の奥鈴 (Ollin)、図雅諾 (Toano)のほか、東風、厦門金旅奇瑞商用唐駿欧鈴などの10以上のモデルに搭載されており、一部のモデルは間もなく量産となるという。「DAM15KE」は、新エネルギー車向けのレンジエクステンダーエンジン。様々な技術の採用により、燃費の向上、小型・軽量化、高効率化を実現した。天車傘下の商用EVブランド電咖商用車のほか、哪吒汽車、福田時代、長安凱程などに採用、量産を予定している。(2022年1月19日プレスリリースより)

-AVL上海技術センター(AVL STC)と共同で、「M15NTDE」及び「M16N」高効率ハイブリッド特殊エンジン、大排気量「D25/D25TD」高効率自吸・過給直噴エンジンを開発、またハイブリッド特殊DHT製品を同時に開発し、新エネルギー車向けの統合ソリューションの提供を狙う。同社の独自開発製品である国6対応「M15K」及び「M16K」は中国国内における小型商用車市場向け主力製品。また、理想ONEは同社の「DAM12TD」を採用している。長安汽車のパワートレイン「藍鯨動力」には、「D20TGDI」が搭載されているという。(複数メディア報道より)

 

見通し

-2022年12月期は、エンジン・トランスミッションの販売台数は76.9万台、売上は68.3億元となる見込み。(2021年度アニュアルレポートより)
 

研究開発費

(単位:百万元)
2021年12月期 2020年12月期 2019年12月期
研究開発費用 324.92 106.94 84.02
売上高に占める割合(%) 4.93 3.16 4.33

-2021年末現在、同社は研究開発員459名を有しており、総従業員の13.75%を占める。
 

中国国内における投資

-2022年4月、東安動力はハルビンの平房区において、新エネルギーハイブリッドシステム製造拠点の建設を開始した。長安汽車傘下の哈爾浜哈飛汽車工業集団及び東安汽発の資産を活用、約53万平方メートルに拠点を建設する。総投資額は12.5億元で、ガソリンエンジン、レンジエクステンダー、AT、DHTなどを主に生産する。建設は3期に分けて行われる。(2022年4月8日付プレスリリースより)