Bharat Forge Ltd. 2020年3月期の動向

業績

2020年3月期
-連結売上高は、前年比20.6%減の805億5,800万ルピー(2019年度は1,014億5,700万ルピー)。売上減の主な要因は、インド市場での中・大型商用車の生産台数減によるもの。排出基準の強化や自動車の電動化など、自動車業界の構造的・規制的変化により主要な地域・セグメントでの需要が減少した。EBITDAは、113億8,800万ルピーで前年比43.9%減となった(2019年度は202億8,400万ルピー)。
 

見通し

-商用車については、生産規模の適正化およびコスト削減に注力している。また現在は、BS-VI対応の新製品開発、車両の効率性向上、1台当たりのコンテンツの増加に向けて研究開発により力を入れている。2020年4月1日より、インドの自動車業界がBS-IVからBS-VI基準へ移行したことを機会に、Bharat Forgeはインド国内市場におけるトップ地位の維持に努める。
乗用車については、付加価値の高い
製品の投入、研究開発への注力、新しいOEMとの関係構築による成長に引き続き力を注ぐ。
eモビリティについては、参入企業が非常に少ないため、2輪、3輪、商用車、バスセグメントを戦略的にターゲットとして選択している。

 

受賞

-2019-2020年度、Bharat Forgeは以下のOEMから表彰された。

OEM 受賞
TATA MOTORS Quality Excellence Award
VE Commercial Vehicles Ltd SCM Award
Mahindra & Mahindra Best Product Development
Mahindra & Mahindra Best Overall Supplier
GM Supplier Quality Excellence
PACCAR/DAF LEADER Award

 

研究開発費

(単位: 百万ルピー)
2020年3月期 2019年3月期 2018年3月期
全体
474.7
547.5
374.3

-2019年3月期、全体の研究開発費は、総売上高の1.0%であった。

 

研究開発活動

-2020年3月期、Bharat Forgeの研究開発活動は、大型商用車向けの鋳造からアルミ鍛造に至るまでのサスペンション部品設計の革新、ギア設計用内製ソフトウェアの開発、冷間鍛造や精密加工・ニアネットシェイプ鍛造技術の発展、軽量化を目的とした鍛造部品の設計革新に注力した。

-REFU Elektronikを買収し、マハラシュトラ州Puneにある設計開発を共同で、インド市場顧客に対してパワーエレクトロニクス部品の開発を開始した。モーターコントローラー、DC/DCコンバーター、車載充電器などのEV向け製品を2021年度に投入する予定。
-Bharat Forgeは、Tevvaの支援のもと、インドで商用電気トラックの試運転を開始し、バッテリーやモーターなどの主要部品の性能を確認するとともに、複数の顧客と電動トラックやバスの開発に取り組んでいる。

 

特許

-2020年3月期、Bharat Forgeは11件の特許出願を行った。累計で70件の特許出願を行っている。

 

 

インド国内および国外投資

インド
-2019年4月、Bharat Forgeはインド、KolhapurのEternus Performance Materials (Eternus) およびEternusの既存株主と、株式引受契約を締結した。Bharat ForgeはEternusの株式の51%を取得し、子会社化した。Eternusは、高度な複合材製品や精密加工金属部品の研究と製造を行う企業。

-2019年5月、Bharat ForgeはAeron Systemsの株式26%を取得した。Aeron Systemsは、航空宇宙・防衛、自動車、再生可能エネルギー、インダストリー4.0などの産業向けに、慣性航法システム (INS) やIoTデバイスなどの技術製品を製造する企業。

-2019年6月、Bharat ForgeはインドのPuneに拠点を置く電動二輪車のスタートアップであるTork Motorsへの出資比率を48.86%に引き上げると発表した。Bharat Forgeは1株当たり21,103ルピーのプレミアムで、1,895株の株式を引き受けており、これは40百万ルピーに相当する。

-2019年8月、Bharat ForgeはNelloreのCenter for Light Weighting Technologyの建設を完了し、設備の最終段階の導入と微調整を開始した。

-2019年9月、Bharat Forgeは11.35百万ユーロを投資し、Refu Driveの50%の株式を取得した。Refu Drive GmbHは、REFUがドイツの法律に基づき法人化させたもの。2019年6月、Bharat ForgeはドイツのRefu Elektronikと主に車載コントローラーや車載部品の開発、製造、販売を行う合弁事業を立ち上げた。なお、車載部品は主に、ハイブリッドや電気駆動の2輪、3輪、乗用車、商用車向けの駆動部品、インバーター、コンバーター (AC/DCを含む)、あらゆる種類の補助アプリケーション、パワーエレクトロニクス関連品、バッテリーマネジメントシステム (BMS) など。

-2019年12月、Bharat Forgeはエンジニアリング製品の機械加工を行うKalyani Centre for Precision Technology Limited (KCPTL) を完全子会社化として設立したと発表した。KCPTLは、製造、機械加工、製造、組立、鍛造、鋳造や、エンジン、クランクシャフト、ギア、機械、乗用車、トラック、その他エンジニアリング製品のサプライヤー事業を行う。

ドイツ
-Bharat Forgeは、30百万ユーロを投資して、Bahrat Forge CDP Germany工場にアルミ鍛造ラインを導入したと発表した。同社はまた、ドイツ東部で、55百万ユーロを投資して新たなアルミ鍛造工場を設立しているという。


米国
-2019年9月、米国子会社のBharat Forge Americaがノースカロライナ州に鍛造・機械加工を行うグリーンフィールドの工場を設立すると発表した。第1フェーズでは約56百万ドルを投じて、最先端の技術と製造プロセスを導入し、アルミニウム製品を製造する。この投資は、有名OEMからの受注獲得や同社の研究開発力によって担保されている。